新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」 アウトロー俳句

制作 : 北大路翼 
  • 河出書房新社
4.00
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本棚登録 : 60
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026411

作品紹介・あらすじ

新宿歌舞伎町の片隅で俳句を詠む集団、
屍(しかばね)派による待望のアンソロジー!!

風俗店、キャバクラ、ホストクラブが立ち並ぶ、新宿歌舞伎町。
欲望が渦巻き、人々は騙し合う。勝者になれば王のごとく振る舞い、
敗者は静かに街を去っていく。

そんな歌舞伎町の路地の奥で、やりきれない思いを俳句に載せて
詠み明かす人たちがいる。
元ホスト、バーテンダー、女装家、鬱病・依存症患者、ニート……。
“はみ出し者"ばかりだ。

これは、新宿のアウトローたちが贈る
不寛容な時代に疲れたあなたのための
アンソロジー(句集)である。――本文より

軽トラで持つていかれたぬひぐるみ
キャバ嬢と見てゐるライバル店の火事
この毛布ぢゃないときつと眠れない
一番えらいのは伊達巻を考へた人
駐車場雪に土下座の跡残る
太陽にぶん殴られてあつたけえ
春一番次は裁判所で会はう
春の風邪キスをしてもうつらない
蒲公英(たんぽぽ)は倒れてゐることが多い
ウーロンハイたつた一人が愛せない
六本木ヒルズに行つたことがある
看板が濡れてお客が入らない……etc.

感想・レビュー・書評

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  • 歌舞伎町界隈を彷徨う「屍派」の俳人たち。
    これはもー必ず面白い遊びになる。

    オレも屍派になりたい。

    何ひとつ持たなくても生み出せる俳句は、アウトローのためにこそある。

    家元である北大路翼とは何者か?
    どうして、こんなにオレの感性とぴったりハマってしまうのか?
    コレ読んで分かった。
    つまり彼は小5で種田山頭火に出会ってる。オレが山頭火に出会ったのは高校生になってからだから、北大路くんは早熟だ。つーか、オレが遅すぎたのか。

    北大路翼と石丸元章が出会った時、屍派が生まれた。

    そりゃー、オレが好きになるはずだ。
    だって、石丸元章さんとは、以前、ツイッターで、ずっとやり取りしてもらってたし。

    北大路も、元章さんの書いた名作『speed』を読んでいたらしい。
    でも、元章さんが俳句をたしなむとは知らなかったって。

    このロクでもない2人が(ホメ言葉)運命的に出会い、酒を酌み交わすうち「俳句で街を埋め尽くそう」
    と盛り上がり、新宿の街へ繰り出した。
    ・・・・心にグッとくるエピソードだ。

    アウトロー2人は、歌舞伎町界隈を徘徊しながら、いかにも歌舞伎町的世界を見つめて吟行した。
    ジャンキーの作家とアウトーローの俳人。
    なんという感動的な出会いだろう。
    ここに新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」が生まれた。

    読んでて胸が苦しくなった。
    涙が湧いてきた。
    笑いが炸裂した。
    笑いが止まらなくて涙が滲んだ。

    ・キャバ嬢と見ているライバル店の火事 北大路翼
    ・呼吸器と同じコンセントに聖樹 菊池洋勝
    ・肩の雪払って私刑執行す 北大路翼
    ・掃除機に入ろうとして止められる とうま
    ・太陽にぶん殴られてあったけえ 北大路翼
    ・春一番次は裁判所で会はう 喪字男
    ・老婆かと思ったら内田裕也 花乃こゆき
    ・万引きの老人とゐる春の暮 喪字男
    ・避妊具は出来損なひの熱帯魚 西生ゆかり
    ・恋人を殴れば冷蔵庫が喋る 北大路翼
    ・夕涼み時は200X年 五十嵐筝曲
    ・炎天や家なきものは常に寝て 北大路翼
    ・わしらみなアンチ巨人や月尖る 北大路翼
    ・傷林檎君に逢へない夜は死にたし 北大路翼

    ううん、読んでるとBeats Per Minuteの数値が跳ね上がる。
    ナマの言葉でぶん殴られた。
    どの言葉も強い。
    生きて、動いている。
    ドクドクと脈打つ心臓の鼓動から生まれた言葉だ。

  • NHK総合BS1スペシャル紹介!
    新宿のアウトローたちが贈る不寛容な時代に疲れたあなたのためのアンソロジー(句集)。

  • 句に「ひとこと解説つき」の親切設計が意外な感じ。獄中句集とはまた異なる、寂寥感。

  • 詩歌

  • いい。本当にいい。こういう活動は本当にかっこいい。俳句のレベルもすごい。

  • 短歌が好きだけど俳句がよくわからない
    自分の気持をどのくらい込めればよいのかそもそもそういう発想がいけないのか
    楽しい語のつながりとして楽しんだ
    一家、屍、アウトローという意味付けは嫌い

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著者プロフィール

新宿歌舞伎町俳句一家屍派 家元/砂の城 城主

1978年5月14日、神奈川県横浜市生まれ。小学五年頃種田山頭火を知り、自由律俳句をマネたモノを作り始める。反抗期に俳句がぴったりと同調。高校在学時、今井聖に出会い俳句誌「街」創刊と同時に入会。童貞喪失を経て詩誌「ERECTION」に参加。2011年、作家・石丸元章と出会い、屍派を結成。2012年、芸術公民館を現代美術家・会田誠から引き継ぎ、「砂の城」と改称。句集に『天使の涎』(第7回田中裕明賞受賞)、『時の瘡蓋』、編著に『新宿歌舞伎町俳句一家「屍派」アウトロー俳句』『生き抜くための俳句塾』。「激レアさんを連れてきた。」(テレビ朝日)や「ラストトーキョー “はぐれ者”たちの新宿・歌舞伎町」
(NHK BS1スペシャル)出演で大反響。

「2019年 『半自伝的エッセイ 廃人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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