- Amazon.co.jp ・本
- / ISBN・EAN: 9784309202259
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
最後のところで思わず、わあ!と声をあげてしまった。不思議、こんな本がこの世にあるなんて。わくわくが止まらない。
-
<不思議な文通 グリフィンとサビーヌ>の完結編。
三作とも本に印刷されたはがき(表裏)と貼り付けられた封筒の中から折りたたまれた手紙を取り出し広げて読むという手法。
手紙も葉書も原文そのままの英語で綴られており、本を開けたはじめのページに奥書の書かれた封筒が貼り付けられ、その中に、翻訳された小冊子が入っている。最終回の<黄金のとびら>は、初回の本のように、一つ一つ、順番に翻訳冊子と手紙を見比べながら読んでいこうと決心していたので、ひとつひとつ丁寧に読んだつもりだが、逸る気持ちが訳本の上をマッハ級のスピードで斜め読み・・・(^^ゞ
全編、逢いたくても逢えないあの青酸っぱい青春の日々を彷彿させるが、グリフィンとサビーヌたちは、どこまでが本当でどこまでが妄想なのか判断できないが故に、いくら読み進めても彼らの愛を素直に容認できない。
ところが、最後にどんでん返しが・・・。
グリフィン・モスとサビーヌ・ストローヘム・・・
最後のページ、ケニアで働く若い医師に舞い込んだ不思議な絵葉書の送り主の名前は、サビーヌ・M・ストローヘム。そして、その絵葉書はグリフィン・モスがサビーヌ・ストローヘムに送り続けていた彼の作品。
二人はアレクサンドリアのファロス島で逢う約束をしていたが、どうやら無事に逢えたようだ。
完結編とあるが、ケニアで働く若い医師に舞い込んだ不思議な絵葉書から、また、シュールな物語が始まるのではないかと、きっと誰もが思ってしまうに違いない。