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- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309222349
作品紹介・あらすじ
近代美術を退廃と決めつけた「美術あらし」は、ドイツ全国の美術品、支持者の美術館長、作者、ユダヤ系芸術家を吹き飛ばし、美術品焼却事件まで引き起こす。ナチ体制が、健全な美術としたものは何か。その退廃と健全を象徴する2つの大展覧会を中心にナチ前夜から戦後までの歴史を詳細に追いながら、笑うことのできない集団心理と、芸術とは何かを問う。
感想・レビュー・書評
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児童ポルノの規制の次は、死の描写の規制が始まる。
表現の自由というのは空気のようなもの。普段はありがたみを感じていないけれど、政府が表現に口を出し始めるとどんどん息苦しくなって追い詰められて行く。
「誰がよい芸術と悪い芸術を決めるのか?」
「それを国家というリヴァイアサンに任せるとどうなるのか」
退廃芸術とされたものの中には日本人が好きな印象派を始め、ピカソなど有名な画家の作品が多くあった。「国民が苦しいときにこんな退廃芸術が税金で購入された」と悪意をもって展示された。
退廃芸術展は盛況で、ナチスの目論見通りの意図で作品は鑑賞されたし、「素晴らしい作品を見る最後の機会」と思って見にきたのは少数派のようだった。
名作は無料で召し上げられ、焼却されたのちに一部は売却された。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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