ここから先は何もない

著者 :
  • 河出書房新社
3.28
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本棚登録 : 177
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309025865

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの意味がわかった時呆然としてしまいました。「それではもうもう人間に生きている意味はないのですか?」「はい、ありません。ここから先は何もないのです」
    冒頭からは、なにかに集束していく巻き込まれSF(?)かなと思っていたらむしろミステリでした。SFミステリ、楽しみました。ボブ・ディラン。
    DNAより先にDNAの遺伝子情報が先に存在したというのとか、生物学は中学レベルしかないのでよくわからない…AIに身体感覚を与えるために人間を創造し、でも他に政治的に正しい生物がいるからホモ・サピエンスはもういいです〜みたいに安楽死にもっていかれるのは話が大きいです。よく思い付くなぁ。。
    ファンドの神様なおばあちゃんの関口さん格好良いです。

  • 銀行の窓口のという日常生活の場面から、小惑星探査に繋がり、人類の起源まで話が広がってゆく。表紙ともども不思議な読後感。なぜか「本陣殺人事件」を思い出した。
    ミステリーの謎解きと激しく融合させたSF?という感じですが、「何もない」先を描いてほしかった〜
    名作「宝石泥棒」の時はビートルズでしたが、今回のテーマ曲はボブ・ディラン!やりますな。

  • 設定は面白いのですが、あまり納得がいかない感じがある。ただ、最後の一行は感動させられる。

  • 面白かった。主人公のハッカー能力がチート級などのバランスを欠く部分もあるにはあるが、そこはご愛嬌。個人的には星を継ぐものより楽しめた。何よりこれを67歳で書けるってすごい。

  • 「ここから先は何もない」(山田正紀)を読んだ。あれ⁈ホーガンの「星を継ぐもの」みたいだな。こっちにも『ハント博士』が居るし、オマージュか?と思ったら少し意味あいが違ってました。あとがきで作者ご自身が「星を継ぐもの」について触れてました。
    山田正紀さんの小説読むのは実に40年ぶり。

  • 序盤はショボい話から徐々にはじまっていくので、この厚い一冊を読み切るのは困難かなと思っていたら、話はギュギュッと急展開。
    スピード感と広がりを持って展開し、最後までページを繰る手が止まらなくなる。

    最新のインターネット事情から日米関係、そして宇宙、人類の始まり、さらには生命の起源を超えていく。
    このスケール感、スピード感は、なかなか日本の作品では見られないものだと思う。
    一気に読了。面白かった。

  • 超大作SF。めっちゃ、面白い

  • 内容の難解さと文章の平易さが噛み合わないのか、よく理解できずにページだけが進んでいく。結局最後までよくわからないのは自分の頭が悪いせいなのかもしれないが…

  • 少々回りくどいかな。あと最近のテレビや映画にも言えるのだけど天才的なハッカーが出で来る話は総じて面白くない。昔はこういうのも楽しかったのだけど、、、なんかご都合主義っぽく展開してしまうのがもういいかなと。

  • 201801
    おもしろーい
    どこからがフィクションなんかわからなくなる
    星を継ぐものも読み直そうかな

  • 極上のSFは読むのに体力と知力を使う。
    また、各種用語を『既知のもの』として提示せざるを得ないため、時世に疎い者、理解力の追いつかない者を当然ふるい落とす。

    そうすることで得た推進力と、説得力でもって、物語は面白いコースをたどり、とんでもないゴールに連れてゆく。
    面白いコースであったし、ほどほどの過不足なきエピローグ提示のお蔭で読後も満足している。
    『突飛なゴール』に、説得力を持たすため『だけ』のために、この物語を書いたのではないだろうか。

    流石、山田正紀。デビュー作で神を狩っただけのことはある。

    人物描写は薄いと感じる部分もあるが……これについては、好みの問題である。
    法医学者が、頑健なリーダーを観察して『解剖するのに時間がかかりそう』と評する一文などはその最たる例である。このような、「短い文の少ない情報量で、キャラクター性含めての描写」ができること。
    評者は「過不足ない」と評しておく。

    作中にでてくるO・ヘンリーの短編は『魔女のパン』というタイトルで、青空文庫でも検索可能であることを申し添えたい。(流石に『これ』の内容を全く触れないではいられないので、本文中でもあらすじには触れられる。)

    既に述べたように、時世に疎い者、理解力の追いつかない者をふるい落としにかかる作品である。
    解らない単語に出会う都度、コトバンクを検索する。
    そんな『律義さ』を持った読者ならば、これまでSFに触れたことがなくとも相当に興味をもって読み、引きこまれることであろう。
    ……ただ体力も使うので、それだけは事前に忠告をしておきたい……。疲れた……面白かったけど。

  • 山田正紀の不可能密室SFの剛腕が全力で奮われた一作。

    神的領域だった謎がくるっと一回転し、地に足が着く部分が心地良い。

    最新のIT技術描写も貪欲に取り込んでいるが、業界の片隅で食べている身としてはちょっと違和感が残る部分(米軍にブルートフォースアタックとか、OTPの説明が?だったりとか)もあるので、星-1。

  • 40億年ってもう想像もできない昔からの企み.気が遠くなりそうな話ながら,はやぶさのような宇宙探査機とハッカー達のシステム侵入のミッションインポッシブルのようなスピード感とがミックスされて,よくわからないうちになあなあで大円団.

  • 銀行員OLの日常から始まり、徐々にSFになっていくのが面白い。
    小惑星探査で発見された化石人類の骨格。この謎を最強ハッカーの鋭二や美人法医学者らのチームが解いていく。
    AIが発達すると人類と敵対するような話は良くあるが、そもそも生物(ダーウィン進化が可能な化学システム.)発生の理由と原因(原始AIが環境情報を効率的に得るためには物理的な身体を必要とした)がそこにあるとしたら・・・
    そして人類は今まで順調に発展していたのに、なぜ「ここから先は何もない」のか。
    最終的に鋭二のおかげで人類は助かるのだが、それは、超人工知能が「愛」という概念を理解し始めるきっかけとなるのであった。
    サピエンス全史を覆す、人類誕生の秘密。良いSFでした。
    しかし、米保守派大統領候補がイスラエルの首都をエルサレムと認定するなんて、この話の中だけだと思いきや、実際に起こるとは!この作者には予感できたのかも・・・

  • 日本の小惑星探査機のシステムがブラックアウトし、再起動した時にはターゲットが別の惑星に入れ替わり、持ち帰った石には化石人骨が埋まっていた。アメリカに持ち去られ天才博士が解析するこのエルヴィスをハクティビスト、オーガナイザーらが奪還の依頼を受ける。

    スパイ大作成のようなミッション遂行、きっちり解かれる壮大な謎。楽しく読めました。

  • これ、面白かったですよ~、、一気によんでしまった、、けど最後の方は、なんかもったいなくって、2~3日に分けてよんだけど、、終わってしまった、、

  • SFアレルギーが解消しつつあるのかもしれない。
    神秘は突き詰めれば人工巧緻に至る、人工が巧緻に過ぎれば神秘と化する。
    最近『エイリアンコヴェナント』を観て人類あるいは生物の起源について考えたりしたので、興味が増幅し、楽しんで読んだ。ハッピーエンドともいえるエピローグも良かったな。

  • サイバースパイに宇宙探査に人類進化の謎にと…これはもう一気読みせざるを得ないでしょう。
    てかエンタテイメントとして一気読みできなきゃ楽しめない気もする。

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著者プロフィール

1950年生まれ。74年『神狩り』でデビュー。『地球・精神分析記録』『宝石泥棒』などで星雲賞、『最後の敵』で日本SF大賞、『ミステリ・オペラ』で本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞を受賞。SF、本格ミステリ、時代小説など、多ジャンルで活躍。

「2023年 『山田正紀・超絶ミステリコレクション#7 神曲法廷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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