もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた: NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

  • 河出書房新社
3.77
  • (14)
  • (25)
  • (23)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 258
感想 : 27
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309027838

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 6人の作家さん毎に色が異なる厚手の紙の本。
    写真はもちろんカラー。

    角田光代さん
    「トト」は2冊フォトエッセイを読んだので知ってる。
    「トトが来る前は自分中心で、辛いことがあると全身で向かい合っていたのでしんどかった。」が、
    「トトが来てからは、とりあえずトトにご飯をあげなきゃ、といった気持ちの逃し方ができた。」そうだ。
    角田さんは犬が好きで、「トト」は犬の要素を持っていると言っていたのを思い出した。
    他の猫よりも人懐っこいのかな。

    村山由佳さん
    猫が大好きなんですね。
    「もみじ」に対する想いは尋常ではなく、エッセイを何冊も出しているみたい。
    「もみじ」の生まれる瞬間にも立ち会ってるし、亡くなる時まで17年も一緒にいたら、そりゃ愛情だらけになりますね。
    「犬は子供で猫は対等な大人。」と言ってたが、子供は従順で大人は自分勝手ということか?
    逆に犬は大人で猫は子供とも言えそうだな。

    柚月裕子さん
    「呼んでも来ないし、抱きしめても、するりと腕から抜け出す。」
    「でも気がつくとそばにいて、いつも同じ瞳でみつめてくれる。」
    猫との接し方は、養老孟司さんと似てるかな。

    養老孟司さん
    子供の時からずっと家に猫がいるようだ。
    あまりかまわないで好きなようにさせている。
    寄って来るのは餌が欲しくなった時。
    人に手間をかけさせるのがペットの仕事。
    猫は生きることのモノサシ。必要な物を手に入れたら、あとは寝ている。
    毎日お互いに生きてますな、と顔を合わせてお終い。それでいい。

    皆さん、猫に見られている感があって、自分以外で自分のことをよく知っている存在と捉えている。
    猫はいつでも自分のことを気にしてくれているありがたい存在なんですね。

  • eテレの「猫も、杓子も。」から出た本。
    HDDに録って観たものもいくつかあり、懐かしさ半分で読んでみた。
    皆さんがご贔屓の作家さんもいらっしゃるかもしれないので、列挙してみる。

    ① はじめての猫
    角田光代さんとトトちゃん
    吉田修一さんと金ちゃん銀ちゃん

    ② いつでも猫
    村山由佳さんともみじちゃん
    柚月裕子さんとメルとピノ

    ③ これからも猫
    保坂和志さんとシロちゃん
    養老孟司さんとまるちゃん

    それぞれインタビュー記事の中で、自身の猫への思いが語られるのだが、これはもう猫好きあるあるだらけで「おお、そうだろうとも!」と頷くことしきり。
    中でも、保坂さんの家に居ついた外猫のシロちゃんの章には特大のシンパシーだ。
    『普通の人って、思いのたけ可愛がることが恥ずかしかったりで、自分自身に歯止めをかけるようなところがあったりするんだよね。』
    『猫を可愛がる分には、恥ずかしいことなんて全然ない。僕なんて、猫次第では仕事のドタキャンありますって言ってるくらいだから』
    いいぞいいぞ!保坂さんの作品は未読だが、このスタンスはすごくいいぞー。

    猫の画像もいっぱいで、全部で125点もある。ここがとてもいい。
    場所と時間帯を変えた様々なショット、様々な表情。しみじみと愛情が伝わってくるなぁ。
    脳内で「わたし、猫♪わたし、猫♪」のメロディーが絶え間なく響く。違う番組だけど。

    たくさんの猫画像の後には、それぞれの作家さん自身のエッセイも。
    ここは意外にも収穫は少なく、たまらなく好きな存在の前では人はみな凡庸になってしまうのね、と再確認させられた。

    表紙でモニターを見つめている子は、村山由佳さんちのもみじちゃん。
    18年3月22日に虹の橋を渡ったということだ。
    今頃は我が家の子たちとトコトコ遊びまわっているのかもしれない。
    ちなみに私は「猫ブーム」というコトバを嫌っている。
    命にブームなんてものが、あるはずがないからだ。

    すべての猫好きさんたちは、ぜひ。猫好きの本好きさんは、ぜひぜひ。

    • 夜型さん
      nejidonさん、読書、楽しんでますか?
      レビューにはウキウキした感じが読み取れました。

      猫懐かしいです。僕は飼ったことはないけれ...
      nejidonさん、読書、楽しんでますか?
      レビューにはウキウキした感じが読み取れました。

      猫懐かしいです。僕は飼ったことはないけれど、近所の野良猫に餌付けしていました。
      餌を食べにベランダまでやってくるんです。二匹の子猫が好きでした。茶虎猫と黒猫でした。
      食べている間は夢中なので頭を撫でていましたよ。
      その後引っ越しをしてバイバイしましたが、彼らはどうしているのか今でも気になります。

      猫さんもお役目が与えられて、昔のルイスウェインのイラストのような働く猫がいっぱいいますね。
      駅長のたまさん、首相官邸ネズミ捕獲長の猫たち、施設長ぴーちさん、図書館猫デューイ、それから忍者猫ことタラさん。
      僕が知らないだけでまだまだもっといると思います。

      ところで、Twitterを休止しました。
      ものすごく嫌いなデッドラインが押しているので…苦笑
      2020/02/16
    • nejidonさん
      夜型さん、こんにちは(^^♪ コメントありがとうございます。
      とーっても嬉しいです!
      Twitterの休止、もったいないですね。
      夜型...
      夜型さん、こんにちは(^^♪ コメントありがとうございます。
      とーっても嬉しいです!
      Twitterの休止、もったいないですね。
      夜型さんには隠れファンがとても多いので(私は隠れてませんよ・笑)皆さん寂しがると思います。
      でも、致し方ないですね。残念なことです。

      野良ちゃんにフードをあげていたことがあるのですね!
      うわぁ、なんて素敵♡。その子たち、今も覚えているかもしれませんよ。
      野良ちゃんの寿命は平均5年くらいらしいですから、楽しい記憶のひとつになっているかと思います。そうだといいですね。
      働く猫と言えば真っ先に思い出すのは「セラピー猫のオスカー」です。
      確か本にもなっていたはずです。
      老人施設にいる猫で、死期が近いひとのベッドで必ず添い寝をするのです。
      オスカーの能力のおかげで、最後の瞬間は、みんな独りではないのですよ。
      亡くなりましたが、我が家にもそういう子がいました。
      私の体調が悪い時に限って、必ずベッドに上がってくるの。
      そしてずっと傍に居てくれるのです。
      猫ってね、夜型さん、本当に本当に賢いのです。

      すみません、にゃんこの話になると止まらなくて・笑
      はい、お蔭さまで読書はいつだって楽しいですよ!
      この本も、今読んでいる本も、みな興味深く楽しいです。
      2020/02/16
  •  NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も」を単行本化したもの。先日、SF作家の神林長平さんとビタニャ編を見て、読んでみることにした。

     猫好きの「物書きさん」6名が猫との暮らしを語っている。村山由佳さんともみじ、養老孟司さんとまるなどは、本も出ているし有名だな。自分も猫と暮らしているので、うんうんと頷くことしきりでした。
     あと登場した6名の皆さんの短編やエッセイが載っています。

  • 社会派、ミステリー、殺人、恋愛等々、様々なジャンルのもの書きの人達。
    年代もタイプも違うのに共通していることは"猫好き"。
    そして揃いも揃ってもみんな"もふもふ"の猫達。
    飼い猫と一緒にくつろぐ姿や猫を見つめる優しい眼差し。
    写真を見ているこちらも、つい微笑んでしまう。
    各々の巻末にある猫エッセイや短編からも猫愛が真っ直ぐ伝わってくる。

    生活を変えてくれた存在でもあり、昼寝仲間でもあり、相思相愛の同志でもある猫達は、顔を見ていれば、ただそこに居てくれればそれでいい、大切な存在。
    もの書きの傍らにいる猫達から安らぎと癒しを貰った。

  • 文筆業の方々と一緒に暮らす猫たちのドキュメント。

    それぞれの方と猫サマにそれぞれの深いストーリーがある。
    その猫に対する目線が書き手により変わるのだが、深い愛情がある事だけは変わらない。

    最後の養老孟司さんの「まる」のエッセイが気に入っている。明け方、飼い猫に起こされてしまうところが、養老先生も私と一緒なんだなぁ…とほっこりした。2019.10.26

  • 猫好きさん、集まれ〜 って本!

    猫との付き合い方はそれぞれ違っていても
    溢れるほどの愛は皆んな同じ。

    猫って、
    そこにいるだけでいいんだよ。
    くっつき過ぎず、離れ過ぎずの距離もたまらない。

    そう思っている自分は
    柚月裕子氏に一番共感する。
    と、言うことは、、
    自分は「二割の人」かな…
    もっと、彼女の本を読んでみたいと思う。

  • 角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、養老孟司。今を代表する気鋭の作家たちの猫エッセイ。紙面の半分は可愛い猫ちゃんのフォト。作家らの優しい素顔にも触れられ、ほんわか癒される。人気作家ばかり。仕事に追われ辛くてどうしようもなく苦しい時、その辛いことに全身で向かわなければならない。それがとてつもなくしんどい。そんな時でも猫の存在は、一刹那にせよ難題の直面を忘れさせてくれる。気持ちの逃げ場が心を楽にしてくれる。そういえば自分もワンちゃんに日々救われている。あらためて思い知らされた。

  • NHKのネコメンタリー、チェックして見てました。
    でも保坂さんの回は見逃してました。
    その時を思い出してとても読みやすかったです。
    写真も多めで癒されました。
    作家さんも素敵な表情ばかりでした。

  • NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」を書籍化した作品。

    角田 光代・吉田 修一・村山 由佳 ・柚月 裕子・保坂 和志・養老 孟司
    6人の作家さんの愛猫の写真、エッセイ、小説が綴られている。

    オールカラーなので写真だけでも十分見応えあり。

    あくびをしている顔、ドアの隙間から様子を窺う顔、背中に文房具を置かれてもへっちゃらな様子、人間のように見えるへんてこな格好、どれもほのぼのとしていてクスっと笑える。

    お気に入りは148ページ下段の養老さんのまるの写真。

    猫愛に溢れた1冊で読み終わると、きっと猫が飼いたくなる。

  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいたを読みました。

    NHKのネコメンタリーという番組のスピンアウト本で、6人の作家と飼っている愛猫たちについてのインタビューと猫を題材とした短編が収録されています。
    また、それぞれの飼い猫の写真が満載でした。

    私も家で猫を飼っているので共感する部分もあり面白く読みました。

全27件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

角田光代の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×