日航123便 墜落の波紋: そして法廷へ

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  • 河出書房新社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309028125

感想・レビュー・書評

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  • 日航123便墜落事故で最愛の夫を失ったイギリス人遺族との交流や、イギリスカーディフ大学での講演、海外弁護士や政策コンサルタントとの面会の様子などが描かれている今作は、3冊の前著と違い、事件そのもの追及するというよりは、事件の関係者を巡る現時点での真相究明の進捗を報告するものという色合いが強い。

    国交省航空局の遺族対応のお粗末さや、ボイスレコーダー公開に関する日航のダブルスタンダードなども記載されており、未だに本事件が深い闇に覆われていることが窺い知れる。

    ところで、私自身は公務員であるためある程度役所の内部事情がわかるのだが、情報公開請求などの外圧に対する役所の組織防衛というのは本当に徹底している。
    都合の悪い公文書が外に出ることにより、役所としては国会などにおける追及のリスクを背負うことになる。そうすれば自分たちの仕事が増える。批判も受ける。役人はそれを過度に恐れる生き物だ。
    結果的に、外に出される文書は必要最低限のものにとどまり、我々が本当に知りたい情報、すなわち彼らにとって都合の悪い情報は一切外に出ないのである。
    そしてそれを外部からチェックする第三者機関が存在しない。

    本書では、公文書管理に詳しい弁護士の三宅弘氏が紹介されているが、氏のようにいくら公文書管理の重要性を説いたところで、事態は一向に打開しないだろう。
    杜撰な公文書管理や国民に真摯に向き合わないその姿勢は、役人のモラル云々ではなく、日本特有の歪んだ行政システムの産物なのである。
    この構造的問題を根本から改善しない限り、残念ながら本事件は解決しないと私は思う。
    国民のために積極的に情報開示することにインセンティブを与え、逆に真実を隠そうとすると役所側に不利になるような仕組み作りが必要だ。

    歴史は現に繰り返されているのである。
    政治家を忖度し、組織防衛という保身に走った財務省が公文書改竄を行なってみせたのが、その何よりの証左であろう。

  • 青山透子さんは本当に凄いと思う。このシリーズは読む度に本当に怒りがこみ上げてきます。

  • 青木さんはこういったものを書いて妨害されていないのか心配です。前も書いたけど中曽根さん、真実は墓場に持っていかないで!

  • ^_^ 有り 687.7/ア/19 棚:17

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著者プロフィール

元日本航空国際線客室乗務員。国内線時代に事故機のクルーと同じグループで乗務。その後、官公庁、各種企業等の接遇教育に携わり、専門学校、大学講師として活動。東京大学大学院博士課程修了、博士号取得。

「2020年 『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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