ロル・V・シュタインの歓喜

  • 河出書房新社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309202808

感想・レビュー・書評

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  • まだ読み始めたばかりだけれど、本を開き、数行読んだとたんに、不意に風が止んだような不思議な静けさにとらわれた。実際、物語としては、なにか不穏な出来事が起こりそうだ。この感じ、言葉にはしきれそうにないから、一生忘れないだろうと思う。

    けれども、「その出来事はすでに終わっている」という感じも受ける。同時に、そこに始まりの兆しがあるようにも感じられる。それが現実というものではないか。だがその現実を言葉で表現しうるのは、現実ではありえぬはずの、小説の役割なんだなあ、という思いを噛み締めているところ。

  • ロル・V・シュタインの婚約者は舞踏会で別の女性と踊り、彼女から去った。10年後、ロルは学生時代の友人と愛人との逢引を目撃し、二人に近づく。10年前のあの時間を呼び戻すために

    ===
    複数の男女によって構成される愛、精神不安定、叫び、徘徊、眠り、などのいかにもデュラスなテーマがちりばめられています。主観的でありなお傍観的視点で書かれた文章が心地よいです。

  • ついである日片割れを失ったこの体が神の腹の中で動き出す

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著者プロフィール

仏領インドシナのサイゴン近郊で生まれる。『太平洋の防波堤』で作家としての地歩を築き、『愛人(ラマン)』はゴンクール賞を受賞、世界的ベストセラーになる。脚本・原作の映画『ヒロシマ・モナムール(24時間の情事)』、『モデラート・カンタービレ(雨のしのび逢い)』、『かくも長き不在』は世界的にヒット。小説・脚本を兼ねた自作を映画化し、『インディア・ソング』、『トラック』など20本近くを監督。つねに新しい小説、映画、演劇の最前線にたつ。
第2次大戦中、ナチス占領下のパリでミッテラン等とともにレジスタンスに身を投じ、戦後も五月革命、ヴェイユ法(妊娠中絶法改正)成立でも前線にたち、20世紀フランスを確実に目に見える形で変えた〈行動する作家〉。

「2022年 『マルグリット・デュラスの食卓』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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