無意味の祝祭

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 207
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (139ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309206721

感想・レビュー・書評

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  • タイトルからすっかりエッセイだと勘違いして購入しましたが…、クンデラまだ小説書いてたのね。

    ガンになったと友人たちを担ぎ、パキスタン人のふりをする、辛辣で、底抜けに陽気な登場人物たちが魅力的。前立腺肥大でスターリンの長広舌につきあわされ、おしっこを漏らしていたであろう冴えない旧ソ連の将校カレーニンと彼の地名がついたカレーニングラード。死んだあとも10年に1度は目を覚ましてその地名が変わっていないことを確かめたいという台詞に笑いました。たしかに(笑)

    "冗談"や"存在の耐えられない軽さ"に比べると、クンデラの小品的な位置づけになりそうな本作ですが、ヘソへの性愛のもと、反復と唯一の目的に生きる私たちにとって、全人類を嘲笑うような著者の皮肉は貴重ですね。

    ところで、クンデラは処女作から本作まで一貫して官僚化・大衆化し、硬直した社会に冗談で挑んできたのだと思うと感無量です。そろそろ、マジでノーベル文学賞あげてやってください(笑)

  • 小説の中に物語がありその中にまた物語があり……と、このようなプロットの組み立て方の名称を忘れたが、こんな小説を久しぶりに読んだ気がする。

    ミラン・クンデラは名前だけは知っていて、読むのは初めてだったが、少し読んで困惑……大層なことを言いながら糞のことを話しているような……タイトルにもある通り「無意味」「祝祭」とイメージ的に渇いたものと厳粛な会合のような、上手くいえないけど祈り、魂、言葉の重さ、罪、そういうものを神の視点から、いや神というか、ただ上空から冷笑している、という感じだった。
    好きな人は好きかもしれないな、と思う。

  • 無意味な嘘、スターリンのどす黒いユーモア。この世は無意味でできている。生きることとは自分の物語を見出すこと、という陳腐な物語を皮肉る喜劇。必ずしもニヒリズムではなく、世界は無意味であるからこそ美しい、という立場がいい。

  • 特に意味はない、しかし無価値ではない、我々の平凡な人生はそれなりに楽しければ上等。クンデラのシニカルなユーモアがしっかりと感じられる。そんな感想。数人の登場人物の小さいエピソードが薄く繋がり、あらすじというほどのものはない。カリーニンをググると実在していていまだにカリーニングラードだった。

  • 女体を持つ身としては微塵も笑えなくて最悪だった。

  • ・比喩なんだろうけど、スターリンとの関係??

  • 文学

  • この作家と同じ時を生きていることに、ただただ感謝したい。

  • ミラン・クンデラの他の本も読みたい。

  • 無意味の先に意味があるんだけどな。
    20代初期までは、無意味とゆうのにロックされていて、かっこいいと思ったものだけど、
    意味なんてないさ、非常にかっこいいんだけどね。
    でも、泥臭くてカッコ悪い、意味があるとゆうのが良いな
    こういったのは表面上からぬるぬると現れて生まれたものを感じて、やはり、初期の頃の作品の方が良いな

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著者プロフィール

1929年、チェコ生まれ。「プラハの春」以降、国内で発禁となり、75年フランスに亡命。主な著書に『冗談』『笑いと忘却の書』『不滅』他。

「2020年 『邂逅 クンデラ文学・芸術論集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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