さよならの儀式

著者 :
  • 河出書房新社
2.88
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本棚登録 : 1409
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309028071

作品紹介・あらすじ

2019年7月10日刊行。

親子の救済、老人の覚醒、30年前の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索……淡く美しい希望が灯る。宮部みゆきの新境地、心ふるえる作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 親子の救済、老人の覚醒、無差別殺傷事件の真相、別の人生の模索…
    淡く美しい希望が灯る。宮部みゆきの新境地、心震える作品集

    ・「母の法律」
     虐待を受ける子供とその親を救済する奇蹟の法律「マザー法」。でも、救いきれないものはある。
    ・「戦闘員」
     孤独な老人の日常に迫る侵略者の影。覚醒の時が来た。
    ・「わたしとワタシ」
     45歳のわたしの前に、中学生のワタシが現れた。
     「やっぱり、タイムスリップしちゃってる!」
    ・「さよならの儀式」
     長年一緒に暮らしてきたロボットと若い娘の、最後 の 挨拶。
    ・「星に願いを」
     妹が体調を崩したのも、駅の無差別殺傷事件も、みん な「おともだち」のせい?
    ・「聖痕」
     調査事務所を訪れた依頼人の話によれば----
     ネット上で元〈少年A〉は、人間を超えた存在になっていた。
    ・「海神の裔」
     明治日本の小さな漁村に、海の向こうから「屍者」のトムさんがやってきた。
    ・「保安官の明日」
     パトロール中、保安官の無線が鳴った
     「誘拐事件発生です」なぜいつも道を間違ってしまうのか……

    8編からなるSF短編集
    いつもの如く内容を全く知らずに予約していました。
    420P程の結構なボリューム
    ワクワクして読み始めました。
    (@'ω'@)ん?(@'ω'@)ん? 近未来なの…SFなの…。
    8編全てがSFでした。
    近未来の世界を描いていました。
    凄いなぁ~よくこんな世界が想像できるなぁと
    とっても感心しました。流石ですね♪
    現代社会の風刺も描かれていたし、警鐘を鳴らしている様に感じました。
    それ故、本当にこういう世界になっちゃうんじゃないかと想像し、
    どれも気持ちが良い物ではなく、
    終始心がザワザワしながら読みました。

    宮部さんがSFって珍しいって思ったけど、
    初期の作品にタイムトラベルや超能力等を描いていましたね。
    長編だったのでとても入り込んで読み、
    面白かった事を覚えています。
    今回は短編で想像の未來を描いているので全く違っていましたが、
    やはり宮部さんの筆力に引き込まれて読まされました。

    戦闘員が一番好きでした。
    よかったなぁ。おじいちゃんガンバレ!
    保安官の明日も良かったです♪

  • どの話もごく日常で出会うような普通に暮らしていそうな人物が主人公だから物語にすぐ溶け込める。
    そこに、正義と救済の法律や宗教、ロボット、人工知能、タイムスリップ、宇宙生命体などが絡み一気に異次元の世界に連れていかれる。

    我々の住む世の中は、人間が不安なく幸せに生きていけるようにはできていない。
    日々の生活の中に潜んでいる社会の歪に関わってしまったり、好ましくない環境に入り込んでしまったり、何らかの苦悩と向き合いながら生きている。
    誰しもが、そんな日常で起きていることへの葛藤や、過去の愚かな行動に対する後悔、近未来に起ころうとしていることへの畏怖を抱えて生きている。

    宮部みゆきさんは、我々が生活している社会の問題をいろいろと考えさせてくれる。
    SFという形式でリアルさを緩和しているが、社会風刺が散りばめられた作品群でした。

  • 2010~2018年にかけて数誌に掲載されていたSF短編を8編セレクトしてあるけど、さすがの宮部みゆき作品だと感じられました♪
    身近なテーマばかりだけど らしい皮肉や風刺や問題提起が随所にユーモアも交えながら調理されていて、ちょっと怖いゾワッとする ひねりの効いたとても味わい深いSF短編ばかりでした。スイスイ面白く読了。

    • ありんこさん
      読んでみたくなりました。
      読んでみたくなりました。
      2020/01/22
  • 久しぶりに宮部さんのSF作品に多く触れられた気がする。
    書き下ろしではなく、雑誌等に掲載されたことがあるので、宮部ファンなら読んだことのある話があると思います。
    私も表題作の「さよならの儀式」は読んだことがあったが、再び読んでも良かった。なんかホロっときた。
    SFでありながら、人の心の在り方が描かれている作品集でした。宮部さんらしさが溢れる短編集だと思います。

  • 何と宮部みゆきのSF短編小説集、ファンタジーはあったかもしれないがSFは初めてかな。「荒神」はSFかな怪奇時代小説かな、何れにしても出来がよく日本版ミステリーゾーンとして映像化してもらいたいほどである。それにSFに多々あるいい加減な終わり方ではなくちゃんと物語を締めており、さすが稀代のストーリーテーラーであり、著者のテーマである悪は伝染するも盛り込まれている。「屍者の帝国」のオマージュまで混ざっていてちょっとお得かも。

  • 宮部みゆきさんのSF中短編集。宮部さんの本で、一番最初に読んだのが、実は日本SF大賞の「蒲生邸殺人事件」だったりするのですが、それ以降、SFっぽいのは、あまり読んでない(荒神が近いか?)ので、新鮮でした。

    「母の法律」は、近未来の被虐待児に対する養父母の法律のついての話だが、題材だけでなく、誰がどう考えて行動しているのかが、読み進めていくうちにわからなくなり、自分はモヤっとしながらも、読後にあーなのかこーなのかと考えてしまう感じで、それはそれでよかった。「星に願いを」も読んでくうちに、自分の考えがわからなくなる感じだった。

    「わたしとワタシ」「戦闘員」は、展開が好みで、日常のずれ的なものが身近でおもしろい。短編ドラマにしやすいような感じに思った。

    「保安官の明日」が、徐々に概要がわかっていき、その拡がり方も好きで、この中では一番好みだった。少しづつ言葉から見えてくる部分が、徐々に不穏さを出してきているのがよい。

    不安げな結末も、明るい結末も混じるし、SF自体を楽しむ話も、架空の世界から、現実の歪みを見る話も混じり、楽しんで読めた。

  • 宮部みゆきさんの新境地!と言われては、読まずにいられないでしょう。

    表題作である『さよならの儀式』と、『保安官の明日』が、いくら技術が進歩してもどうにもならない、人間の犯す罪や不条理、孤独のやるせなさを感じさせて余韻が残った。
    ごく素直にわかりやすく面白かったのは『戦闘員』『わたしとワタシ』。SFっぽい風味付けはあるけれど、基本の味は宮部さんらしい前向きな明るさ、軽やかさ。

    新境地、という感じはしなかった。
    たとえば、『母の法律』の不気味さは、わざわざSFテイストを使わなくても、現代の物語でも描き出せたのではないかという気がする。

    うーん、期待値が大きすぎたのかも。

  • 河出文庫2010年7月:聖痕、2012年1月:保安官の明日、2014年10月:戦闘員、2015年10月:海神の裔、2018年12月:母の法律、角川書店2013年2月SFJACK:さよならの儀式、講談社ヴィジョンズ2016年10月:星に願いを、小説すばる2018年4月号:わたしとワタシ、の8つのSF短編を2019年7月河出書房新社から刊行。宮部さん初のSF短編集だが、既に7編は既読だったので、読むかどうか迷いましたが、読んで正解です。並べて読むと感じるところが異なりました。最も楽しめたのは、唯一の未読のわたしとワタシで、さすが宮部さん、アイデアがしゃれています。

  • 未来の世界の話やSFの要素が詰まった小説集でした。
    かなり本格的なロボットやコンピュータなどの話がたくさんありました。宮部みゆきの新しい世界を見たようでした。
    私は「母の法律」が一番好きだったかな。
    どれだけ科学が進んでも、どれだけ先の未来でも、どれだけ不思議な現象が起きても、絶対に無くせない、人が人であらしめるのは、人の心なんだと、全ての作品から共通して発せられていた気がしました。
    SFがSFではなくなる世界は、きっとすぐそこなんだろうな。

  • 宮部さんて、SFも書けちゃうのか。
    少しだけ背筋がゾクゾクっとするような不気味さが
    近未来や日常の暮らしの中に散りばめられていて面白い。

    SFと言いつつも描いているのは人の心。
    AIや遺伝子操作の技術がどんなに進んでも、
    人は親子の関係や自己のアイデンティティに悩むんだろうな。

    読み終わってから、
    街中で防犯カメラを見つけるたびに
    ギクッとして困るんだが。。。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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