生きる演技

  • 河出書房新社
3.27
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本棚登録 : 409
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309031774

感想・レビュー・書評

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  • 文体、文量、リアルな重たさに圧倒。
    そりゃ生きていればどこかしらでみんな演技してるよね。

    友達といる時、家族といる時、多少なりとも違うでしょ
    ってことが物語を通してぶつけられている感じ。
    出てくるキャラクターの生い立ち、家族関係もなかなかだからより心にずっしりきてしまう。

  • 会話の部分がおおくて、たんたんと物語が進んでゆくなあと思って読んでいた、地の文がないのはいいのだけれど、、存在に問いかけられるようなものというよりは、自分が歩めなかった青春をみているようなきもち

  • 揺さぶられた。
    生きていることそのもの、他者を分かろうとすること、自分を分かろうとすること、それら全てが。
    現実と虚構のあわいを突く。

  • 初めて著者の本を読んだ。
    文章も内容も難しかった。疲れた。
    読後、脳が痺れて重くなるような感覚があった。
    よく分からないけれど、知らない言語で難解な演劇を見たらこんな感じがするのかも、と思った。
    離人症のような主人公。身勝手な大人の犠牲になり傷ついた少年たちが、日常を演技することでなんとか自分を保っていた、っていう事?

  • 本当にひとつも理解できなかった…
    誰の視点なのかも、ひとつひとつの文章の意味も本当に全然わからなかった…
    あえてぐちゃぐちゃに描くことで主人公二人のぐたゃぐちゃ感を表しているのかもしれないけど、とにかくわからなかった…

    ところどころ、うっすら大事なことを言ってそうなポイントはあったので、もうちょっと時間をかけて噛み締めてよめればよかったかな。
    芥川賞系統の本が苦手という論がまたひとつ強固になってしまった。

  • 間髪入れずに二周目読みました。初読時に文体が読みづらいなと感じて目が上滑り、いきおい取り逃がしてしまったことが、二周目ではウソのように(とはいえまだ完全には理解できない部分も多いけれど)腑に落ちて、心にしみこんでくることに驚いた。文体、別に読みづらくないじゃんね? ヒロケン、そうだったんだね、児玉もそうだったんだね。そしてやっぱり読後に残るのは、主人公は子どもたちだけれど、この物語で問われているのは大人たちの罪だということ。なにがなんだかわからないなりに生崎の父親に感じた強い憤りは私の読み違えなんかじゃなかった。しねしねしねしね、その言葉でしか悲鳴を上げられない子どもたち。おりしも日本では共同親権の法案が可決され、いつ始まってもおかしくない戦争を私たちは抱えている。

    以下↓一周目の感想です


    読み終わった今、うちのめされ、なぜか震えが止まらない。確かに今日はちょっと冷えるがそれだけではないはず。

    読みながら思っていたこと
    *高校生の自意識、日本人と歴史の問題、いろいろと大切なことが書かれているのはわかるが、なにしろ癖があり意味がとりにくい文章ゆえにかじりついて読解しようとする気になれない、なんというか、いろいろな要素が作品としてひとつに収斂しない居心地の悪さというか。
    *高校生と演劇ということであれば川野芽生「Blue」のほうが好きだったかも、「みどりいせき」も素直によかったし、なんなら「それは誠」のほうが…(最近初めて読んだ日本の作家はなぜか高校生物が多かった)

    最後の章「V」でそれらがすべてひっくり返され、全然ちゃんと読めてなかった、とにかくもう一度読み直さなければ、話はそれからだ、という気持ちに。

    今の時点でわかっていること
    *場に宿る意志を描いたものとして『シャイニング』に匹敵する傑作なのでは。
    *読んでる間はなんとなくあきらめてしまっていたけれど、親たちに無性に腹が立ってきた。とくに生崎の父親。
    *作品としてひとつに収斂、とかなんとか上に書いたが、そんな必要をいつ誰が決めたのか。読み手としての自分の思い上がりを反省。

    再読時に気をつけたいこと
    *「われわれ」とはだれか
    *前半のクライマックス、笹岡と生崎が互いを演じ合う場面。それを機に(なのか?)ふたりは一気に親しくなっていくわけだし大事な場面だと知りつつ、よくわからないまま半ば読み飛ばしてしまったが、次はもっと食らいつきたい。
    *明らかに珍しい苗字の人物が多く登場してそのたび違和感が募ったが、何か意味はあるのか
    *ヒロケン

  • いやー、こういう新しい感性というの?自分の高校時代なんておそらく今思い返しても10ページくらいのもんだよ。他者との関係と自分の内面との対話なんて、いっこもしてなかったおじいからすれば、これは小説なのか?というのが本当の気持ち。オリンピックのせいかな。

  • 町屋良平さんの作品でしか得られないものすごい言葉の連なりに本作も圧倒され、正直結局どういうことだったのか理解できてないところも多いのだけど、とても面白かった。町屋さんの作品は、読み切った自分を褒めたい気持ちになる(いい意味で)。
    恋の幽霊でも描かれていた「他者の文体と混じる」様子の描き方が多くの登場人物の中で際立っていたと思うし、そうせざるを得なかったというような、アフォーダンスが散りばめられているような気もした。

  • これまで読んだ事のない、異質なものを読んだことは感じとれたのだが、独特の文章運びのおかげで、『彼』が今どちらなのか、時間や空間が何処からどこへ飛んだのか…など追いきれない瞬間が多く、読みづらかった。
    意図的に狙ってる気もするのだが。

  • 映像作品のよう
    読みながら各シーンが頭の中で映像として再生される不思議体験

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著者プロフィール

1983年生まれ。2016年『青が破れる』で第53回文藝賞を受賞。2019年『1R1分34秒』で芥川龍之介賞受賞。その他の著書に『しき』、『ぼくはきっとやさしい』、『愛が嫌い』など。最新刊は『坂下あたるとしじょうの宇宙』。

「2020年 『ランバーロール 03』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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