推し、燃ゆ

著者 :
  • 河出書房新社
3.15
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309029160

感想・レビュー・書評

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  • 最近、女子高生の自殺が増えているという。
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021500805&g=soc
    「小中高生の自殺、過去最多 コロナで大幅増、女子高生突出―文科省」
    2020年に自殺した児童生徒は過去最多の479人。前年度より140人の増加。女子高生は前年の2倍以上に増加しているという。
    わたしは今の仕事をする上で、どんなに悩んでも絶対にぶらさない軸がある。
    それは、10代の子に、死を選んでほしくない、自殺してほしくない、ということだ。そのために、その子の人生を一緒に考えてゆける存在でありたい。
    正論は、彼女たちを苦しめる。誰よりも、その正論を自分にぶつけ、それができないことで苦しんでいるからだ。
    人が生きるということは、社会と接するということだ。
    そして社会で働いて収入を得て、それで生活するということだ。
    親に家賃を補助してもらっても、親はいつか死ぬ。
    現実というのはそういうことだ。
    そして、これはただの、正論だ。

    仕事中、自分でも引くほど正論吐いてんなと思う。一方で、プライベートの自分なんか正論の反対側にいる。仕事の休憩時間は、仕事とプライベートの、ちょうど狭間。だから、そういう時間に読んでいると、やきもきとしてくる。
    作中の姉や母のように、「推すことはできるのに課題はできないんかい!」と思えてくる瞬間が、どうしてもある。正論と、うまいことできない主人公への共感、両方が、わたしの心の中で、渦巻く。
    自分の人生含めて正論ばっかで上手くいくわけはないのに、教育機関という仕事柄、どうしても生徒にやらせないといけないことはあって、そういう時の自分の正論の吐き方は、我ながら当惑する。
    単純に舐め腐ってるやつもいるけど、そうしたいけどできない、って子だってたくさんいるわけで、そういう子の力になりたいと思っているのに、どうしてこんなに正論ばかりが口をついて出てくるんだろう。

    推すこと、やるべきことをやること、それらをバランスよくやれればよいのだけれど。
    アンバランス。あまりにも。みんながみんな、そんなに器用に生きてゆけるわけがない。
    その不器用さのひとつとして作品の中に描かれているのが、「発達障害」だ。明確に発達障害であると記載はされていないけれど。そしてこの不器用さは、村田紗耶香さんの「コンビニ人間」を彷彿とさせる。「普通」というものに対して問題提起したあの作品は以前、直木賞を受賞した。今回、この作品は芥川賞を受賞。「コンビニ人間」では、コンビニという場所では安心して生きてゆける主人公がいた。本作品では、推しという存在があってのみ、生きてゆける主人公がいる。

    この「推し」という存在。理解できる人とできない人がいるだろう。でも、例え推しの感覚が理解できなくても。それでもこの作品は、作者の訴えたいことがしっかりと伝わってくる。推しという感覚的なものに加えて、生きること、前を向くこと、さらには最近の子ども(若者)の生きづらさが、全力を尽くして描かれている。生きづらさを抱えながらも必死に足掻いている主人公の姿はとても痛々しく、時に顔をしかめながら読んだ。先に挙げた女子高生の自殺の増加。彼女たちも、必死に足掻いていたんだろう。気付いてあげられなくて、ごめんね。いや、もしかしたら。気付いていたのに、聞こえないふりをして、見ていないふりをしていたんだ。本当に、ごめんね。

    でも一方で、こうも思うのだ。
    生徒の中にはオーバードーズやリストカットをしたと彼氏や大人に訴える子がいる。わたしは彼女たちにそんなことをしてほしくない。それをしてほしくないと、素直に正論をぶつけて何が悪い。
    だって、わたしは彼女たちに、死んでほしくない。ましてや自分から死を選ぶなんて絶対にしてほしくない。確かに薬の量は、致死量ではないかもしれない。傷の深さは、浅いかもしれない。それでも。一回くらい、正論をぶつけさせて。
    「わたしはあなたに、死んでほしくない。」
    それは、彼女たちの、あなたのまわりを取り巻く環境があなたをそうさせているのであって、あなただけがそんなに辛い選択をする必要なんて決してない。もっと、あなたができないって思うことを、周りの、人のせいにしていい。あなたにはみんなができることができないかもしれない。でも、あなたにしかできないことだってある。だから、できないことだけに目を向けて、自分を追い込まないで。

    みんな、死なないで。
    死を近しく感じている全ての、特に、若い人たちへ。
    ここに、一緒に、あなたの生きづらさに寄り添ってくれる作品がある。
    この作品が、あなたの、あなたたちの傍にあることを、切に願います。

    • りーさん
      naonaonao16gさん

      そうですよね。ふとした自分の気持ちや考えを伝えることは、思わず誰かを傷つけてしまうかもしれなくて、そう思...
      naonaonao16gさん

      そうですよね。ふとした自分の気持ちや考えを伝えることは、思わず誰かを傷つけてしまうかもしれなくて、そう思うと難しくてとどまってしまうこと、私もいっぱいあります。お気持ちとってもわかります。。

      note拝見しました。naonaonao16gさんの想いが痛烈に伝わってくる、素敵な文章でした。

      これからも、naonaonao16gさんの想いを書き続けてほしいです。
      2021/03/28
    • naonaonao16gさん
      りーさん

      noteも見てくださり、ありがとうございます!
      何かを誤解されずに伝えるのって難しいですよね。
      昨日村上春樹氏が、表現することを...
      りーさん

      noteも見てくださり、ありがとうございます!
      何かを誤解されずに伝えるのって難しいですよね。
      昨日村上春樹氏が、表現することを恐れるな、読む側も違う意見だとしても受け入れる力を、的なことを仰っていてなんだかグッときました…

      これからもぼちぼちですが続けていこうと思います!
      是非また遊びに来てくださいね( ¯꒳​¯ )ᐝ
      2021/03/28
    • りーさん
      naonaonao16gさん

      はい、ぜひ!

      これからも拝見したいです☺︎
      naonaonao16gさん

      はい、ぜひ!

      これからも拝見したいです☺︎
      2021/03/28
  • 死と再生の壮絶な物語。
    発達障害だとかラベリングするのはカンタンだが、現実はそれで「ハイお終い」に出来るほど甘くはない。
    個人的に「推し」という感覚が無いで、主人公である彼女に寄り添って理解するのは難しいものだった。

    しかし、自分の現状も危ういバランスで成り立っている感覚はあり、それが何らかのキッカケで崩壊する可能性は確かに存在する。
    彼女にとってはそれが推しの炎上だった。

  • 推しを推しまくる、他人には理解できないほど推しまくる、そんな話だと思っていた。確かにそうなんだけれど、作者が伝えたいのはそんなことじゃない気がする。
    推しを推すこと以外、何もしないのではなく、できない少女。そう、少女なのだ。
    できないことをただ指摘する大人。病名だけを伝える大人。
    そこから一歩踏み込んで何か少女のために動いてあげられなかったのか、好きなことにはこんなに一生懸命になれる少女の特性を活かして生活に結びつけてあげることはできなかったのか‥‥と側から見ている分には言えるのかもしれない。実際に隣にいたら遊んでいるようにしか見えなくてイライラしてしまうのかもしれない。
    ただ一つ分かったのは、少女の心の内。できないことが自分でも分かっている、そしてそれを責められていることもわかっている、その心の中。それが痛いほど伝わってくる作品でした。
    ずっしり響きました。

    • みきさん
      こんにちは!
      この本を最近読んだのですが、そういった少女を取り巻く環境については深く考えていなかったので、違う見方を知れました♪
      私もそこま...
      こんにちは!
      この本を最近読んだのですが、そういった少女を取り巻く環境については深く考えていなかったので、違う見方を知れました♪
      私もそこまで深く考察できるようになりたいです。
      人によって感想が違うのがやはり読書の面白いことだなと改めて実感できました!
      2023/03/13
    • こっとんさん
      みきさん、はじめまして♪
      コメントありがとうございます。
      同じ本を読んでも人によって感じ方が様々で面白いですよね。
      そして、それを皆んなで共...
      みきさん、はじめまして♪
      コメントありがとうございます。
      同じ本を読んでも人によって感じ方が様々で面白いですよね。
      そして、それを皆んなで共有し合えるこのブクログの場、ありがたいです。
      これからもどうぞよろしくお願いしますね♪
      2023/03/13
  • うわ、これ、めっちゃ解る、と思ってしまった。(←読んでいる間だけだった。)

    自分の推しを「神」と言う人たちがいらっしゃるが、その人たちの気持ちが少し解るような気がした。

    私には神も推しもいないけれど。

    あかりは推しの一挙手一投足を「解釈」する。
    彼の発言を記憶し、グッズを集め、部屋中も頭の中も推しだらけにする。

    そうしないと「現実」が押し寄せてきて、身体中を侵食し、立っていられないからだ。

    推しはあかりを人間的にも性的にもジャッジしない。
    推しはあかりを視ない。
    しかし、身も心も捧げていれば、それ相応か、それ以上の、幸福のリターンがある。

    「推し活」にもいろいろあって、推しと直接交流したり、あわよくば恋人になりたいと思う人もいるそうだが、あかりはそういうのじゃないらしい。

    あくまで影になり推しの幸せを願い、推しと一体化することで、自分を保っている。

    「普通の」人はやじろべえみたいにバランスを取って生きている。
    あかりもそうだ。
    片方が重いからこそ、もう片方も重くしているだけだ。

    その片方をいきなり外されたら、どうなるのだろう。

    あかりを見ていると、何かこう、愛しさと切なさが込み上げる。

    ラストまで読み終わったら、なぜだか安心して、ブワッと涙が出そうになった。

    大丈夫、とはとても言えないけれど、きっとあかりはどんな形であろうとも、生きてくれるだろう、と思った。

    娘(いないけれど)ぐらいの年齢の女性の書いたものに、こんなに共感させられるとは思わなかったです。
    宇佐見さんの文章は普段は平易なのにここぞという場面で濃度粘度がグッと強まる。
    その緩急のつけかたが素敵で虜になってしまいます。

  •  長女と同い年の宇佐美りんさん、恐るべき才能だというので、避けていたのだけれど。
    「かか」を読みたくてブックオフで手に取ってみたら、まだ、1000円以上。芥川賞受賞の「推し、燃ゆ」はもっと高いだろうと思ったら、220円。
    じゃ、こっちにしようっと(^ω^)。
     うん、確かにすごいのだけれど、「好き」ではない。筆致はすごい。例えば、友達の顔が、一瞬、スマホの笑顔のスタンプに見えた時の描写とか、プールの授業を見学した時に、プールから溢れてくる水の独特の気持ち悪さの描写とか。
     気がついたのは普通の「推し」について書いた小説ではないということ。一般に思われているような、健康的で「チャラい」「追っかけ」ではなく、本当にそれが無いと生きて行けない「背骨」的な「推し」であるということ。
     主人公は発達障害か何かの問題があり、学校の勉強や部屋の片付けや普通の人が頑張れば出来ることを頑張っても出来ない。生きづらい中で、「推し」という一つの光明を見つけ、生きる目的が「推し活」になっていった。「推し活にかまけて勉強しない」ではなく、「生きるためには推し活しか無い」だったのだ。
     そんな人もいるのだと思った。けれど、「推し活」をしている人がそんな人ばかりではないだろう。
     今流行りの「推し活」について詳細に書き、「発達障害」など、これもまたここ何年か注目されている事柄を絡ませている。21歳のアンテナがキャッチした上手い小説だと思った。こういうのが芥川賞を取るのだろう。
     けれど、私はなんか引き込まれない。「発達障害」か「推し」かどちらかに焦点を当てて書いてほしい。
     でも、「かか」は読みたい。


  • 娘が「カラフルピーチ(youtuber)」にハマっています。そのカラピチグッズを買うために一緒に3時間も並びました。数百人の長蛇の列。待っている間に本一冊を読みきって、それはそれで充実してました……ではなくて、なぜこれほどの労力を掛けて、推せるものなのでしょうか。
    古くは江戸時代にすでにフィギュアがありましたし、歌舞伎の「推し」役者の浮世絵が飛ぶように売れました。また「かぶきをどり」のような、今で言う野外フェスも一般市民の間で大流行しました。裏には幕藩体制への不満があったと言います。いつの時代も人間というものはそんなに変わらないのだと思います。

    さて、本作は「推し」を推すことに全てを捧げ、生活までも崩れていってしまう女子高生あかりの物語です。推し活をする事を自分の業とまで言い切ります。
    極めて現代的な点は、現実の生活に満足感や自己肯定感を得ていないところにあります。
    アニメにハマりすぎたり、声優を目指す夢を語る人の中に少なからず存在しています。もちろん全然そうじゃない人が大多数ですが。
    推しを推すことで、推しに自分を重ねることで、自分を保っていける、そんな鬼気迫るものを感じました。あかりの描写の中にも保健室登校や心療内科に通っていることをうかがわせるものがあります。
    でも、あかりは全然駄目なんかじゃない。アルバイトだってしているし、ブログの文章なんかもかなり上手。コミュニケーションもどうしてなかなか。ここがどうにもならなくなっている人との違い。本気になれば推しのことを詳細に調べてすごい量のファイルにまとめることができる。世の中で生きていくストロングポイントは十分にある。
    「推し」を失ったことが、あかりにとって本当のスタートになるのだと思います。
    少しずつ現実とも折り合いをつけていって、いつかあんなこともあったっけな、と振り返れる日が来るのではないでしょうか。
    あかりの持ち味にはやく気づいて、リアルな世界の方でも充実感をつかんでほしいと思いました。

    「推し活」のリアルをはじめて知りました。今のアニメ文化は秋葉原だけでなく、池袋がすごいそうなのですね。私もちょっと見に行こうかなと思いました。

  • 主人公あかりは、地下アイドルの推し活をしている。その活動は、彼女の背骨だとする。
    推しを崇拝するが如く、彼女達は、その活動を支える。そして、その対象となる、仕事学校等を業と名付ける。
    若い作家さんで、他作を読んでいないので、作風がわからないのですが、現実の社会生活に馴染めない、納得していないという状況を具体的に書いていきます。そのような状況は、その時代やその年代で表現されてきて、シンパシーを得ています。
    あかりは、病名が二つついたという設定ですが、最後までそれを明らかにはしません。
    彼女は、日常生活は破綻気味でも、背骨を持った推し活は現実的で計画的とさえ思える行動をとります。
    病気かどうかは、不要であったように思う。読者に任せてもよかったのではとも思う。
    彼女の推しは、人を殴りSNS上で炎上する。そして、グループ解散結婚であっけなく消滅する。
    彼女は、最後に 投げた綿棒を骨に見立てて拾う。
    彼女の中で推しも燃え尽き、次の生活に進もうとすると読んだが、違うかもしれない。

  • 164回(2020年度下半期)芥川賞を受賞作品。2021年本屋大賞では9位を獲得。

    アイドルとは偶像であり、その偶像を崇拝(≒推し)するということは宗教的なことを示唆しているのだろうか。途中、「業」などという言葉がいかにも意味ありげに使われてもいたし。

    読んでいて、同じく芥川賞受賞作品の「コンビニ人間」を思い出した。肉と骨が表と裏、「こちら」と「あちら」という感じだろうか。

    また、文体で言えばゆるい感じからギアチェンジした時の迫力は凄い。引き込まれていく感じがたまらない。

    • 5552さん
      TAKAHIROさん、はじめまして
      5552と申します。
      フォローありがとうございます。

      「ギアチェンジ」ってうまいこと言うなあ、...
      TAKAHIROさん、はじめまして
      5552と申します。
      フォローありがとうございます。

      「ギアチェンジ」ってうまいこと言うなあ、と思いました。
      自分のレビューで舌足らずにしか書けなかった宇佐見さんの文体の魅力を、上手く表現しているなあ、と。

      いきなりのコメント失礼しました。
      2022/03/26
    • TAKAHIROさん
      5552さん、コメントありがとうございま〜す。
      コロナ禍でブクログ初めて2年にして祝初コメントいただきました!
      ギアチェンジって仕事での私の...
      5552さん、コメントありがとうございま〜す。
      コロナ禍でブクログ初めて2年にして祝初コメントいただきました!
      ギアチェンジって仕事での私の口癖なんですよ‥よって深く考えたコメントではございません(笑)
      5552さんのレビュー今後も楽しみにしとります。
      2022/03/26
  • 「推し」にのめり込む気持ちはよく分かる。
    ちょっとこれは行き過ぎてるけど、気持ちはとても理解できる。うん、かなり行き過ぎてるけど。

    「推し」がテーマなので楽しい話だと思っていたのに、全体的にかなり暗くて、文章も読み辛かった。
    普段と同じスピードで読み進めると、意味がわからないまま過ぎていってしまう。
    ゆっくり、情景を思い浮かべながら読むべき本。
    こういうのを純文学というのかな。
    私は長ったらしくて読みにくいな、と感じてしまった。

    それにしてもこの家族、みんな冷たすぎる。
    もっと寄り添って、理解してあげなきゃ。

  • 祝、芥川賞。
    宇佐見りんさん、史上三番目の若さでの受賞とのこと。

    芥川賞作品は短いので、何がしかの待ち合いに読むのにマッチする(笑)
    この本の場合は歯医者さんの診察待ちで読んだ。

    「推し」についての小説。

    全般に不安定でスマートには進まない。
    つまづきながら歩む。
    時に二本足歩行もできなくなる。
    主人公のあかりはそんな女の子だ。

    あかりの推しのアイドル真幸は、ある時ファンを殴って炎上する。
    そんな行動に幻滅するファンも多い中、あかりは真幸を解釈し続ける。まるで、自らが生き続けるための証を探し続けるかの如く。

    というお話だが、

    うーん、

    「推し」のことはよくわからない!

    なんだか、新しい世界に出会ってしまいました。

    とても若い作家さんなのに、主人公も若いのに、小説から若い熱量を感じないのが不思議(笑)

    • naonaonao16gさん
      こんばんは!

      いやいや、なんというか。
      文面だとニュアンスが伝わらなくて、難しいですね。

      わたしは、最近の「スペクトラム」とい...
      こんばんは!

      いやいや、なんというか。
      文面だとニュアンスが伝わらなくて、難しいですね。

      わたしは、最近の「スペクトラム」という潮流というか考え方が好きで。
      みんな、得意不得意や、気質や体質、あると思っていて、ついでに言うと、みんな何かしらの依存症だとも思っています。
      つまり、みんな発達障害の総称の中に挙げられる特性の中にあるだろうし、何かしらに依存しながら生きてるんじゃないの?というのが個人的な持論です。ちょっと極端に言ってますが。

      作品だと、あかりが推しを推すことはできて生活が回らないことを発達障害で片付けている気がして、それこそわたしは乱暴だと、そう感じたんですね。
      人間「偏り」くらいあるじゃないですか。そこが個性の愛すべきところで。
      だから、あかりは発達障害って設定だったけど、あかりという人間性、でよかったと思うんです。
      そういう意味で、たけさんの言葉は、わたしにはふさわしいように感じたんです。

      同時に、その発達障害という彼女の特性が、推しというものへの理解の一助になっているのかなとも思うのです。あかりほどの熱量でもって推せるのってすごいことでしょうし。
      また、作品の中の彼女の生きづらさは想像を絶します。その生きづらさの想像を補う存在としての発達障害だったのかな、と。
      うん、やっぱりうまく言葉にできません(笑)

      でも、おっしゃる通り、環境ですよね。
      あかりはたぶん、飲食店のアルバイトよりも、別のアルバイトの方が向いているような気がしました。

      こちらこそ、もやもやさせてしまってたら、すみません。
      そして駄文長文、まことに失礼いたしました。
      2021/02/25
    • たけさん
      naonaonao16gさん。

      なるほど!
      乱暴に言うと、この作品に対してnaonaonao16gさんと僕は同じようなことを感じていた、と...
      naonaonao16gさん。

      なるほど!
      乱暴に言うと、この作品に対してnaonaonao16gさんと僕は同じようなことを感じていた、ということですね(笑)

      まあ、個性なんですよ。結局。
      「発達障害」という言葉は、その人の生きづらさを除去するためにあるのであって、周りが偏見を持つためにあるのではない、ということかな。乱暴にまとめると。
      2021/02/25
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      そうです!たぶん同じこと感じてます!(笑)

      生きづらさの除去。
      いいこと仰いますね~
      本当にそうだと思います。本人がその言葉を...
      たけさん

      そうです!たぶん同じこと感じてます!(笑)

      生きづらさの除去。
      いいこと仰いますね~
      本当にそうだと思います。本人がその言葉を名付けられて、生きやすくなれればよいのです。
      2021/02/26
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著者プロフィール

1999年生まれ。2019年、『かか』で文藝賞を受賞しデビュー。同作は史上最年少で三島由紀夫賞受賞。第二作『推し、燃ゆ』は21年1月、芥川賞を受賞。同作は現在、世界14か国/地域で翻訳が決定している。

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