- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309204673
感想・レビュー・書評
-
イスラエルを舞台にした、ユダヤ人作家の書いた小説。詩的で、メランコリーがあり、繊細な感情の機微を掬い取っているような、不思議な雰囲気の作品だなと思った。
むかし森山未來さんがイスラエルにダンス留学した時の映像(ドキュメンタリー?)を見た時に受けた、埃っぽい感じの町という印象を思い浮かべながら読んだ。
欧州で見かける、黒づくめで不思議な髪形をして帽子をかぶったユダヤ人は、正直少し異様な感じがして怖い。彼らには本当に長い様々な歴史があって、なんとなく謎めいた存在で、何を考えどう生活しているのか興味がある。もっといろいろ読んでみたいなと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彼の地の空と暑熱に、揺れ動く青年の心を重ねた表題作。言葉を捨てた老詩人と、言葉を持とうとあがく息子との日々を静かにつづった「詩人の、絶え間なき沈黙」。いずれも、人間の深い哀しみを詩的に研ぎ澄まされた筆致で描く。イスラエル・ヘブライ文学を代表する作家のこのうえなく哀しく美しい傑作二篇。
ヘブライ文学なんてふれあう機会が中々ないので、書店で見かけた勢いで買ってしまった一冊。話自体は分かりやすいけれども、読むのが大変だった。まず登場人物の名前が全然覚えられない。向こうの常識がさっぱり分からない。実は結構古い作品だから、エルサレムと聞いても自分の持っているイメージと大いに異なる。等等。 どんなに辛くても淡々とやることをしていれば収まるところに収まるといった印象。 -
長編も読みたい。と思ったら訳出されてないじゃないか。許せん。
-
【読了1/26】
片方は忍び寄る絶望と沈黙の中で、
もう片方は気が狂いそうな熱波の中で、悪夢のような時間が淡々と流れている。
精緻な心情描写に、それとシンクロした印象的な情景描写が秀逸。