クリスマスを探偵と

著者 :
  • 河出書房新社
3.56
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本棚登録 : 1961
感想 : 251
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  • Amazon.co.jp ・本 (80ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026169

感想・レビュー・書評

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  • 「サンタを信じられなくなった大人のための絵本」だというまことさんのレビューを見て読んだ。

    大学一年生の伊坂幸太郎は
    「サンタを信じられなくなった大人」だった。
    でも、伊坂幸太郎は最初から伊坂幸太郎だった。
    彼はそんな彼に向けてサンタのプレゼントを書く。
    リアルの中のウソ、ウソという名の奇跡。
    だってクリスマスだから。
    そんな想いは回り回って
    彼に絵本というプレゼントとして返ってくる。
    世界的な画家の絵とともに。

    絵本だからもう一度眺める
    見出しのページをめくると
    ドイツ・ローテンブルクの切妻屋根の街並み
    ひとつ一つの灯りがグリュック(幸せ)に包まれてる
    こじつけだけど、見方を変えるとだけど、
    サンタのいる街に見えてくる。

  • 読友さんの「大人がもう一度クリスマスを信じたくなる、そんな絵本」のレビューに惹かれ手にとりました。ありがとうございます!

    フィオール氏の挿絵の雰囲気が、ちょっと不思議な話の展開にぴたっと合って。そのフィオール氏があとがきで「まるでガラスケースに収められた小さな雪景色のよう。覗き込むたびに細部が変わっていって、少しずつ景色が違ってきます」と書いているのが、まさにその通り!もう一度読むと、また不思議な読後感に包まれそうです。

  • たまにはその時期っぽいものを。

    内容を読まないままに、伊坂さんなら安心と、こんなん借りてきてみたので読んでみればと娘に渡しつつ、隙間時間で取り戻して読み進めると。。。

    なんてこった、あのおじさんの正体が書いてあるではないですか。これから化けるところだったというのに。
    まぁ、でももう気付いているかぁと思いつつ、でも去年までの感じだとまだ信じているようにも見えたしなぁ。
    それでもいつまでも信じているわけにもいかないだろうしと思うと、ある意味物語性のある素敵なネタばらし。

    伊坂節のうんちく語りありつつ、夢のある解釈ありつつ、「やっぱりいることにしてもまぁいっか」って思ってもらえそうな結末。

    ちょっと謎解き系アニメのワンシーンの様な雰囲気が続く挿絵もいい。
    探偵の物語と相性ばっちり。
    さすがに読み聞かせするには長いし、気まずい物語かな。

  • 伊坂さんが大学一年生の時に書いた物語を元に創られたクリスマス絵本。
    伊坂さんがアマチュア時代に初めて完成させた、という今作。伊坂さんらしさが全面に出ていて、洒落の効いたまとまりのあるもので楽しめた。

    物は考えよう。
    その人の考え方一つで、物事はいくらでもハッピーになれる。
    ”こじつけ”万歳!
    クリスマスの夜の、ちょっと不思議でハートフルな物語。
    自転の関係で、一日を24時間でなく31時間使える彼が羨ましい。今夜私の所にも休憩がてらお喋りしに来ないかな。

  • 伊坂幸太郎さんの特集ムック本で、だいぶ前に1度読んだのですが、内容をすっかり忘れていました。
    絵本として読んだのは初めてです。
    マヌエーレ・フィオーレ氏の挿絵が、ほのぼのとして、あたたかく、美しいです。

    舞台はドイツ、主人公は今は探偵の仕事をしているカール。
    クリスマスの日、ある依頼人からの仕事での尾行中に、一人の若者に出会います。
    そして若者に15歳のクリスマスのある苦い経験を語り始めます。

    この本は、サンタクロースを信じている、子供向けの絵本ではありません。サンタクロースを信じられなくなった、大人のための絵本です。
    短いお話しですが、ちゃんとミステリーになっているところが、すばらしいです。

    まだ、クリスマスには早いですが、プレゼントにいかがでしょう。
    2017年10月の刊です。

    • まことさん
      まおちゃん。
      コメントありがとう!
      私も冬はあまり好きじゃありません。
      北国に暮らしているので、雪がたくさん降って、寒いのです。
      寒...
      まおちゃん。
      コメントありがとう!
      私も冬はあまり好きじゃありません。
      北国に暮らしているので、雪がたくさん降って、寒いのです。
      寒いだけで、落ち込みます。
      なんか暗くなりますよ。

      読書人生終わったなんていわないでください。
      きっと、まおちゃん自身が言うように、本を読む時期じゃないだけです。
      積読本、150冊はすごいね。
      少し前のまおちゃんのレビュー読ませてもらって、改めてまおちゃんてレビュー上手いし、知的さをすごく感じていました。
      私にはとても書けないレビューだと思ってたよ(*^^*)
      やめるなんて言わずに、是非是非戻ってきてくださいね!

      私も、毎日、本を読んでいます。
      まおちゃんもきっとまた、読みたくなるんじゃないかと思います。
      『マリアビートル』はハリウッドで映画化されるらしいですよ。
      コメント楽しみにしています。

      また、まおちゃん、戻ってきてくれるのブクログで待ってるね!
      ではでは、まおちゃんもよいお年をお迎えくださいね。
      2021/12/09
  • 大学生の時に始めて書いた小説のリメイク。
    『文藝別冊 伊坂幸太郎』に掲載された作品を、絵本仕立てにしたもの。

    クリスマス。
    ドイツの街並み。

    作品の雰囲気が、絵本という形態にあっている。

    ちょっと変わったやり取り。
    最後のオチ。

    筆者らしさも感じられるストーリー。

  • 大人のための、素敵な絵本。
    マヌエーレ・フィオール氏の絵が “詩的” で
    そこはかとない落ち着いた静かさが漂います。
    伊坂さんの文には、淡々とする中に勢いを感じました。

    幸せな明かりが道に漏れる、クリスマスの夜。
    探偵のカールは男を尾行していました。
    浮気相手がいると思われる家から男が出てくるのを待つ間のこと。
    公園で偶然出会った若い男との間に 話が弾みます。                                                                                                                              

    「こじつけ、というのは嫌いですか?」若い男が言います。
    見方を変えて可能性を考えるゲームをしましょうと。
    男は、カールが思ってもみない「別の見方」を披露し…。
    かたくなだった 探偵カールの心。
    徐々に柔らかくなっていくところに癒されます。                                                                                                                              

    そして、いちばん好きなのはこの台詞。
    「クリスマスというのは、欲しがっているものがもらえる日です。
    お母さんはカールさんにも会いたがっていると思いますよ」
    距離だけの問題ならどうにでもなるのだが、と男は言います。

    大人がもう一度クリスマスを信じたくなる、そんな絵本でした。

    • ☆ベルガモット☆さん
      yyさん、あけましておめでとうございます!
      昨年は多くのいいねをありがとうございます☆
      伊坂さんの絵本もあるんですね。
      読みたくなる本...
      yyさん、あけましておめでとうございます!
      昨年は多くのいいねをありがとうございます☆
      伊坂さんの絵本もあるんですね。
      読みたくなる本のご紹介とても参考になります。
      今年もよろしくお願いいたします。
      2022/01/01
    • yyさん
      ベルガモットさん☆彡
      新しい年が明けましたね。 
      おめでとうございます。
      こちらの方こそ、いつも本棚を見てくださってありがとうございま...
      ベルガモットさん☆彡
      新しい年が明けましたね。 
      おめでとうございます。
      こちらの方こそ、いつも本棚を見てくださってありがとうございます。
      一番新しいレビュー「デトロイト美術館の奇跡」のお母さまのエピソードが素敵でした。 
      今年もよろしくお願いします。
      2022/01/01
  • 心温まる大人の絵本。ローテンブルクで男を尾行する探偵。15才の苦い経験(自転車と指輪)から,クリスマスを楽しめない。謎の青年との偶然の出会が灰色の人生を幸福に。「赤い服は着ない」に納得。聖夜の奇跡。

  • クリスマスの頃、学校図書館に展示した本。

    伊坂幸太郎さんが、学生時代に初めて書いた小説が元になっているそうだ(書き換えた、とあとがきには書いてあったがどの程度書き換えたのだろうか…)。

    あまり伊坂さんの本を読んだことはないのだが、初めて書いたという小説にも、伊坂さんの風味が効いている。

    クリスマスの絵本というと、お決まりのサンタクロースやツリーもしくはキリストの誕生が表紙になっているモノがほとんどだが、こちらはドイツの小さな町をうつむいて歩く探偵の絵。全編に差し込まれる絵が文章にとてもマッチしている。

    クリスマスと探偵といえば、「ポアロのクリスマス」。
    フォローしている方の本棚で発見して、「おー!」と再読したくなった。2019.1.9

  • オトナに沁みる絵本の一冊。

    初伊坂幸太郎作品。
    完読できた喜びにまず浸る。

    クリスマスを楽しむ余裕のない探偵が出会ったささやかな出会い、夜のひとときを描いた物語は疲れたオトナの心に沁みるオトナのための素敵なクリスマス物語。

    人って、孤独感じる時ほど見知らぬ人には自分の弱さまで全てをさらけ出せちゃうものなのかもしれない。
    見方を変えるだけで拡がる世界、モノクロの世界がほんのり輝くカラーの世界へ…まるで優しさの魔法みたい。

    物より思い出、物より人の優しさ、きっとそれこそが何よりの大人のMerry Christmas。

    • まことさん
      くるたんさん。こんばんは♪
      そして、メリークリスマス!

      くるたんさん、初伊坂幸太郎さん、だったのですね~!!
      なんか、くるたんさんは、なん...
      くるたんさん。こんばんは♪
      そして、メリークリスマス!

      くるたんさん、初伊坂幸太郎さん、だったのですね~!!
      なんか、くるたんさんは、なんで、伊坂さん、読まないのかな~と、たまに思ってました(*^^*)
      嫌いな訳じゃなかったのですね!
      よかった~!
      これからは、伊坂さんの作品のレビューも楽しみにしていますね!
      あと、「踏切の幽霊」はやくも読まれたのですね。
      私も、読みたいと思っています。
      レビューを拝見して、ますます楽しみになりました。
      では、くるたんさんも素敵なイブの夜をお過ごしください!
      2022/12/24
    • くるたんさん
      まことさん♪こんばんは&メリークリスマス♡

      アンソロジーではたぶん読んだことある記憶があるけど、初でした♪

      なんかね、今まで相性が合わな...
      まことさん♪こんばんは&メリークリスマス♡

      アンソロジーではたぶん読んだことある記憶があるけど、初でした♪

      なんかね、今まで相性が合わないというかタイミングが合わないというか…集中して読めたことないんですよ〜^^;

      これを機にまた読んでみますね♪
      ありがとうございます♡


      踏切の幽霊、なかなか良かったですよ。決して怖がらせるだけのホラーではないです。
      まことさんも楽しめますように✩⡱

      素敵なクリスマスをお過ごしくださいね(o´ω`o)
      2022/12/24
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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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