成功者K

著者 :
  • 河出書房新社
2.99
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本棚登録 : 514
レビュー : 68
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025513

感想・レビュー・書評

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  • 結局のところ何が言いたかったのかよくわからなかった。タイトルが面白かったので作者の穿った視点からみた芸能界や芥川賞の後日談など、どんな風に表現するのだろうかと期待して読んでみた。が、さしてひねりのない芸能界の裏側や下世話な話、やたらに出てくるあまり上手いとは思えない雑な性描写。全体的に滑稽ではあったがそれが面白いとは思えず・・・結局のところ、成功者K自身が何を言いたかったのか自分には伝わってこなかった。

  • 小説と言うものに縁遠くなっていて、久しぶりに読んだ現代の、そして日本の小説。
    読後感は「傑作ではなかろうか」。速読でない読み方でw、とても面白く読めた。
    話は小説家自身がモデルの主人公の出来事が全てで、他の人物は主人公Kの絡みでしか描かれない。平凡人から成功者としての有名人へとなったKに巻き起こる変化、そして舞い上がり。ふた昔前の小説なら、自己の「内面との対話」というような近代自我意識が色濃く出るところだろうが、ここでは俯瞰的な突き放した視線で、Kを淡々と描写する。冷笑的にも一部諧謔的にも感じる。
    珍しく私が読んだ、数少ない現代日本の小説『コンビニ人間』が、なんとここで「成功者M」の芥川賞受賞作として取り上げられていたw。あの小説にも主人公は、コンビニ店員モードのスイッチを入れて起動させ、それを客体視して淡々と叙述していた。現代の小説の描き方として、共通のものを感じる。

    読む前に一つだけこの作品の書評(というか感想のようなものだったが)を読んだ。曰く「作者自身がこういう人間で失望した‥」というような要旨だったが、これはずいぶん素朴というか、参考にならない凡庸な書評(というか感想)だった。

    近ごろは、原文日本語の文学はあまり読んでいないが、日本語の文章は大量に読んでいる。多くはブログだったり、ニュースサイトだったりSNSの短文。こういう短いものばかり読んでいて、久々日本語の長編を読むと、作家の、特に長い文章を書く力に感心する。細部の表現だけでなく300ページを始まりから終わりまで破綻なく仕上げどの箇所にも緩みが無い。これは優れたプロの技である。
    この、妙なところに関心したのが、ここに感想を書くきっかけw。

    ラストは賛否両論があるのでは? だが少なくとも自分はあのようなラストは読んだことがなかった。これほど物語が量産される時代に読んだことのない小説の終え方、というのは肯定ポイントであると思う。

  • 羽田圭介氏の本は初めて読みました。
    芥川賞作家ということで名前は知っていたので
    読んでみたいなと思っており手にとって見ました。

    お笑い芸人の又吉と一緒に芥川賞を取ったことで
    あまり注目されなかったイメージがありますが
    自身の体験談を多少は基にして書かれたのでしょうか。

    成功者としての気持ちの変化や周りの変化などが
    非常にリアリティを持って描かれているので
    最初は面白いのですが途中からはどうにも
    羨ましくてイライラしてくるというかそんな感じでした。

    残念なのが最後があまりによく分からないまま終わってしまうこと。
    余韻を残して終わるとかあとは想像にお任せしますとか
    そういう感じの終わり方ではなく結論を投げちゃったみたいな
    そんな感じの終わり方で消化不良でした。
    ドッキリ企画とかの伏線があるものの最後まで回収せずに
    終わっちゃいますしね。
    もうちょっと納得感が欲しいというかそんな感じでした。

  • くそつまんねー

  • かわいそうな人ねえ。実際はどうかわからないけれど。夢は終わったかな。事細かく書き連ねましたね、少々読むのに疲れた。実際に起こったことも書いているんだろうけれど、うまいような流れでした(脚光を浴びてから陰るに至るまで)。これから先、どういった感じで作品を作っていくのか気になるところです。

  • 成功者Kとは著者を表してるのだろうと思い、読んでみましたが物凄く現実味をおびた作品です。芥川賞を受賞した成功者Kの今までとは違った日常を事細かく描かれています。読む前はドキュメント要素の強い本だと思いましたがフィクションかノンフィクションかわからなくなるほどのリアルさがとても惹き付けられます。成功者Kとは本当に著者なのかその興味と好奇心を満たすつもりで読んだ本は自然とページをめくってしまうほどの面白い一冊でした。 (IT)

  • どう考えても著者の羽田圭介自身がモデルなわけだけど、テレビの裏側ってこんな感じなの?こんなことまで書いちゃっていいの!?と感じた読者こそまさに小説内で描かれるテレビを真実と信じる視聴者になっているというメタ構図。これってSNS時代には規模は違えど誰にでも起きる話だと思う。怖いな…

  • 著者自身をモデルにしたキワモノ小説と呼ぶことが出来ましょう。
    芥川賞を受賞した「成功者K」は、テレビに出まくり、芸能人やファンの女性たちとセックス三昧の日々を送ります。
    著者も芥川賞受賞後にテレビに出まくっていましたから、「セックス三昧も事実なのだろうか」と読者はのぞき趣味のような心境でページを繰ることになります。
    週刊文春によるスクープや、村田沙耶香の芥川賞受賞(作中では「成功者M」と表記)など実話がかなり盛り込まれていて、どこまでが現実でどこからが虚構なのか分からず、幻惑されっぱなしでした。
    しかしまあ、これは紛うかたなき小説でしょう。
    最後まで読めば、それがよりはっきりします。
    小説に対して、現実と虚構の境目を問うのは野暮というもの。
    それに、この小説が主舞台としている芸能界こそが、現実と虚構の溶け合った汽水域のような世界なのだからして。
    うん、十分愉しめました。
    成功者Kは、成功者になって以降、高級マンションに移り住み、ドンペリニヨンなどのいい酒を飲み、メルセデス・マイバッハS600に乗り、それだけならまだしも一般人を「貧乏人」と露骨に見くだします。
    たとえば、辻仁成にこんなことを書かれたら鼻につく、というか腹が立ちますが、著者だと何故か許せちゃう。
    本読みでFB友達のIさんが書いていましたが、著者のどこかとぼけた感じの作風が、そうさせるのでしょう。
    こういう内容の作品を、読者の反感を買わずに面白おかしく読ませる作家はあまりいないかもしれません。
    恐れ入りました。

  • さすが。さすが成功者K!
    わたしは成功者Kの周りのファンのようにすべての作品とは言えないけどちょいちょい読んでましたが、なかなかコアなので好きな作品は少なかったのですが、これは大好き笑。
    まず今までの作品の中でも群を抜いて読みやすいです。それは多分テレビの力かな。
    わたしがKを初めてテレビで観たのはアウトデラックスだったけど。加藤千恵さんのTwitterもフォローしてたので閣下の姿も観てましたが、アウトデラックスのKはぶっ飛んでて、正直なのかネタなのかわからない感じが最高だったなー。
    楽屋ネタを持ってくるのはずるいのかもしれなあけど、同時受賞した又吉は思いっきりそれだからね、いいと思う。ラストの混沌とした感じが好き。ドッキリだったのか、醒めたのか、それとも端からパラレルワールドで別次元なのか、創作なのか、わからない感じがすごく好き。
    全身全霊で描いた作品、熱量がすごい。好きです、成功者K最高、抱かれたくなっちゃう☆

  • 最後まで面白かったけど、ラストの意味がよく分からん

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞。2015年「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞受賞。著書に『走ル』『不思議の国の男子』『隠し事』『ワタクシハ』『メタモルフォシス』他がある。

「2017年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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