ギフト (西のはての年代記 (1))

制作 : 谷垣 暁美 
  • 河出書房新社
4.07
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本棚登録 : 248
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309204642

感想・レビュー・書評

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  • これ、ゲド戦記に続く超名作ファンタジー!
    指輪よりよっぽど!
    なんで話題にならないのかわからない
    重くて悲しくて、ほんと泣ける

    様々なギフトを持つ高地の人々

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「指輪よりよっぽど!」
      へーー期待が高まりますね。
      文庫になったので読もうと思いつつ、、、
      「指輪よりよっぽど!」
      へーー期待が高まりますね。
      文庫になったので読もうと思いつつ、、、
      2012/12/06
  • このシリーズがあったのか!ゲド戦記よりもわかりやすいかも知れませんね。
    ギフトという特殊能力を持った北の村の一族の物語。家系によって違うギフトを持ち、主人公の少年は統御出来ない強い力を発揮したために何年も目を封印されてしまいます。
    エメラルドの島といった表現があるのはケルト世界なのでしょう。さすがの読み応え。
    救いのある結末です。

    • sanaさん
      torachanさん、
      コメントありがとうございました!
      コメントは少ないので見方がわからなくて、すぐ見つけられなくて、ごめんなさい。
      ...
      torachanさん、
      コメントありがとうございました!
      コメントは少ないので見方がわからなくて、すぐ見つけられなくて、ごめんなさい。

      こちらこそフォローありがとうございます☆
      コージーとファンタジーがお好きとは!
      嬉しいです。

      グウィンはいいですよねえ…
      このシリーズがまたよくって。どうしてこんな風に書けるんでしょう。
      なかなか言葉にし切れないのですが。
      読めるのが幸福。

      こちらからも楽しみに、参考にさせていただきますね♪
      sana
      2012/05/21
  • こういう物語に出会えるのは、本当に幸せなことだ。さすが、齢を重ねただけあって、『ゲド戦記』より洗練されているし、人間の描き方も穏やかで優しくなった。ル=グウィンは「人はどのように生きるべきか」ってことだけを、ひたすらに問い続けている人だなぁ、と思う。続きが楽しみ。(2008.9.10 読了)

  • ル・グイン熟年の異郷ファンタジー。意外にピンとこなかった。

  • アースシー1巻から38年後に書かれたルグウィンの物語。世界観はアースシーとよく似ていて、完全にルグウィン節が心地よい。ただ、個人的にはこのトリロジーの最初の本書だけが非常にテンポがノレずにストラグルしました。ただ、これを読んどかんと次に響く。舞台となる西のはての地域では”ギフト”という超能力を持つ血族が各部族を統治していて、各部族同士が中よかったりいがみ合ってたりして、色々と問題が起こる。ランドロードの息子として生まれたオレック、生き物を殺す能力の家系。能力の発露を忌み嫌うオレックが目を封印された真の意味というのがシームの一つ。オレックのギフトがどういうものか、いまひとつわからんまま終了。グライという動物と心をかよわせられるギフトを持つ女のこのキャラがとても良い。

  • むうう。
    続きが読みたい。

    ワクワクでもドキドキでもないけど、読んでしまう。

    当初この1冊だけの予定だったと解説に書いてあったが、もしそうだったらかなり寂しい気がしただろう。
    早く続き読もう。

  • ル・グウィンの語り口が好きだ。存在の手触りのするファンタジーだと思う。暗い印象もあるけれど、女性らしい優しさも感じる。血を通じて伝わるギフトをめぐる、父と子の葛藤はとてもリアルで悲しい。私たちもまた親からギフトを受け取るけれど、もちろんそれが親の期待するとおりとは限らない。

  • 物語としての面白さはもちろんの事,人間心理,感情の揺れ動きといった細かい描写が素晴らしく,親子間であれ友情であれ恋愛であれ敵への憎悪であれ生々しく読み手に迫ってくるので,こちらも一緒にイラついたり喜んだりホッとしたり忙しい.そして少年(オレック)が成長していくところがやはりいい.

  • 私の大好きなル=グウィンさんです。

  • 大人になるってこういうことですよね。きちんと親離れして自分の意志で生きていく。ギフトのプラスとマイナスに対する考え方、やっぱりそういうことだよなあとすごく納得しました。作者の人に対するあたたかさをとても感じました。

  • ゲド戦記の作者と、期待していたのに・・・。
    読前期待値が大きすぎたようです。

  • 詩や小説を読むことを好み、本を愛する人であれば、自分にも物語を語る才能、詩を詠むことのできる力があれば、と思ったことがあるだろう。中には天から与えられるように、その力を授かった人もあるだろうが、多くの人は長ずるに及んで、我が身にその才のないことを嘆息とともに受け容れざるを得ない。

    主人公オレックが生まれた高地には、低地の者には魔法としか思えないギフトと呼ばれる力がある。部族によって異なるが、オレックの部族カスプロマントの伝えるギフトは「もどし」のギフトと言い、物事を作られる前の姿にもどしてしまうものだ。対象を左手で指し、一言呟けば、馬でも牛でも骨と肉が分化する前の混沌の状態にもどされてしまう恐ろしい力である。

    人は、自分にどんな才能があるのかを予め知らされてはいない。望む力を発揮できる人はほんの一握りの人だろう。力を求めながら、自分にそれのないことを受け容れさせるために、どれだけの時間がかかることか。誤って自分の愛する者を傷つけてしまわぬように、自らの目を封印し、暗闇の中で生きる主人公の葛藤が、この物語を暗い色調で覆っていることは否めない。相変わらずというか、またしてもというか、ル=グウィンの描く世界は、若い読者をそう簡単に楽しませるようには描かれない。

    主人公を導いてくれる幼馴染みの少女グライはすでにギフトを授かっている。動物の心を読み、彼らの言葉で話しかけることができる「呼びかけ」のギフトは、馬の調教などに使える、いわば前向きのギフト。対するに、カスプロマントや敵対するドラムマントのギフトは、壊したり、殺したりする後ろ向きのギフトである。グライは、ギフトはもともとどちら向きにも使えるものであったが、戦いに明け暮れる裡に、高地の人々の間で、後ろ向きにしか使われなくなったのではないかという考えをオレックに語る。ここに現代の世界に対する批判を読むことは容易い。

    暗闇の中でオレックは、母が語ってくれた物語を思い出す。文字を知らない高地人とはちがって低地から嫁いだ母は、本を読み、物語を語ることの好きな女性だった。本で読んだことを思い出しながら語る母の物語には抜け落ちたところがあった。オレックはそれを補うだけでなく、新しく紡ぎ出す才能が自分にあることを知り、母の遺してくれた本を読むために自ら目隠しを外すのだった。それは、制御できない力を持つカスプロマントの跡取りであることをやめることであり、父の願いに背くことでもある。

    世界を混沌の状態に「もどす」ことのできる力を、もし前向きに使うことを学ぶなら、混沌状態にある世界に光を当て、秩序立てることもできるにちがいない。オレックの「ギフト=賜物」とは、そういう力だったのではないか。領主としての責任感から自分の領地を守ることにだけギフトを用いる父(男)の世界から、前向きのギフトを持つグライ(妹)の力を借りることで、本来自分の中に潜んでいた自分の周りの人々を幸せにする母(女)の世界を発見するというのが、『ギフト』の構造である。

    ユング的な世界観が色濃かった『ゲド戦記』とはうって変わって、男の成長には、母という一人の女をめぐって、息子が父親を殺す過程が避けられないというフロイト的な主題が物語を背後で支えている。今ひとつ、世界は善悪二つの敵対するもので構成されているというキリスト教的な世界観ではなく、本来善と悪は一つのものだという異教的な世界観がある。悪が生じるのは、戦いを好む男社会が、相手を傷つけるものとしてのみ、持てる力を振るうからだというこの作家らしい主張も健在である。

    後書きによれば、はじめはこれ一作だけのつもりで書かれたという。『ギフト』は、オレックが、物語を語ったり、詩を朗唱したりする仕事に就くきっかけを作ってくれた低地からの逃亡者の思い出からはじまり、オレックとグライが高地を離れる峠道の場面で終わっている。より開かれた地での二人の活躍を見たいと思ったのは、読者だけではなかったようだ。成長したオレックとグライの活躍は第二作『ヴォイス』で読むことができる。

  • ル=グゥインらしさにあふれた本当に素晴らしい作品です。僕はこれを読んで、映画「ゲド戦記」に対する落胆と憤りを払拭しました(笑)
    「西のはての年代記」3部作の1巻にあたりますが、僕にとってはこの3部作にはファンタジーの魅力がたくさん詰まっています。
    おこがましい言い方ですが、ファンタジーとはこうあるべきです。

    ひと言でいえば、ハリウッドが好んで映画化し、またコンピュータゲームの世界でも好んで用いられる「悪の(暴)力を、それを上回る善の(暴)力で駆逐する、そのための力を手に入れるために主人公たちが超人的な力を身につけ、また破壊的な武器を手にしていく成長過程を描いた愛?と冒険の物語」ではありません。

    だから、そうしたストーリーを期待して読むと肩すかしをくらいます。ハリー・ポッターのような超人的な力を持った主人公は登場しません。
    むしろ、破壊的な力を持つことを期待されながら、その力を持つことを恐れ、また一方でその力が備わっていないことへの不安を抱えながら、自分に授けられた本当に大切な力(ギフト)を自覚していくという物語です。
    でも、ギフトを胸に大人として旅立つ主人公オレックの姿は、本当に雄々しく、また希望に満ちあふれています。

    この小説は、おそらくジュブナイル(ヤングアダルト)と呼ばれるジャンルに分類されるでしょうが、世代を問わず人々の心を揺さぶるものをもっています。
    主人公オレックの母メルを中心に物語全体に感じられる、子どもに対する温かな「まなざし」に心打たれます。この「まなざし」は、不朽の名作「ゲド戦記」と共通するものです。

    僕は、読了後、そんな「まなざし」を持ち、これから多くの力の問題に直面するであろう子どもたちを温かく見守り、希望を託していける大人になりたいと思いました。
    きっと、この作品は、(暴)力を(暴)力で制しようし、行き場を見失った大人たちへの問いかけでもあるのでしょう。

  • 名前で売れるから、このくらいの地味な導入でも許されるのだろう。ル・グインでなかったらきっと途中で読むのをやめただろう。物語の基本テーマが出てくるまでが長いし、ひとつのテーマをやたら長くひっぱって、これでおしまい? という感じ。それでも続きも読んじゃうんだろうけど。

  • ハリーポッター以降に量産されたファンタジーとは格が違う。やっぱり彼女の作品は期待を外さないなぁ。こういうの、読みたかったんよね。

    描写から頭の中に広がる風景は、緑と灰色を基調とした山々や空気、集落。
    登場人物の心情は、ただ文章を目で追って頭の中で理解した以上に、私の心に色濃く滲み出てきた。時に強く燃え上がり、全てを冷たく拒み、温かくも弱々しい。人間らしいって悲しくもこういうことだ。
    主人公のお母さん、いいな。

  • 「いまファンタジーにできること」を読んで内容に共感したが、「ゲド戦記」「闇の左手」の著書であることも分かり、グウィンに興味を持った。

  • 世界観をある程度つかむまで、結構難解だった。
    ピンと来ないことが多くて、挫折するかと思ったのだけど、
    おぼろげに分かってくると、やっぱり引き込まれてくるものがる。
    3部作で、ずっと、オレックが主役で進んでいくのかと思ったら、
    彼の話は、1で終わりみたい。
    彼の人生の「序章」的な感があったので、すこし肩すかし。
    しかし、次の「ヴォイス」では、大人になった彼と彼女がより魅力的になって登場。

  • すごくリアルな世界観。
    本を読み終わっても、登場人物たちの物語はまだ続いていくことが感じられるから、え、ここで終わっちゃうの?この続きはどうなるのか知りたい、と思える。
    ギフトをめぐる葛藤。期待される役割と、自分の本質について。余韻のある物語だった。

  • 「ギフト」と呼ばれる特殊能力を持つ民族を描く。
    主人公は強すぎる力を持つとされる少年。
    その力に対する葛藤をベースにして話が進んでいく。

    面白そうな書評があったので読んでみた一冊。
    全体を通してのリズムが面白い。
    また、自分が考える「最悪のシナリオ」とは
    違った結末へ進んでいく過程も面白かった。

  •  作品にただよう素朴で静かな空気感が心地いい。
     穏やかながら物語は雄弁で、登場人物の生活のすぐそばまで分け入って見ているような親近感と説得力がある。
     ル=グウィンのファンタジーには不思議なリアリティがある。魔法や超能力的なものは一つの才能として描かれ、スポーツが得意、料理が得意、といったことと違いはない。物語の中に、実際にはないものが1つ、2つ出てくるというだけのことで、現実世界と確かなつながりを持っている。

  • ゲド戦記のル・グィンが再びやってくれました!
    西のはての高地に住む人たちは、それぞれ何らかの力を持ち、その力をギフトと呼ぶのです。ギフトをうまく操れるようになるまで目かくしをして力を封じられた少年オレックは、自分のギフトに悩み苦悩します。
    「西のはての年代記」3部作の開幕。オレックはその3部作のキーマンです。
    少し暗い色調の絵画のような独特の物語世界はル・グィンの真骨頂だと思います。そして実にリアルに設定された世界観は、民俗学の域に達しています。
    とってもオススメ!!

  • ル=グウィンの新作だ〜っ。しかし、実をいうと始めはあんまりおもしろくないなあっと思いました。当たり前だけどカタカナの一族とかの名前が一杯でてきてなにがなんやらって感じで、これは途中で読むのやめるかも、と。でも、ギフトとはなんなのか、この世界はどうゆう人が生きているのかというのがみえてくるにつれてだんだんだんだんおもしろくなっていった。悲しい結末だったけれど、悲しいまんまじゃなくて。新しいスタートをきった二人はどうなるのだろう?

  • 自分のギフトはなんだろうか?

  • ていねいな物語。この巻の舞台になっているのは、「西のはて」のうちでも、まだ狭い地域に過ぎないけれど、大きな広がりを感じさせる。周りから期待されることではなくて、自分のやりたいこと、できることを選び取ってゆく登場人物たちに拍手。

  • 児童文学の域を超えた、人間の陰をも取り込んだ心理描写。ファンタジーと言う架空の世界を舞台にした、シビアな物語。

  • ゲド戦記に引き続き。
    ほほー。そういうルールですかぁーと。
    最後、何が正しくて正しくないのか考えるけど、2巻以降で判明するかな。

  • ぼくは「母さんはまるで井戸だね」と言ったことがある。母が自分の中に釣瓶を落として引き上げると、いつも桶が物語でいっぱいになっている。

  • 久しぶりにル=グウィンの本を読んで、脱帽。
    ストーリー、構成、登場人物、世界観、どれをとっても完璧と思える。
    これほどバランスの良い作品は久しくお目にかかっていない。
    こういうものを生み出しつづけることができる彼女の能力は、確かにギフトと呼べるものなのかもしれない。

    西のはての国々で起きた物語を綴った三部作。
    ギフトと呼ばれる不思議な能力を持つ人々が存在する世界を舞台に、
    『本』に特別な思いを持つ人たちが切り開くそれぞれの人生、そして出会いが語られている。

    三部作のなかでこの1巻の雰囲気が1番好きかもしれない。
    他2作とは、この作品だけギフトの捉え方が少し違っているように感じられる。
    資源の乏しい土地で原始的な文明生活で暮らす人々が、生存競争を勝ち抜く為に武器としてふるう『ギフト』。
    それは野性的で荒々しく、他者の生命に直接的な影響を及ぼすものが多い。
    得体の知れない脅威の力という印象が強い分、
    ともすれば人の人生を大きく左右してしまう、物語の中での『ギフト』の存在感の強さは
    主人公オレック少年とともに『ギフト』がストーリーを動かす大きな主軸の一つとなっている。



  • 上質なファンタジー。主要人物たちの最終判断がとてもアメリカ的。
    なんか、お父さんがかわいそうでした。そして固有名詞が覚えづらいです。


  • 最初は、地名等が覚えにくくて、読み進みづらかったが
    そのうち、話にひきこまれていく。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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