問題だらけの女性たち

  • 河出書房新社
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309207391

感想・レビュー・書評

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  • ヨークシャー在住の漫画家、ジャッキー・フレミングが書いてくれたこの絵本を読んでいると、いつのまにかヒクヒクと口角が上がって来る。

    これは、、、何?

    描かれているのは19世紀の女性の事。
    この時代の女性に対する扱いと女性を評した【天才】達の言葉。

    「女性を家の中に閉じ込めておけば、男性のように結果を残すことができないので、女性が生物学的に男性に劣るのも必然」、、、ダーウィンさんのご意見

    「娘たちには人生の初期に挫折させてやる必要がある。そうすれば、男性を喜ばせるという女性の自然な役割がより自然にできるようになる」、、、ルソーさんのご意見

    「男性だけが天才に不可欠である完璧な客観性を備えており、過度に精神的だったり肉体的な労働に女性が向いてないのは体型からも明らか」、、、ショーペンハウアーさんのご意見

    これは、、、怒り?
    いいや、怒りだけではない。
    ブラックな笑いもある。

    キュートでアイロニカルなイラストと文章がめちゃくちゃ好み。
    ただ、男性の天才たちを思いっきりコケにしているので、ちょっと気の毒になって(上から目線で)「誰にでも間違いはあるさ」と声をかけたくなる。

    と、同時に女性たちの苦難を思うとやりきれない怒りで切なくなる。

    10分くらいで読める、本当におとなのための絵本。

    • やまさん
      5552さん、こんばんは。
      フォローありがとうございます。
      5552さん、こんばんは。
      フォローありがとうございます。
      2019/11/05
    • 5552さん
      やまさん、こちらこそフォローありがとうございます。
      これからもよろしくお願いします。
      やまさん、こちらこそフォローありがとうございます。
      これからもよろしくお願いします。
      2019/11/05
    • 5552さん
      mariさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます!

      この本、衝撃でした。
      怒れるやら悔しいやら悲しいやら。
      でもイギリ...
      mariさん、はじめまして。
      コメントありがとうございます!

      この本、衝撃でした。
      怒れるやら悔しいやら悲しいやら。
      でもイギリス仕込みのブラックジョーク仕立てで笑えるんです。

      〉女の人がキラキラしてた方が、じつは男性方も幸せになれるのにね!
      激しく同意します!!!
      2019/11/15
  • これは問題多き本だ。

    その本質は、「家事のしすぎが日本を滅ぼす」と同じ。
    書いてあることは大切だし正しいしそのとおりなのだが、誰よりそれを骨身に刻むべき男たちに、この著者の高度な諧謔を理解する知能があるとは思えない。

    本書ではダーウィン、アインシュタイン、ショーペンハウエル、ルソーといった錚々たる「偉人」たちすら、こと女性に関しては「古今東西の偉人や天才は男ばかり! ホラ男が優秀でオンナは劣等だという証拠がここに!!」などと、ツイッターでクダまいてる連中と大差ないということが明かされるのだが、これを見た日本男児の皆様の反応といったらまず間違いなく、
    「ホラ! 錚々たる偉人が俺らの持論にお墨付きを与えてくれたよ!! やっぱり男は優秀でオンナは劣等ナンダー!!!(嬉←これで己らの搾取酷使差別が正当化された、という思い)」
    となること請け合いであろう。
    だいたい、原題は「The Trouble with women(女性を取り巻く問題)」なのに、邦題が「問題だらけの女性たち」とは何事か。「やっぱりオンナは問題児ナンダー!!!」と、日本男児諸君がウレション垂れること必定ではないか。

    あるいは、日本「よりは」進んだ海外諸国では、これくらいのものが受容されうるのかもしれない。
    しかし日本においては、もっとストレートに女性をエンパワメントし、女性差別の罪を徹底糾弾するようなものでなければ、絶対にいけない。本書すら、さらなる女性差別の道具として利用されてしまいかねないのだから。
    私たちには、本書はあまりにも早すぎた。

    2018/7/4読了

  • タイトルと表紙に惹かれて読んだ。
    問題だらけの女性たち?いったいどんな問題が…わおなるほど、そういう意味か!
    絵・文章ともに風刺がききにききまくってる。でもそれが子気味よく、抑圧されてきた女性たちの、生きようとした必死の抵抗を"ゴミ箱"に捨てられてきた歴史を教えてくれる。
    過去の、どんなに優れ頭のいい著名な男性でも(かなしいかな現代でもまだ)、女性を人間とすら見ていなかったことに呆れるばかりで、逆にいえばそれほど女性蔑視が強固なものだったのだと脱力させられる。
    でもこのセンスよい作風で、怒りに震えすぎるということもなく読み進めることができる。
    最後数ページの風刺のきかせかたも面白かったです。
    いちばん最後のイラストで"ゴミ箱"に閉じ込められなかったことにされていた女性たちが解放されるイラストは痛快。 

  • 歴史的に,女性が社会から期待されていた役割が,かなり偏っていたことが,皮肉たっぷりに書かれている本です.

    この本に書かれているような女性への偏見は,薄まりはしましたが,残っていそうなものもあるかと思います.

    性別関係なく,安心して自然体でいられるような社会になっていくといいなあと思います.

    • はるパパ@ファミコンしようぜさん
      ご無沙汰しております。その後はいかがでしょうか。
      女性問題は、知れば知るほど不平等な実態がわかって、つらい思いになりますね。かく言う私も昭和...
      ご無沙汰しております。その後はいかがでしょうか。
      女性問題は、知れば知るほど不平等な実態がわかって、つらい思いになりますね。かく言う私も昭和生まれで、祖母も母も専業主婦だったせいか、そういった心根がゼロではないということを自覚しています。難しい問題です。
      ちなみに狩猟民の時代は女性上位で、稲作が始まってから男性上位になったと別の本で知りました。これも、興味深い話です。
      2023/09/06
  • 漫画だったのでさらりと読めるが、内容は濃厚。

  • 奇しくも、某医大の女子受験者合格者数操作のニュースが。19世紀なんやなニポン。

  • 女性差別の歴史?を皮肉たっぷりの文章と絵で紹介した1冊。
    絵の感じと、皮肉を交えた文章がイギリスっぽい。
    ただ、実際の歴史をちゃんと知らないと、完全に理解するのが難しい。

  • 痛烈すぎる皮肉!
    昔はこんな理論がまかり通っていたのか。
    それをこんなユーモア混じりに批判できるとは、センスしか感じない。

  • 昔から差別されてきた女性の歴史を皮肉たっぷりに面白おかしく描く。

    イラストも可愛く、言い方もちゃめっけたっぷりなので不快さをそれほど感じずに読めるものの、語られるのはいかに女性が男性に押し込められ、馬鹿にされてきたかの歴史。

    これは多くの人に読んで欲しい!

  • 一見、絵本のようで読みやすいが、次々と列挙される女性の「問題」に憤慨しそうになった。

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著者プロフィール

ロンドン在住。漫画家、イラストレーター。6冊の漫画著作があり、〈ガーディアン〉〈インディペンデント〉等多くの雑誌にイラストを発表している。自身を「フェミニスト漫画家」と呼んでいる。

「2018年 『問題だらけの女性たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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