- 本 ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309029641
感想・レビュー・書評
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少し前のニュースで「ブラジャー男子」が増えているというのを見た。男子がファッションとしてブラジャーを身につけるのだそう。
身近では聞いたことがなくて、どこにいるんだろう?と思っていたら、まさにその「ブラジャー男子」の物語だった。
親の再婚で突然、姉弟になった二人がぶつかりながらも、お互いをわかり合っていこうとする様子がよかった。
ちぐさが途中から踏み込み過ぎな感じもしたけど、高校生なんだからこの位の勢いがあってもいいかと思ってみたり…
姉弟のみでなく、親や友人との相互理解みたいなものも広く触れられていて、中高生にもおすすめ。
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題名からLGBT 系かなと思ったら、もっと自由な広い、まだ何ものでもないきらきら輝く気持ちの物語でした。
普通じゃないかもしれない部分があって、でもそれがすべてじゃないこともわかってる。そんな覚悟があっての繋がりは素敵です
後で気が付きましたが、私の敬愛する氷室冴子さんの青春文学賞大賞作品でした‼️ -
父の再婚相手の連れ子の「弟」は、ブラジャーが好きだった。
「普通じゃない」家庭で育ってきた主人公。
それゆえ人よりも物事を深く考えられるところはあるのに、いろいろな人がいるという多様性を理解していて大人ぶっているのに、それでも男の子のこととか理解できていないことが多くて、心が幼くて、自分なりの正義を胸に、むきだしの感情のままに突き進んでいく。
良くも悪くも高校生らしかった。
あれ、これで終わるの?と思うような読後感だった。もっと深く読んでみたかったな。 -
父親が再婚して出来た弟は、ブラジャーが好きな男の子だった。
ある時、ちぐさは弟の晴彦がブラジャーをつけている所を見てしまう。
これだけ聞くとLGBTの話なのかな〜と思うけど、そうではなくブラジャーのデザインとかレース使いに魅せられた思春期男子と、それにとまどいながらも理解したいと歩みよる姉のお話。
晴彦が自分が好きな物にとても正直で、その姿がカッコ良かった
多様性っていう風潮がある時代とはいえ、実際に自分の弟がブラジャーつけてたらちょっと衝撃かな、、(^_^;)
でも大切な存在なら、やっぱりその気持ちを尊重してあげたいし大切にしてあげたいとは思う。
ちょっとちぐさの強引さには引いてしまうとこが多々あったけど、ぶつかり合いながらも分かり合っていく2人が良かった。
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すごく良かった。
みんなの“好き”が自由であってほしいなって思う。
周りからみたら奇妙な受け入れ難い“好き”もあるけれど、
人にはそれぞれ、胸ふくらます“好き”があって、
それは夢や安心をくれたり、
傍からみたらコブとか重荷に見えても、
それを支える肩紐付けて、
堂々と胸を張っていれたらなって。
好きなものは好きっていうその姿が、
素敵なら「素敵」と言えたらいいし、
多様性に柔軟でなきゃ!とか、
理解して受け入れなきゃ!とかじゃなくて、
よくわからないならわからないで、
別に無理することなく、
ただ、その人の“好き”が好きのまま、そこに在れたらいいなって。
世界はそんな世界になってほしい。
そんな風に思いました。-
refrain∮さん、こんにちは。はじめまして。
すてきなレビューですね!
すぐに読みたいに登録してしまいました。
近くの図書館に...refrain∮さん、こんにちは。はじめまして。
すてきなレビューですね!
すぐに読みたいに登録してしまいました。
近くの図書館に置いてあるのをカーリルで確認したので、折りを見て借りに行こうと思っています。
ひとりひとりの「好き」が尊重され、大切にされる世界になってほしいし、していきたいですね。
突然のコメント失礼しました。
2021/09/27 -
5552さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!嬉しいです♪
なんだか最近、“多様性”〜的なことが多くて、「受け入れなきゃ」と...5552さん、はじめまして。
コメントありがとうございます!嬉しいです♪
なんだか最近、“多様性”〜的なことが多くて、「受け入れなきゃ」とか「理解を示さなきゃ」みたいなあり方に何かしらの違和感があったのかもしれません。
この作品を読んで、すーっと気持ちが落ち着いて、より自然で心地よい世界が開けた気持ちがしました。
読みやすくとても素敵な作品なので、
気になってくれた方には是非読んでみてほしいです♪2021/09/28
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父親が再婚して、できた中2の弟。
いやいやそんな弟にそんな話できないし!と思うけどある意味「他人」だからの距離感なのかと思うと、晴彦とちぐさの仲がちょっと羨ましく思えた。
晴彦のあたりまえの1人の時間を、汚いとか八つ当たりなのは完全に引いたけど。
思春期の女の子ならそー感じるか。
智くんは優しいけど、ちょっと間違うとDV予備軍っぽくて爽やかなのに怖かったなぁ。
中2にしては大人な晴彦がカッコよかった -
9.28読了。個性や自己主張について、考えさせられます。頭の中では理解できても、世間体との狭間で葛藤する、ちぐさの心の動きがおもしろいです。人として気を遣わなくていい関係の人に対して、本音をぶつけつつ、信頼を失わないよう振る舞えるようになるといいです。
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6/16
最近読んだ中で1番面白い!!星が足りない!
まず題材が今までになくて全く話の想像ができないからぐんぐん読んじゃう。
そんでもって佐原ひかりの表現の仕方がいちいち面白い。(思わず笑い声が出てしまう)
主人公のちぐさが、弟の晴彦に対して犯した失態をきっかけに、(心が)成長している。
自分の気持ちに、相手の気持ちに素直に反応することがどれほど素晴らしくて難しいことか。
「わかる」とか「受け入れる」とか、簡単に口にしないほうがいいと思う。
だって、そこに時間をかけることに意味があるし、それが他者を理解する何よりの近道だから。 -
タイトルからは想像できなかった、素敵な本。
父親の再婚で、母親と弟ができた高校一年のちぐさ。
弟がブラジャーをつけているところを見てしまう。
表紙の絵が弟をよく表していると思う。
中性的で神経質で、ブラジャーをつけることやブラジャーその物を好きでいるところ、まだ中学生なのにどこか達観している雰囲気。
苦手なタイプかもしれないと思いつつ読み進めていたら、予想を裏切る一冊となった。
LGBTや多様性の話ではなく、つぎはぎ姉弟と家族の話。
そこがまたよかった。
主人公は姉だけど、弟の本。
両親の離婚を自分の罪と感じ、償うように生きている。
父親の姿を自分に投影させる母親を刺激しないように。
大人びたような言動はここからくるのだろう。
姉弟が最後にお互い言いたいことをぶつけ、
弟は父親に言いたいことをぶつけるのが清々しい。
友達の話をしない弟を陰キャラ扱いする姉に言った弟のセリフが印象的だった。
「べつに、見せてることがすべてじゃないだろ。見えてるものが、すべてでもない......」(183P)
著者プロフィール
佐原ひかりの作品






流行ってるって、どこの話なんでしょうね꒰⑅ᵕ༚ᵕ꒱˖
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