愛人

  • 河出書房新社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309200774

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  • 再読。「十八歳でわたしは年老いた」デュラスの少女時代、仏領インドシナでの経験を基に綴られた小説。15歳でうんと年上の金持の中国人青年との性愛に溺れ、父を亡くし貧困に喘ぐ家族との葛藤がメインストーリー。ともすると生々しく露わな告白本となりがちだが、そこはデュラスなのでそのような陳腐に陥るはずはない。インドシナの広大な情景と、メコン河の壮大な流れ、サイゴンの喧騒が詩情ある映像となって眼前に浮かび、老成した少女の冷めた視線と交錯し、もの悲しく美しい音楽がなり響く。主旋律に少女の固い決意が秘められ込められて。

  • 2017/01/07 読了

  • 再読。家族関係、人種差別と絡んだ少女の恋愛。
    周りが許さなくても愛はあった。
    今だったらどんな展開になるのだろうか?

  • 映画化から20年以上経っているけど、実はこれが初読。「15歳でわたしは年老いた」という衝撃的な冒頭のフレーズと、その年齢で中国人青年の愛人になったという性愛的な面が強調されてるイメージを読む前は持っていたが、1930年代の仏領インドシナの情景や、「わたし」の壊れた家庭環境の描写が圧倒的で、性愛よりも家族小説としての色合いを強く感じる。次はこれの姉妹編「北の愛人」も読む。ここでデュラスをちゃんと読んでおきたいし、映画ももう一度観たいかな。

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著者プロフィール

仏領インドシナのサイゴン近郊で生まれる。『太平洋の防波堤』で作家としての地歩を築き、『愛人(ラマン)』はゴンクール賞を受賞、世界的ベストセラーになる。脚本・原作の映画『ヒロシマ・モナムール(24時間の情事)』、『モデラート・カンタービレ(雨のしのび逢い)』、『かくも長き不在』は世界的にヒット。小説・脚本を兼ねた自作を映画化し、『インディア・ソング』、『トラック』など20本近くを監督。つねに新しい小説、映画、演劇の最前線にたつ。
第2次大戦中、ナチス占領下のパリでミッテラン等とともにレジスタンスに身を投じ、戦後も五月革命、ヴェイユ法(妊娠中絶法改正)成立でも前線にたち、20世紀フランスを確実に目に見える形で変えた〈行動する作家〉。

「2022年 『マルグリット・デュラスの食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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