ヴィオレッタの尖骨

著者 :
  • 河出書房新社
3.11
  • (9)
  • (15)
  • (37)
  • (20)
  • (2)
本棚登録 : 326
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026039

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 美しい少女たちの甘美で閉塞的な愛の物語。

    筆者が書くダークかつ官能的な少女小説は、醸し出される雰囲気が好きでいつもくらくらしてしまう。毒か薬かと言えば毒だけど、甘い毒だから飲みたくなるような。
    『針とトルソー』のラストシーンがとにかくお気に入り。

    <収録作品>
    ヴィオレッタの尖骨/針とトルソー/星の王様/紫陽花坂

  • いつまで続くのかもわからない出口のない環境での少女たちのもがき。

    才能を大人によって世間から隠されている少女2人が出会った美しい少年への罪。
    運命からは逃れることのできない事情をもった少女2人。
    売春婦として育てられ、自由を手に入れた双子がそれぞれ選択した道。

    女子校であったあの頃のこと。
    演劇部だった夕子の憂鬱、数年後に夕子が慕っていた先輩の死をきっかけに思い出されるあの時の記憶。

    なんてエロいの!
    永遠を求めていながら過ぎていく日々を待ち焦がれている少女たち。
    桜庭一樹思い出した。

  • 初期の作品群にあったような官能的で退廃的な雰囲気がただよう短編(~中編)でつくられた物語ばかり。たとえば最近の「校閲ガール」でしか知らなかったら結構戸惑う人もいるかと思うけれど、作者らしいなと私は思いました。

    いっさい容赦のない苛烈な環境、救いのない展開、薄暗い欲望。けれど一切の甘さを見せずに、そういった世界に生きる女性たちが描かれていて、くらくらとさせられました。

    楽しく読める物語ではないけれど、いびつだけれど自分を貫いて生きる女性たちは美しく儚く、そして艶めいていて素敵だとも感じました。

  • ただひたすら何かから逃げたくて、それでも何かに縛られていたくてーーという多感な時期の少女たちを描いた短編集。
    精一杯に着くずした制服と、甘く澱んだ要塞のような教室。
    窒息しそうな日々を必死にもがきながら生きている少女たちは、脆くて儚くて耽美。何かの拍子に粉々になってしまいそうな繊細さと危うさがある。
    ストーリー自体はぴんとくるものではないんだけれど、その世界観は存分に堪能できました。
    でもそろそろまた不倫ものが読みたいなーなんて。

  • 宮木あや子先生の小説は初めてです。こちらは短編?が4話入った小説です。グロかったり性的な場面が多いのに、表現が綺麗で生々しさを感じませんでした。ただただ美しいなと…。私にはあまり刺さらなくて、最後の「紫陽花坂」の初めの方でギブアップしました…。「校閲ガール」はドラマも観てたので読んでみたいなと思います。

  • 狂おしく時に猟奇的に時に切なく時に淫靡に儚くも美しい少女達
    なんのために生きるのか、それは『愛』の為『快楽』の為

    世界から切り離された檻の中で生かされている4つの花。欲望に溺れて湖の底から手を伸ばす少女達はどこに行くのだろう?

  • 紫陽花坂が好き。

  • あとどのくらい私たちはこうやって肌を合わせられるのですか-。世間から隔絶された場所で生かされている美しい少女たち。快楽に溺れながらも、真実の情愛を求める彼女たちに救いはあるのか? 儚くも美しい恋愛小説集。

    宮木あや子繋がり。
    私には理解するのが難しい内容だった。

  • 百合だったりロ●コンは万死に値するだったり

  • 表紙がめちゃくちゃ綺麗です。
    内容は一言で言うと百合と言うか少女同士の愛って感じです。
    ただ結末がハッキリと書かれてなく、文章が少し難しくて文学的でした。つまらなくはないですが個人的にはもう読まないかなと言う感じです

  • エロい、美しい
    どうして美しさが勝るのか、それは少女だから

  • 美しくてよかったけど、もっとも刺さるのは10代だろうなと感じた。

  • 好き嫌いが別れるとは思うが、個人的には好き。何本か短編が入っているが「紫陽花坂」が一番好きだった。

  • ちょっとごめんなさい。紫陽花坂は途中でやめました。
    星の王様は良かった。

  • 読みはじめると
    なんとなくエロい感じ
    考えさせられるストーリーだけど
    青い感じのエロさが際立ってるように
    思えた。
    微妙に 未消化な感じ

  • 身体に音楽的記号を描いた音楽科の歌とバイオリンの女生徒二人と美術科の少年、望まない結婚を控えた一昔前の模範的な女生徒と正反対の親友、双子のような遊郭の少女、女子高の運動部と文化部。密やかに繊細に艶かしく息衝く少女たちと、突然現れてヒッと息を呑むような凄惨さ。把握が曖昧なまま濃密な空気を受け取った。

  • 官能的な作品。
    若く青々しい。
    今私は身も心もおばちゃんで、しかし若い頃を思い返せば似たような感情持ったことあった気がする。
    それも遠い過去。

  • 迷宮

    例えば花街の曲がりくねった、身内にしか分からん地獄
    でも地獄でしか生きていけない虫もいる
    地獄でしか咲かない花もある

  • 2018.4.8 読了

    短編集。
    なかなか独特。

    理解できそうで できなさそうで。

    けど、なんか惹き込まれた。

  • 表紙に惹かれて読みました。短編集。
    可愛い女の子ばかりが出てくるのに全体的に暗いお話達。
    「紫陽花坂」の感じが『ガーデンロスト』とか『暗黒女子』みたいで惹かれたりしましたが、全体的にうわぁっと引くところばかりで、読んでて楽しくはなかったかな…と。

全35件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。2006年『花宵道中』で女による女のためのR-18文学賞の大賞と読者賞をW受賞しデビュー。『白蝶花』『雨の塔』『セレモニー黒真珠』『野良女』『校閲ガール』シリーズ等著書多数。

「2023年 『百合小説コレクション wiz』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮木あや子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×