海苔と卵と朝めし: 食いしん坊エッセイ傑作選

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 379
レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027654

感想・レビュー・書評

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  • これまでに発表されているエッセイから食に関するものを選んで編まれているエッセイ集、プラス寺内貫太郎一家から著者が小説化した短編も入っているもの。章立てされていて
    ・思い出の食卓
    ・ウチの手料理
    ・お気に入り
    ・性分
    ・日々の味
    ・旅の愉しみ
    +寺内貫太郎一家短編
    となっている。何も考えずにひと通り読む。食べ物の話をしていながらその頃の暮らし、情景が目の前に浮かんでくる。取り分け人物のエピソードからどういう人物であったのかまでが感じ取れる。もちろんそれだけではなくてこの本の主題である食べ物もそのもの自体を知らなくともおいしいそうで食べてみたいとそそられる。
    寺内貫太郎一家の短編は、私は昭和のホームドラマの代名詞でよく懐かしの番組で(出演者の紹介などで)取り上げられる一部分しか知らなかったので小林亜星と西城秀樹が派手にやりあったり樹木希林がおばあちゃん役をやったりするイメージしかなかったのだけれど、こういった細やかな筋の上に成り立っていたのかと新鮮だった。

  • サブタイトルに食いしん坊エッセー傑作選とありますように、食べ物にまつわる話が集められています。
    子供のころのおやつ、朝ごはんの様子、遠足のお弁当、大人になってからの食べ歩き、などなど。
    確かにどこかで以前読んだ記憶のあるのやら、まったく初めて読むのやら(後ろの所収、初出一覧を見たら、すべて読んだものばかりなので、そんなことはないのですが)
    やっぱり向田さんは食いしん坊だなぁ、
    何度もどこかで目にしているけれど、覚書のため。
    ☆若布の油いため。
    ☆豚鍋(豚肉とほうれん草だけの鍋)
    ☆トマトの青じそサラダ(ごま油と醤油と酢のドレッシング)
    お取り寄せ
    「吉野拾遺(よしのしゅうい)」
    奈良、松屋本店尾上
    「鶯宿梅(おうしゅくばい)」
    北九州小倉で店名は記載なし。
    お店編
    「小川軒」オードブルと薄焼きステーキ
    「天茂」天丼 赤坂
    「弥助」和食 渋谷
    「藪そば」神田
    「ラ・アリタリア」イタリアン? 代官山通・九段上に支店「ラ・コロンバ」
    「キッチン飛騨」高山
    「幸泉」欧風あられ・世田谷

    外国まではなかなか行けませんが、いつか行ってみたいものです。

  • 今は亡き向田さんの食べ物に関するエッセイをまとめたもの。
    昭和の時代が感じられる内容ですが、向田さんの言葉遣いも、昭和の香りがして素敵です。もうこんなに洒落た文章のエッセイを読むことはなかなかできないでしょうね。
    「ままや」はいろいろな人たちが集まって、それぞれの好みの料理を味わっていました。料理とは、ありふれた素材をいかに組み合わせるかという妙であることが、向田さんの発見であり、喜びでもあるようです。そのことが、向田さんの嗜好にも関わっいて、「海苔と卵」という素材も、エッセイの中では特段の位置を与えられています。

  • 2019/05/09

  • いまだに生きていて語りかけてくるかのごとく、生き生きとした文章だった。
    沖縄胃袋旅行で、「うしろめたさ、申しわけなさがのどに刺さった小骨のようにチクチクする。」と書いてあった。この文章が書かれたのは本土復帰からまだそんなにたってない頃で、戦争を体験した人は当時そのような気持ちだったのだなと思った。その頃珍しかっただろう沖縄料理も今はポピュラーになっており、ほんの少し前のことなのにずいぶん変化してるんだなと感じた。

  • 向田作品の言葉の美しさは、殊にその言い回しにおいてほれぼれして、他に代わるものがない
    今作は読む毎に食欲をそそられつつ郷愁を誘われてしまう

  • 美しい言葉、美しい文章。だけど中身は意外とがさつ?そんなギャップが小気味良いエッセイ集だった。食べ物に並々ならぬ関心があるのは私も同じだが、その気持ちをここまでリアルに表現できるだろうか?(いやできない)。観察眼も素晴らしい。私は「夜店のヒヨコ」のエピソードが好き。この女優さん誰なんだろう(笑)。

  • ほっこり。
    お腹すいた。
    懐かしい小学生時代の食事の時間を思い出した。

  • 初めての向田作品。図書館の福袋企画で、新旧色にまつわるエッセイ集のうちの一冊として入っていた。

    作者の子供の頃の話となると、戦前の話なので、昭和世代の私が食べてきたおやつや朝ごはんとは、大分食べる物が異なる。特に作者の時代は、お弁当にそのお家のお財布事情が表れる、というのがなるほどな、と思った。

    文章もとても読みやすく、綺麗に思えた。何より、落ち着いて読める。育児中の気分転換として、ちょいちょい読むのには最適だった。

    個人のブログやSNSで、一個人が書いた文章を簡単に世の中に発信できるようになった今、プロの書き手の文章を読む機会を減った気がする。今後は、大御所の文章をもっと意識して読んで、自分の中に取り込んでいきたい。

  • 向田邦子 著「海苔と卵と朝めし: 食いしん坊エッセイ傑作選」、2018.12発行。馴染み深いものや同感の箇所は:①魚の骨がのどに刺さると、ごはんをのみ込めと教えられていた ②遠足や運動会のおやつに、ゆで卵とキャラメルは大スターであった ③動物も俳優も美食家より粗食の方が強い気がする ④海苔巻き、カステラ・・・、パンの耳、お焦げ・・・、記念写真、喫茶店・・・、真中よりも端っこが好き ⑤愛はぬくもり。小さな勇気であり、やむにやまれぬ自然の衝動。

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著者プロフィール

1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2020年 『向田邦子ベスト・エッセイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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