- 河出書房新社 (2025年3月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784309039503
作品紹介・あらすじ
「男の僕が有害な男性性を告発することが僕の大義なのだと、本気で思った。どこで間違った?」
ポリコレ系文化人×弱者男性芸人
自らの傷を利用する二人の男。歪な同居生活の行く末は――
【『ぬいしゃべ』著者、入魂の衝撃作!!】
映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』でジェンダー差別に傷つく男性の姿を繊細に描き、話題を呼んだ作家・大前粟生。
本作は、「差別への抵抗・告発すらも消費される社会」の闇へも踏み込んだ超渾身作。
「増幅していく差別と偏見と絶望を受け止めた先に、大前さんは一筋の光を見出す。」
―吉田恵里香(脚本家・NHK連続テレビ小説『虎に翼』アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』他)
「この物語が届かない時代なら、もう本当に手遅れだ。」
―大島育宙(芸人・YouTuber)
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
複雑な友情と社会の矛盾を描いた物語は、男性たちの生きづらさや差別に対する鋭い視点を提供します。読み進めるうちに明らかになるテーマは、最初は戸惑いを感じさせるものの、次第に心に響く深いメッセージへと変わ...
感想・レビュー・書評
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男たちの話。風変わりな友情の話。
世の中の薄っぺらな部分を風刺していると思う。
大前さんの感性が好きだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ものすごくよかった。読み始めは自分が何を読んでるのかよくわからず、読み進めてると途中で急にテーマがわかってそこから急に全体が見える。どうやって終わるのか気になって猛スピードで読んだ。タイトルもいい。この人の他の本も読みたい。
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性別による生きづらさ、格差や差別など
いつの時代にもあったはずなのに
いつからこんなに
あからさまになったのだろう。
でも、だからこそ
自分とは違う他人を知ろうとすることが
大事なのかもしれない。
「他人に触れて
他人と他人のまま
通じ合わないままでも
通じ合うことができる
と願い、たとえそれが
錯覚だったとしても
あたたかいと思って
崩れ落ちたかった」
そんな言葉に今の時代のやるせなさを思った。 -
初めましての作家さん。薄い本に1800円もするなんて購入してまで…。なんて思いながら読んでいたけど、自信家のコメンテーターの男と片足が不自由な男との共同生活から自信家のコメンテーターの内面はおれなんてという全然違う性格で麻酔クリームを塗る事でコメンテーターとして活躍している内情と片足が不自由なだけで就活で内定をもらえず憐れみの目を向けられるだけの卑屈になった男性、浮浪者同然の生き方で真逆の2人がお互いを認め合い生きにくい世の中で心開き存在を認めていく。もう少し掘り下げどう人生を全うしていくのか知りたかったけどみんな悩みを抱えて鎧をまとっているのとそれを開かせるきっかけは自分から変えていかなくてはいけないと励ましてくれる一冊。
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帯を吉田恵里香と大島育宙の二人に依頼していることも含めて、2025年に刊行される小説としてめちゃくちゃクリティカル。主人公の学生時代のターニングポイントとなる出来事、その描写における「僕たち」の傍観者的態度に身に覚えがあり過ぎて読むのが辛かった。
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多様性、フェミニズム、口当たりのいいことを語って「稼ぐ」ことに疲れていた男性と、弱者男性が出会って交流することで少し癒される話。
著者の方は自分の加害性にものすごく怯えてる人なのかな、といつも思う。
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主人公・テレビコメンテーターの男性(38)が、とても初めから卑屈な感じで、
そこに現れる足の悪い関西弁の文無しな感じの男性と、
結局どうなっていくのかと、ページをめくる。 -
男のノリについて考えさせられた。
過去をいじめという可哀想な立ち位置に置きたくなくて、あれは遊びだったと強く言い聞かせる男の葛藤… -
ただの傷を語る場面はやっぱり痛くて、日常でもなんでもないある出来事で、その傷に物語をつけたくなくて否定してしまおうと蓋をしてきたことが、男性にもあるのだなと思えたし、男性のキャラクターが「あれは被害だったのか?」という葛藤をこういうふうに語ることで巷のジェンダー論に広がりがうまれるような気がした。
小説としてはもっと愛染の言論や行動などを描いてキャラクターに深みを持たせてほしかったし、セリフで展開しまくるのでそりゃ主人公もずっと混乱してしまうよな、と思う。でも書きたいことは伝わってきたし、いい小説を読めたと満足を感じる。 -
最後の後藤の言葉がすごく良かった。
なかなか言えないけど、本当にシンプルに望むのは自分が自分でいられる安心感とゆとりだと思う。 -
「傷」「男の加害性」「弱者男性」と象徴とされるキーワードが全て記号でしかなく、かつこういうセンシティブなテーマを掲げておきながら具体的な事を書かず「傷つきやすいボクたち」止まりの著者の覚悟のなさと浅薄さしか感じなかった。
そして、人物含めたあらゆる描写も浅薄ゆえに展開に必然性がなくツッコミ所が多すぎる。
言動から何の教養も感じさせない主人公はどういう立場と実績でメディアに出てポリコレ代弁の演者やってるの?それだけメディア露出が多くて他者の視線に怯えてる男が何でプロのゴシップメディアじゃなくハンデを背負った素人に盗撮されてるの?
足がきかない奴が「メディアに出てる気に食わないアイツが落書きしてる所を見つけたぞ!毎日通いで落書きしてる所を毎度撮影して脅したれ!」って無理あるだろ!
30手前で舞台に立ってネタ披露するような「若者」を弱者男性って呼んじゃダメでしょ。だいたい何であんな毎回事故を起こしてるっぽいゲロスベりのネタで舞台に立てるの?
乳首切られる下りと流れに必然性ある?乳首の件が加害性?何でニッパーの落書きしてるの?
あの「多数派代表」がなんで当選する前からファンタジーな野望を実行に移して特撮の悪役みたいにベラベラその中身を詳細に喋ってるの?かといって寓話風オチかと思ったら警察が普通に出て来て罪状を検討するのかよ!
帯を見て手に取ってみたが青春小説にしても出来事がぶつ切りで現実性がなく、主人公二人は30前後のいい歳こいたおっさんなのに頭脳と内面がいいとこ高校生程度で幼稚過ぎ、「男性の加害性」は登場人物が安直なお題目唱えてるだけでその解像度が異常に低く、この作品での「弱者男性」は大して悲壮感もなく、「物語じゃない」なら寓話や風刺にしては中途半端でとにかく描写が稚拙(ニッパー事件からジェンダー授業の繋がりや学生プロレス描写、ラストの愛染との対峙とか本当に酷い)。
諸々の最大の要因は、傷だ痛みだ男の加害性だとか言いながらロクに暴力を描いていないこと。冒頭の掴みがしょうもないにもほどがあるお忍びヒゲ脱毛の描写なので著者もある程度自覚はあるんだろう。
これって初出が河出の「文藝」だけど、このテーマ周辺の小説になると評価がゲロ甘になるのは何故なんだろう、と考えるとやっぱり綺麗め若手俳優つかったふわふわ映像化狙いなんだろなあと思ってしまう。 -
自分の傷を隠すために、自分を偽って生きて
虚勢を張ってその先にあるものは一体なんなのか。自分を見つめ直したとき、手に残るものはなにか。自分が自分でいるためには?
そんなふうに考えさせられました。
今の私はいったい何なのか。偽って生きている自分なのか、ちょっと悩みます。 -
著者の描く男社会の閉塞感や嫌な空気感がとても伝わってきた。一方で男性らしさの呪縛に囚われてしまう構図も所々頷けた。自分のアイデンティティを共同生活の中で模索する主人公に答えが出るのか。色々考えさせる作品でした。
著者プロフィール
大前粟生の作品
