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- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309201030
作品紹介・あらすじ
ノルマンディーの海辺。こよなく美しい夏の宵。ホテルのロビーに若い外国人とその恋人が現われる。彼らを偶然見かけて強く惹かれた男がいた…。デュラスが死ぬまで愛していく男に捧げた、ベストセラー『愛人』につづく最新ロマン!
感想・レビュー・書評
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静かな、けれど声にならない叫びのあふれるデュラスのスタイル。
出てくる二人の男女は常に泣いている。叫んでいる。それなのに時は凍りつき、ひとつの部屋にある。
これは果たして劇なのか、劇中に演じられる劇をきく聴衆か、語ることは演じることであるような無声映画のような、はたまた朗読劇でもあるような。
そんな見ることと聞くことが溶けあったような一場面。
泣いているのに、何か決して届くことのない何かを求めて渇いている。埋まることのないふたり。そんなどうしようもなく不可解な他者が同じ空間、同じ時間を共有しているということの哀しさ。そして、それでも時間は流れ誰にも止めることのできないという生き死にの事実。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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