趣味で腹いっぱい

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 318
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027784

感想・レビュー・書評

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  • 銀行員としてお金を稼いでいる夫・小太郎と、趣味を積極的に作り仕事はアルバイト(最初のうちだけ)の妻の鞠子、のお話。
    後に小太郎は小説を書くことでお金を稼ぐようになるけれど、父親からの教え「働くざるもの食うべからず」が中々抜けない。私は小太郎の気持ちと鞠子の気持ち半々でわかる。趣味のためにカメラを買ってと言える鞠子を図々しいと感じつつも羨ましいと思ったりもする。
    でも、仕事をしてお金を稼いで趣味も楽しむことを知っている。たくさん稼げる仕事じゃないし時々辞めてぇな!とか叫ぶし、趣味はにわかで移り気多めで熱心ではないけれど。鞠子も「趣味は自己満足」と言ってたし。そんなスタンスの私が読んでもイライラせず、たっぷりある休日の雰囲気にぴったりな一冊だったと思える本でした。お互いの気持ちを尊重して一緒に生きていられるのはいいね。あ、ナオコーラさんやっと初読み!

  • 私の読書の好みからすれば、何かのきっかけがなければ、まず一生読まない作家であろう山崎ナオコーラの作品を読んでみた。まあダヴィンチ誌での書評に少し心惹かれたからだが。
    不思議な香りを発する小説、というのが正直な感想。仕事と趣味をどのようにとらえるかで人生が変わる、という内容云々ではなく、あまり甘味が好きでない私が食後のデザートを出されて食してみたら以外に美味しくて少しうれしくなった、ような小説というか。やはり食わず嫌いはよくないなあと改めて考えさせられた本。読んでよかった。

  • 「趣味みたいな仕事しかしてないのに、俺に甘えないでほしい」
     子ども(2歳)の保育園のお迎えを巡り、友人が夫から投げかけられた言葉である。2019年に。

     はああああああああ!?

     友人は若い頃に長い下積みを経て、今はフリーランスとしてとても素敵で華やかな仕事をしている。私は甚く尊敬しているし、彼女の仕事が、生きる道が、周りの人たちに尊重されてほしいと願っている。
     なのに、この言葉である。
     たとえ保育園にお迎えに行けない理由が“趣味”であってもいいと思うのだ。親だって人間だから、自己満足を求めて何が悪い。子どもを養育する義務はもちろん双方にあるけれど、二人が歩み寄って納得できる生き方を選んでいくべきだ。なんて理想なのかな。

     この本を最初に読んだときは、夫に寄りかかっていることを開き直ったり、単身赴趣味を望んだりする鞠子の生き方に少し眉をひそめた。小太郎のように「働かざるもの食うべからず」という思考が少なからずあったから。
     でも、友人夫婦の話を聞いて少し考えが変わった。鞠子に共感はしないけど、生き方なんて他人に決められる筋合いはない。たとえ片方が稼いでいて、片方が寄りかかるような関係であっても、お互いの生き方を尊重していくべきだと。

     私自身今は子育て中心の生活で自分のことがままならないから、考えさせられる1冊ではあった。
     しかし相変わらず説明が多くてなんか読み進めづらい。

  • なぜこれを読もうと思ったのか、どうしても思い出せない。読み終えてみて、読んでも読まなくてもどちらでもよかったなあ、と思ったのだったが、もしかしてそれこそ作者の思う壺なのかも。作中に「(略)こちらに何も教えない、夢中にもさせない作家もいいもんだなあ」というセリフがあるのだが、そこを狙ったかもね。ただし私は「いいもんだなあ」とまでは思わず。

    ”まったり”がいい小説ももちろんあるが、これの”まったり”は、たるい。
    啓蒙なのか説明が多く平ら過ぎて、たるさの一因になっている気がする。

  • 働かないものも、どんどん食え!

  • 父親から、働かざる者食うべからずと教わり育ってきた小太郎。「家事を仕事と表現してもいい…けど、お金をもらう仕事をしないで幸せになった人をお母さんは知らない。男の人でも女の人でも。誇りと自信を持つために会社勤めをしてほしい」と小太郎に願う母親。小太郎は高校卒業後、銀行員となり、その後鞠子と出会い結婚する。
    鞠子は大学院を出てアルバイトをしていた。結婚後は主婦となり、アルバイトはするが、基本的には小太郎に寄りかかって生活をして、趣味に生きたいと言う。そんな鞠子に戸惑いを感じ、時には振り回されながら、少しづつ小太郎の生活や気持ちに変化が出てくる。
    仕事とは。趣味とは。人生とは。

    うーーん。。私は鞠子の考え方に違和感をかなり持ってしまった。お金を稼いでいないと幸せになれないなんて思わないし、趣味は人生を彩るためにはとても素敵なことだと思う。私も趣味無しの人生は考えられないタイプなのでなおさらだ。だけど、鞠子が言うことと、根本的にズレがある気がする。ゼロか百かの話じゃない。私たちは生きるために、ご飯を食べるために働く必要はある。趣味だけでご飯は食べられないし、仕事をしていると理不尽なことや保たなければならない人間関係、色んな軋轢や勝ち負けがある。趣味はそんなことをして稼いだお金の上に成り立っているのに、「私は楽しいから趣味担当!あなたは仕事担当ね。私の趣味を思うままするために、稼いでね。ははは。」みたいに言われたら私なら確実に一緒に人生はやっていけないだろうな。。(笑)専業主婦がズルいとも、お金を稼がないとダメだとも、一回も思ったことはないけど、けれど、鞠子の感覚とはズレがある…と思ってしまいました。

  • とにかく趣味がしたい鞠子と、売り言葉に買い言葉で書いた小説が受賞した小太郎夫婦の話。私の思考は鞠子に近いけど、銀行員旦那を、趣味の為に引っ越そうと提案した鞠子には驚いた。小太郎が最終的に導き出して書いた『働かないものも、どんどん食べろ』は私の為の言葉だよ。

    旅読書として持ってきた本だけど、面白かった。

  • 高卒で銀行員になった小太郎は、大学院で平安文学を勉強し、書店でアルバイトをしていた鞠子と結婚した。趣味で小説を書く妻に刺激され、銀行員をしながら小説を書き始めた小太郎は新人賞を受賞し、小説家の仲間入りをすることに。
    働いている人だけが偉いんじゃないと思わせてくれる小説。

  • 趣味ってなんだろ? と思ってしまうね。
    楽しみなんだよね。頑張らない、ただ楽しむ全力で。
    こんな生活してみたい。趣味のために引っ越しますとか言ってみたいわなぁ。
    でも、ある程度生活できないと楽しめないわけだし…。仕事半分、趣味半分くらい。歳を重ねるごとに趣味の分量を増やしていければ幸せかも。うふっ。

  • タイトルが好きすぎる。
    でも期待してたような内容とは違ったかなあ。
    なんかモヤモヤする。
    夫の方ばかり我慢してない?
    こんな生活を許してくれる小太郎は聖人だと思う。
    そうしたくても、できないよねえ。。。
    いい人がいたら紹介して、と言うくらいだから
    鞠子は結婚したかったんだろうな、
    と想像できるけどどうして結婚したんだろう?
    鞠子の理想を追求すれば、
    一人の方が色々と自由にできると思うんだけどなあ。

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著者プロフィール

■山崎ナオコーラ(ヤマザキナオコーラ)
作家。1978年生まれ。性別非公表。
大学の卒業論文は「『源氏物語』浮舟論」。
2004年に『人のセックスを笑うな』でデビューしたあと、しばらくの間、「山崎ナオコーラ」でネット検索すると、第二検索ワードに「ブス」と出ていた。でも、堂々と顔出しして生きることにする。
目標は、「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書きたい」。

「2019年 『ブスの自信の持ち方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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