推し、燃ゆ

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309029160

感想・レビュー・書評

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  • 最近、女子高生の自殺が増えているという。
    https://www.jiji.com/jc/article?k=2021021500805&g=soc
    「小中高生の自殺、過去最多 コロナで大幅増、女子高生突出―文科省」
    2020年に自殺した児童生徒は過去最多の479人。前年度より140人の増加。女子高生は前年の2倍以上に増加しているという。
    わたしは今の仕事をする上で、どんなに悩んでも絶対にぶらさない軸がある。
    それは、10代の子に、死を選んでほしくない、自殺してほしくない、ということだ。そのために、その子の人生を一緒に考えてゆける存在でありたい。
    正論は、彼女たちを苦しめる。誰よりも、その正論を自分にぶつけ、それができないことで苦しんでいるからだ。
    人が生きるということは、社会と接するということだ。
    そして社会で働いて収入を得て、それで生活するということだ。
    親に家賃を補助してもらっても、親はいつか死ぬ。
    現実というのはそういうことだ。
    そして、これはただの、正論だ。

    仕事中、自分でも引くほど正論吐いてんなと思う。一方で、プライベートの自分なんか正論の反対側にいる。仕事の休憩時間は、仕事とプライベートの、ちょうど狭間。だから、そういう時間に読んでいると、やきもきとしてくる。
    作中の姉や母のように、「推すことはできるのに課題はできないんかい!」と思えてくる瞬間が、どうしてもある。正論と、うまいことできない主人公への共感、両方が、わたしの心の中で、渦巻く。
    自分の人生含めて正論ばっかで上手くいくわけはないのに、教育機関という仕事柄、どうしても生徒にやらせないといけないことはあって、そういう時の自分の正論の吐き方は、我ながら当惑する。
    単純に舐め腐ってるやつもいるけど、そうしたいけどできない、って子だってたくさんいるわけで、そういう子の力になりたいと思っているのに、どうしてこんなに正論ばかりが口をついて出てくるんだろう。

    推すこと、やるべきことをやること、それらをバランスよくやれればよいのだけれど。
    アンバランス。あまりにも。みんながみんな、そんなに器用に生きてゆけるわけがない。
    その不器用さのひとつとして作品の中に描かれているのが、「発達障害」だ。明確に発達障害であると記載はされていないけれど。そしてこの不器用さは、村田紗耶香さんの「コンビニ人間」を彷彿とさせる。「普通」というものに対して問題提起したあの作品は以前、直木賞を受賞した。今回、この作品は芥川賞を受賞。「コンビニ人間」では、コンビニという場所では安心して生きてゆける主人公がいた。本作品では、推しという存在があってのみ、生きてゆける主人公がいる。

    この「推し」という存在。理解できる人とできない人がいるだろう。でも、例え推しの感覚が理解できなくても。それでもこの作品は、作者の訴えたいことがしっかりと伝わってくる。推しという感覚的なものに加えて、生きること、前を向くこと、さらには最近の子ども(若者)の生きづらさが、全力を尽くして描かれている。生きづらさを抱えながらも必死に足掻いている主人公の姿はとても痛々しく、時に顔をしかめながら読んだ。先に挙げた女子高生の自殺の増加。彼女たちも、必死に足掻いていたんだろう。気付いてあげられなくて、ごめんね。いや、もしかしたら。気付いていたのに、聞こえないふりをして、見ていないふりをしていたんだ。本当に、ごめんね。

    でも一方で、こうも思うのだ。
    生徒の中にはオーバードーズやリストカットをしたと彼氏や大人に訴える子がいる。わたしは彼女たちにそんなことをしてほしくない。それをしてほしくないと、素直に正論をぶつけて何が悪い。
    だって、わたしは彼女たちに、死んでほしくない。ましてや自分から死を選ぶなんて絶対にしてほしくない。確かに薬の量は、致死量ではないかもしれない。傷の深さは、浅いかもしれない。それでも。一回くらい、正論をぶつけさせて。
    「わたしはあなたに、死んでほしくない。」
    それは、彼女たちの、あなたのまわりを取り巻く環境があなたをそうさせているのであって、あなただけがそんなに辛い選択をする必要なんて決してない。もっと、あなたができないって思うことを、周りの、人のせいにしていい。あなたにはみんなができることができないかもしれない。でも、あなたにしかできないことだってある。だから、できないことだけに目を向けて、自分を追い込まないで。

    みんな、死なないで。
    死を近しく感じている全ての、特に、若い人たちへ。
    ここに、一緒に、あなたの生きづらさに寄り添ってくれる作品がある。
    この作品が、あなたの、あなたたちの傍にあることを、切に願います。

    • りーさん
      naonaonao16gさん

      そうですよね。ふとした自分の気持ちや考えを伝えることは、思わず誰かを傷つけてしまうかもしれなくて、そう思...
      naonaonao16gさん

      そうですよね。ふとした自分の気持ちや考えを伝えることは、思わず誰かを傷つけてしまうかもしれなくて、そう思うと難しくてとどまってしまうこと、私もいっぱいあります。お気持ちとってもわかります。。

      note拝見しました。naonaonao16gさんの想いが痛烈に伝わってくる、素敵な文章でした。

      これからも、naonaonao16gさんの想いを書き続けてほしいです。
      2021/03/28
    • naonaonao16gさん
      りーさん

      noteも見てくださり、ありがとうございます!
      何かを誤解されずに伝えるのって難しいですよね。
      昨日村上春樹氏が、表現することを...
      りーさん

      noteも見てくださり、ありがとうございます!
      何かを誤解されずに伝えるのって難しいですよね。
      昨日村上春樹氏が、表現することを恐れるな、読む側も違う意見だとしても受け入れる力を、的なことを仰っていてなんだかグッときました…

      これからもぼちぼちですが続けていこうと思います!
      是非また遊びに来てくださいね( ¯꒳​¯ )ᐝ
      2021/03/28
    • りーさん
      naonaonao16gさん

      はい、ぜひ!

      これからも拝見したいです☺︎
      naonaonao16gさん

      はい、ぜひ!

      これからも拝見したいです☺︎
      2021/03/28
  • 祝、芥川賞。
    宇佐見りんさん、史上三番目の若さでの受賞とのこと。

    芥川賞作品は短いので、何がしかの待ち合いに読むのにマッチする(笑)
    この本の場合は歯医者さんの診察待ちで読んだ。

    「推し」についての小説。

    全般に不安定でスマートには進まない。
    つまづきながら歩む。
    時に二本足歩行もできなくなる。
    主人公のあかりはそんな女の子だ。

    あかりの推しのアイドル真幸は、ある時ファンを殴って炎上する。
    そんな行動に幻滅するファンも多い中、あかりは真幸を解釈し続ける。まるで、自らが生き続けるための証を探し続けるかの如く。

    というお話だが、

    うーん、

    「推し」のことはよくわからない!

    なんだか、新しい世界に出会ってしまいました。

    とても若い作家さんなのに、主人公も若いのに、小説から若い熱量を感じないのが不思議(笑)

    • naonaonao16gさん
      こんばんは!

      いやいや、なんというか。
      文面だとニュアンスが伝わらなくて、難しいですね。

      わたしは、最近の「スペクトラム」とい...
      こんばんは!

      いやいや、なんというか。
      文面だとニュアンスが伝わらなくて、難しいですね。

      わたしは、最近の「スペクトラム」という潮流というか考え方が好きで。
      みんな、得意不得意や、気質や体質、あると思っていて、ついでに言うと、みんな何かしらの依存症だとも思っています。
      つまり、みんな発達障害の総称の中に挙げられる特性の中にあるだろうし、何かしらに依存しながら生きてるんじゃないの?というのが個人的な持論です。ちょっと極端に言ってますが。

      作品だと、あかりが推しを推すことはできて生活が回らないことを発達障害で片付けている気がして、それこそわたしは乱暴だと、そう感じたんですね。
      人間「偏り」くらいあるじゃないですか。そこが個性の愛すべきところで。
      だから、あかりは発達障害って設定だったけど、あかりという人間性、でよかったと思うんです。
      そういう意味で、たけさんの言葉は、わたしにはふさわしいように感じたんです。

      同時に、その発達障害という彼女の特性が、推しというものへの理解の一助になっているのかなとも思うのです。あかりほどの熱量でもって推せるのってすごいことでしょうし。
      また、作品の中の彼女の生きづらさは想像を絶します。その生きづらさの想像を補う存在としての発達障害だったのかな、と。
      うん、やっぱりうまく言葉にできません(笑)

      でも、おっしゃる通り、環境ですよね。
      あかりはたぶん、飲食店のアルバイトよりも、別のアルバイトの方が向いているような気がしました。

      こちらこそ、もやもやさせてしまってたら、すみません。
      そして駄文長文、まことに失礼いたしました。
      2021/02/25
    • たけさん
      naonaonao16gさん。

      なるほど!
      乱暴に言うと、この作品に対してnaonaonao16gさんと僕は同じようなことを感じていた、と...
      naonaonao16gさん。

      なるほど!
      乱暴に言うと、この作品に対してnaonaonao16gさんと僕は同じようなことを感じていた、ということですね(笑)

      まあ、個性なんですよ。結局。
      「発達障害」という言葉は、その人の生きづらさを除去するためにあるのであって、周りが偏見を持つためにあるのではない、ということかな。乱暴にまとめると。
      2021/02/25
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      そうです!たぶん同じこと感じてます!(笑)

      生きづらさの除去。
      いいこと仰いますね~
      本当にそうだと思います。本人がその言葉を...
      たけさん

      そうです!たぶん同じこと感じてます!(笑)

      生きづらさの除去。
      いいこと仰いますね~
      本当にそうだと思います。本人がその言葉を名付けられて、生きやすくなれればよいのです。
      2021/02/26
  • 推しを推しまくる、他人には理解できないほど推しまくる、そんな話だと思っていた。確かにそうなんだけれど、作者が伝えたいのはそんなことじゃない気がする。
    推しを推すこと以外、何もしないのではなく、できない少女。そう、少女なのだ。
    できないことをただ指摘する大人。病名だけを伝える大人。
    そこから一歩踏み込んで何か少女のために動いてあげられなかったのか、好きなことにはこんなに一生懸命になれる少女の特性を活かして生活に結びつけてあげることはできなかったのか‥‥と側から見ている分には言えるのかもしれない。実際に隣にいたら遊んでいるようにしか見えなくてイライラしてしまうのかもしれない。
    ただ一つ分かったのは、少女の心の内。できないことが自分でも分かっている、そしてそれを責められていることもわかっている、その心の中。それが痛いほど伝わってくる作品でした。
    ずっしり響きました。

  • 芥川賞受賞の作品。
    21才の若手作家(でさらに可愛い気がした笑)とのことで気になり購入、読了。
    前作は三島由紀夫賞を最年少で受賞されているそう。

    いやー、コレは面白いですねーーー( ̄∇ ̄)
    めちゃ良い作品…天才の予感がする作家さんですね。

    上手く言い表せないんですが、文章に魔力めいたものを感じるというか…(笑)
    読み手をぐっと惹きつける、のめり込ませる不思議な魅力があるように思いました。

    「アイドルを『推す』」という最近(ちょっと前からかもしれませんが…)特有の文化。
    現実世界で埋められない心の穴を、そこで代替してしまうほどにのめり込む。
    まさに「今」を切り取った文学だなと。

    朝井リョウさんの帯の一文、「未来の考古学者に見つけてほしい時代を見事に活写した傑作」がまさに言い得て妙だと思いました。

    本作は、他に類を見ないほど「リアリティ」、「臨場感」が突出しているのでは無いかと思います。
    すぐそこにある事実のように、明確にイメージできるレベルですっと入ってくる感覚があります。

    「アイドルを推す」という自分にとっては未知の領域も、その心情が巧みに表現されています。
    推しエピソードの手数も多く、それが圧倒的な「熱量」を伝える要素として効いているのでは無いかと。

    上手くいかない家族との関係性も、辛辣なほどリアルに描かれています。
    母、父、姉、あかり、誰かが一方的に悪いというわけではない…でも、どこか歯車が噛み合わない。
    幸せになれない。
    こういう家庭って実際にあるんだろうなと。

    読んでいて、ずっともやもやもした行き場のない感情があったのはそこなのかなと。
    解決の糸口が見えない、その閉塞感が影響していたような気がしました。

    ラストは様々な解釈があるように思います。
    個人的には希望のある終わり方なのかなと。

    あかりは自分を受け入れ、自らの力で歩いて行く決断をした。
    そんな風に解釈しましたが…

    自分もあまり器用な方では無いですが、自分なりに逃げない、ズルしない、自分に恥じない、そんな生き方をしたいなと。
    漠然とですが、そんなことを思いました。

    二足歩行は向いてなかったみたいだし、体は重い。
    でも、やるしかない。

    <印象に残った言葉>
    ・触れ合えない地上より触れ合える地下(P5、成美)

    ・推しは命にかかわるからね(P6、あかり)

    ・やらなくていい、頑張らなくてもいいから、頑張ってるなんて言わないで。否定しないで(P57、姉)

    ・携帯やテレビ画面には、あるいはステージと客席には、そのへだたりぶんの優しさがあると思う。相手と話して距離が近づくこともない、あたしが何かをすることで関係性が壊れることもない、一定のへだたりのある場所で誰かの存在を感じ続けられることが、安らぎを与えてくれるということがあるように思う。(P62、あかり)

    ・二足歩行は向いてなかったみたいだし、当分はこれで生きようと思った。体は重かった。綿棒をひろった。(P125、あかり)

    <内容(「Amazon」より)>
    【第164回芥川賞受賞作】
    「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい」

    朝日、読売、毎日、共同通信、週刊文春、
    ダ・ヴィンチ「プラチナ本」他、各紙誌激賞! !

    三島由紀夫賞最年少受賞の21歳、第二作にして
    第164回芥川賞受賞作

    ◎未来の考古学者に見つけてほしい
    時代を見事に活写した傑作
    ――朝井リョウ

    ◎すごかった。ほんとに。
    ――高橋源一郎

    ◎一番新しくて古典的な、青春の物語
    ――尾崎真理子

    ◎ドストエフスキーが20代半ばで書いた
    初期作品のハチャメチャさとも重なり合う。
    ――亀山郁夫

    ◎今を生きるすべての人にとって歪(いびつ)で、でも切実な自尊心の保ち方、を描いた物語
    ――町田康

    ◎すべての推す人たちにとっての救いの書であると同時に、絶望の書でもある本作を、わたしは強く強く推す。
    ――豊崎由美

    逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。

  • 「推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。まだ詳細は何ひとつわかっていない。」
    カミュを思わせる書き出しから、怒涛の文章力で綴られる推し生活。僕の若い頃は「推し」という言葉はなかったけれど、でも「命にかかわる」推しがいた。片っ端から音源を聴き言葉を集め英語を学んで解釈し、ブログがないからウェブサイトを手作りして書きつけた。食べては吐きながら彼女の音だけを摂取して生き延びた、あの頃の遠い心がふたたび掻き鳴らされ、あなたは間違っていなかった死ななくて偉かったあなたは偉い僕は偉いと、少しだけ泣いていいような気がした。

  • あー、推しが炎上したってことねって感想

    ここまで推しに熱くなれるってすごいなぁ
    わたしにもこんな時代あったかな??
    うーん無いわぁ。

    生活ができないくらい推しに入れ込むってすごいなぁ
    すごい情熱だわ。

    あまり好みでは無い本でした。
    本を読むのが遅い私でもすぐに読み終わりました。

  • 「推し、燃ゆ」 宇佐見りん(著)

    2020年 9/30 初版発行 (株)河出書房新社
    2021年 1/30 5刷

    熱の逃げ場を探して悶え苦しむ女子の業。

    この熱い業を浴び続けるアイドルって凄い!

    この業を背負って生きなきゃいけない
    女子って凄い!

    簡単に受け止められると思うなよ男子よ!

    宇佐見りん
    凄い!

    この第164回 芥川賞受賞作は
    村田沙耶香(著)コンビニ人間以来の納得^^;

  • この作品は、芥川賞受賞作品ですが、芥川賞っぽくない感じでした。
    目眩がするような、息苦しくなるような読後感です。
    「押し」を押すことで、なんとか自制心を保っている主人公の心の苦しさや不安定さが繊細に描写されていて、、、なんだか、つらくなってしまいました。

    著者の他の作品も読んでみたいです。
    ぜひぜひ読んでみてください

    話題作❕です。

  • 「推しは私の背骨だ」と主人公あかり。
    宇佐見りんさん自身も芥川賞受賞後のインタビューで
    「小説を書くことが背骨だ」と言っています。

    彼女はヨガやピラティスをやっているのではないか?
    と思いました。

    宇佐見りんさんにも「推し」が存在するそうですが
    私はアイドルに夢中になったことはなく
    自分の背骨を意識しながら
    「ふうん。こんな感じか」。

    余談ですが背骨SEBONEは
    英語でBACKBONEだそうです。

  •  勉強もバイトも家族関係も、全てがうまくいっていない女子高生、あかりは、アイドルの「上野真幸」を推すことに全てを捧げていた。しかし、彼女の「推し」上野真幸はファンを殴って炎上してしまう。逆境に晒される推しを支えるために、自分の持てる全てを推すことに捧げるあかり。彼女の生活は推すこと以外、ままならなくなっていく。

     「推し」「炎上」という、現代的でポップ、悪くいえば俗っぽいテーマを用いて、こんなに骨太な文学作品が書けるものかと驚きました。正直、最初は「オタクあるあるを楽しむ」位の気持ちで手に取ったのですが、この本では、あかりの生きづらさが、文学的手法を用いて見事に描かれており、読んでいて胸が苦しくなるくらいでした。
     特に、印象に残ったのは、「肉」と「骨」の対比です。
     あかりは、入浴や爪切り、人と話す為に顔の肉を持ち上げるといった、生活に必要な最低限の行為をこなすことすら、困難を抱える特性を持っています。彼女はその特性を「肉体の重さ」と表現し、「推しを推す」時だけ、重さから解放されると言います。そして、「推す」ことは生活の中心、「背骨」と表現しています。普通の人なら人生を「肉付け」して豊かにしてくれるバイトや部活などは、あかりにとっては余分なことで、削ぎ落として「骨」、つまり「推すこと」だけの生活にしたいと言います。また、現実が上手くいかないあかりは、「肉体」の必要ないネットの世界では、推しへの考察の深さから、ファンの間で、一目置かれる存在です。
     このように、「肉」と「骨」は度々、キーワードとして登場しており、あかりの心情描写を印象深いものとしています。

     私は、サブカル的なテーマに対する先入観から軽めなエンタメ小説だろうと舐めてかかって、横っ面を殴られた様な衝撃を受けました。ぜひ、あなたにも、思いっきりぶん殴られてほしいです。

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著者プロフィール

1999年静岡県生まれ、神奈川県育ち。現在大学生、21歳。2019年、『かか』で第56回文藝賞を受賞。2021年、『推し、燃ゆ』で第164回芥川賞受賞。

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