- Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309205816
作品紹介・あらすじ
あの夢は、私の初めての過激な行為だった-ささやかな野望と、清冽な真摯さ。大反響を呼んだ『私は生まれなおしている』執筆時に書かれたデビュー小説、半世紀の時を経てついに刊行。
感想・レビュー・書評
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文学
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「努力って大切だと思う?」と私は尋ねた。「気持ちを途中で自己修正するとか、自然に変わるのを待たずにあれこれ異なる行動をとるとか、そういうことだけど」
「いいえ」と応じて彼女は言った。「努力なんてどうでもいいと思うわ。優秀であることは大切だと思うけれども。努力して優秀になるのと、努力なしでも優秀なのとでは、後者のほうが到達するレヴェルが高いから。品格としてもそのほうが高い気がするのよね」
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「真実を書くときは自分に向かっていなければならない。書きながら教訓をたれたり説教めいたりするかもしれないが、その場合は、教示や訓戒を垂れている相手は自分しかいないこと、自分の欠点しかないことを忘れてはならない。」
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「1. 自分自身の善意、またはほかの誰のものでも、善意に満足しないこと。
2. 他者がみずから自分のために望まなかったことを、私がその人のために望むべきではない。
3. 他者からの忠告を一蹴すべきではない。
4. 反対や非難を恐れない、だが、忖度と分別のルールを妥当と思われるかぎり遵守する。
5. 所有に価値を見いださず、野望に気を散らされないこと。
6. 自分を喧伝せず、他者に要求もしないこと。
7. 長寿を願わないこと。」
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「私は鎮められることを欲さない。慰められることを欲さない。」
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「いかなる信念ももちたくない。もし自分が何かである(何かを信じている)としたら、行為によってそれを発見したい。信じていることに合致する、あるいは己のありように合致するからという理由で行為のあり方を決めるのは嫌だ。」 -
2013/2/7購入
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圧倒的な筆力の前に読者自身の夢と実生活すら反転させられるという幸福な体験。日本で産声を上げたばかりのこの書物に出会えて、本当によかった。