鹿鳴館を創った男: お雇い建築家ジョサイア・コンドルの生涯

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309223230

感想・レビュー・書評

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  • 小説「東京、はじまる」(門井慶喜)を読了後、補足的に読んだ。小説に登場するジョサイア・コンドルの人生が綴られている。

    先に読んだ辰野金吾の本がかなり建築の専門的な内容だったのに対し、こちらは専門的内容は少なく、ジョサイア・コンドルの人生に重きが置かれていた印象。

    多少、著者の主観が目立つなとも思ったが、建築について素人の身としては読みやすかった。
    執筆当時、まだジョサイア本人と会ったことのある縁の人や親族が存命で、その人たちに取材してコメントも書かれていたのはすごいと思った。

    関東大震災などで無くなってしまった建物も多いが、都内にはまだ結構ジョサイア設計の建物が現存している。
    情勢が落ち着いたらゆっくりと見に行きたい。

  • 建築専門の出版社ではなかったから、建築に対する話が弱かった気がした。渋沢栄一の本を読んでいたおかげで時代背景が明確にわかって助かった。

    文明開化で西欧化が賞賛されてきた時代、イギリス人建築家のジョサイア・コンドルは、日本政府に招かれ、日本で初めて建築学を教えた人物である。初代の教え子に、東京駅を建てたことで著名な辰野金吾や、片山東熊が挙げられる。コンドルが造った建築に鹿鳴館が挙げられるが、この建物は外国の人の駐在所として建てられたのが主な目的であり、実はこの建物は不作らしい。というのもコンドルは、ソーン賞を取ったから日本に招かれたものの、実務経験はほとんどなかったからである。ここに明治政府の焦りが見えると述べられている。

    辰野金吾の言葉が印象に残っている。
    『自分は三つの建築を後世に残したい。その三つとは、中央駅(今の東京駅)、日本銀行、そしてこれから先に建てられるであろう議論する場(国会議事堂)である。』三つの設計に携わったかは、自分はわからないが、東京駅を建てた人としての意気込みが感じられるから印象的だった。

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