人間の解剖はサルの解剖のための鍵である

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 147
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027081

作品紹介・あらすじ

「人間」ってなんだっけ? ロボット、人工知能、ナッジ、認知バイアス、利己的遺伝子…ポストヒューマン状況に生きる私たちの診断書。

「人間の解剖は、猿の解剖のためのひとつの鍵である」……カール・マルクスの断章をタイトルに借用した本書は、もし人間から学ぶことができる猿がいたならば、その猿は人間の犯した誤りを回避できるかもしれないと考える。コペルニクス、ダーウィン、フロイトによって三度自尊心を傷つけられた人類は、進化と認知にかんする諸科学によって、いま四度目の試練に直面している。主体性と合理性が切り崩された先にある「人間の定義」とはなにか。前著『理不尽な進化』以降の諸論考を集成。稲葉振一郎、大澤真幸、橘玲、千葉雅也、山本貴光との対談・鼎談も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 人文書に関する記事がまとまった雑誌みたいな本。

  • 人間とは、の考察の原点から最新情報をおしえてくれる本。
    読みたい本がひたすら増えた。

  • 2018年11月読了。
    日経ビジネスで小田嶋隆さんが紹介していたので読んだ。
    哲学書。
    冒頭で「現在生じている人間観の変容に関する調査報告である」とことわられているように、これまでの人間に対する捉え方が通用しなくなりつつあるということに、少しく思いを致す一冊。
    普段読みつけないジャンルの図書であるためか、
    読み終わるまでだいぶ時間を要した。
    「思考を飛躍させる」、「思考を掘り下げる」とか「思考の幅を広げる」ためには、今まで所与の前提としていた物事にこそメスを入れるようなことが必要だなと思った。

  • 意外と面白い本だった。
    哲学寄りのサイエンス系の一般読み物だが、自然科学の最新の知見が迫る哲学の更新について強調しており、特に進化論によるパラダイム転換を打ち出す。
    著者が科学者でないということもあって科学的知識に関してはさほど深く詳述されていない印象。むしろ包括的な概論であり、入門書的である。後半に新しい科学の成果をさぐる読書案内として活用できるブックレビューがあり、どれも面白そうで、読んでみたいと思った。ドーキンスの「利己的な遺伝子」も、あまりにも有名なためおおよその内容を先に知ってしまい読まずに済ませてしまった本も、やはり読んでおくべきと感じた。
    そのようなブックガイドとして、知の道案内として有益な本だと思う。

  • 11月の課題本。著者が過去に書かれた哲学風のエッセーをテーマ別に並べなおした本。正直、序章だけで十分という内容の薄い本だった。特に終盤の書評はあらすじ紹介で終わっているものが多く、退屈であった。

  • 現代思想書としてもおもしろいし、なにより今まで読んだ本たちの解説書として大変ためになりました。思想は年齢が近い方がわかりやすいのかな、と思った。当たり前と言えば当たり前ですが。

  • 著者前書きによれば「本書は、現在生じている人間観の変容にかんする調査報告である。」
    フーコーは『言葉と物』で近代の人間観の終焉を告げる新しい学問として精神分析と文化人類学を挙げた。それはおおむね正しいが実際大きな役割を演じたものは別にある。というのが著者の立場。
    それは「生命科学の発展」と「認知革命の進行」だ。
    それらから導かれる21世紀の科学技術文明における人間定義は「人間とは不合理なロボットである」というものだ。
    そして人間というロボットが解明されるということは、その制御や改変を行うテクノロジーが可能になるということだ!

  • 人とは何か
    めんどくさくて、いいかげんな存在
    矛盾だらけ

  • 急速に発展した科学技術によって、従来の人間観は揺らぎ、変容してきている。はたして人間は何者なのか。人間に関わる新しい科学と技術についての対談・評論集。一見硬質なテーマに見えるが、論述は模範的に明晰だ。

    さらに、内容に近づきやすくなるよう懇切な構成になっていることも良い。稲葉振一郎さん、千葉雅也さん、山本貴光さんらとの対談や、現代のトピックを象徴する本に対する書評などは、テーマについての適切な理解を促進する。さらに、序章が各トピックに対する位置づけ、要約、解説を兼ねているので、ここを出発点にして各章へショートカットしても構わない。

    人工知能、ゲノム、遺伝子、進化論など、もろもろのトピックに対する一種のランニングコメンタリーとしても読める。読んで示唆に富むだけでなく、これからの読書にも役立つ一冊といって差し支えないはずだ。

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著者プロフィール

吉川 浩満(よしかわ ひろみつ)
1972年、鳥取県米子市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。
著書に『理不尽な進化』『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』、共著書に『脳がわかれば心がわかるか』『問題がモンダイなのだ』(ともに山本貴光との共著)、翻訳書に『マインド』『先史学者プラトン』などがある。

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