しき

著者 :
  • 河出書房新社
3.21
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本棚登録 : 235
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027180

作品紹介・あらすじ

高2男子、モニター越しにきらめく春夏秋冬……未来なき青春を突破するために、いま、彼は「踊ってみた! 」
――気鋭の文藝賞受賞作家が描く、「恋」と「努力」と「友情」の超進化系青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 高校生がダンス動画をSNSに載せるために、夜な夜な公園で練習をする日常を軸にして、学校生活、家庭などでのあれやこれや
    これが青春小説というものでしょうか
    青春というか、思春期小説とでも言いたい

    ともだちのつくもに
    子供ができるというのがこの小説の「転」

  • 思春期の説明できないわかりにくさみたいなものを追体験できる小説。
    章立てもなく、誰の想いか語りなのかもわかりにくい中でストーリーは展開され、不確かな疑問は不確かなままで終わってしまう。
    しかし、クセになる

  • 言葉の鮮度ばつぐん。自分なら、これに芥川賞だな。でも芥川賞の性質としては、まだ新しすぎるかな。

  • 意識無意識とか、考えることを考えるとか、哲学的な感じ。言葉で表現することにこだわらない主人公も好感もてる。
    思春期の学生3人組の友情・恋愛的な物語なんだけど、つくもと尾崎少年という世間離れした登場人物のおかげで、かれと草野の思考が整理されている。四季の表現は匂いくらいしかわからんかった。

  • 思春期という多感な感性を描写するこの方の
    捉え方が、なんとも新鮮。
    新しい気になる作家さんです。
    内面描写が多く、若さや脆さの表現にもうならせられる。デビュー作も読みたくなったので、
    即予約しました。

    一冊読み終わった時の充実感を味わえました。

  • これを青春と呼んでいいなら彼らの過ごした日々は永遠であり、だが記憶からも消えるほど希薄かもしれない。その二面性に慄く。
    「無神経な発話こそ、見過ごせない本質と響きあう。ーー」

  • こういう書き方があるのかあ、と新鮮な気持ちで読み終えました。瑞々しい!
    「クラスに馴染めない系」でも別に気にならない高校生たち。こういう人物像って新鮮ですが、とてもリアリティがありました。
    家庭や異性や過去やと、各々に悩みがあったりなかったりします。でも別に、それをイツメン同士でどうこうしません。互いに踏み込まない。
    女子トリオは暗黙のルールを察して、男士トリオは干渉の必要性を感じないから。
    だからと言って人間関係が希薄かというと、そうでもないし、みんな"つながり"は何となく維持している。
    どっちつかずの空気感というか浮遊感を、言葉で掴もうとしているような感じがしました。その方法が【踊ってみた】だったのかもしれません。
    大人になるにつれ上手く言えないことばかり増えます。身体は否応なく四季のうつろいや感情の揺れや好き嫌いを感じているのに、全部は言葉にできないし言葉にしようと思わない。
    そんな心が表現を否応なく希求する。
    世界の片隅に生まれた偶然と必然の「をかし」が、かれらの【踊ってみた】だったのかな、と思いました。

  • 童貞マジめんどくさいと思いながら読んだ(超褒めてます)

  • 記録

  • 高校時代の「しき」一年の移り変わりが、描かれる。特にキラキラして目立つグループでもないし、大事件が起こるわけでもない。
    どこにでもありそうな、だれもが感じたことがありそうな、大人になる前の不安定な存在感。
    べったりでもなく、淡白でもない関係性。
    最後に一つやり遂げて別々の道を進んでいく。
    それは悲しいことではないし、そうやって大人になっていくんだろうな。なにげなく手にとって読んだけど、読感は良かった。

  • ひらがなの多い文章と独特な文体に最後まで慣れなかった…

    季節とともに移り変わる高校生の日常と気持ちが描かれており、内容的には読みやすかった。
    もっと熱く彼らの思いが描かれていてもよいのになぁ…とちょっと物足りなさもあった。
    終わり方はきれいで気持ちよかったです。

  • ちょっと幼い高校生たちの、モヤモヤした一年間。
    過剰に熱く語りがちなこの年代を淡々と、引いた場所から眺めている。反抗期の弟とふくふくとした妹、がいいね。つくも、の今後も気になる。

  • 今どき高校生男子の周辺
    春・夏・秋・冬
    ネットのダンス画像を取り込んで友人とダンスの練習
    この画像を友人に撮影してもらってネットに投稿する・・・
    今の高校生じゃないと書けない生々しさ

    前回は元ボクサー?と思わせる生々しさがあったし
    次回は何を書く?

  • ちょっと変わった文体で最初は違和感あったけど、友達やきょうだいの距離感に共感する部分もあったりして気づけば入り込んでいた。

  • 12-2-1

  • 文学

  • ★ヨシダさんからのおすすめコメント★
    男子高校生の星崎と草野が「踊ってみた」動画をうpする事を目指し、公園でおどりの練習をしたりする話です。思春期の感覚がとてもせんさいに描かれていて良いよ~!
    武蔵野大学図書館OPACへ⇒ https://opac.musashino-u.ac.jp/detail?bbid=1000140371

  • 子供の成長物語である。
    もう少し各人の内面が表現されているといいと思う。

  • 高校生のモヤモヤした心情を,踊るふたりの中に分散させて,非常に論理的に分析したもの.手法が面白く,なぜか泣けるという星崎と草野のダンスを見てみたかった.

  • 思春期の言語化し難いモヤモヤを独特な文体と構成に乗せて新しい表現を試みている事を理解しつつも最後の最後まで馴染まないまま読み進めた。多分登場人物の何者でもなく幸不幸も無いディスコミュニケーションな日々を送る感覚が共感し難かったからかな。ただ不思議と読了後の爽やかさがあった。新しい。世代の違いか…歳だなぁ。

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著者プロフィール

1983年生まれ。2016年『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞。2019年『1R1分34秒』で芥川龍之介賞受賞。その他の著書に『しき』、『ぼくはきっとやさしい』、『愛が嫌い』など。最新刊は『坂下あたるとしじょうの宇宙』。

「2020年 『ランバーロール 03』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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