- Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309224893
作品紹介・あらすじ
今は読めなくなっていた、差別問題を考える歴史上名高い記念碑的な講演「融和促進」「融和問題に関する歴史的考察」に加え、柳田國男の名論文「毛坊主考」を、独自の視点で一歩深めて発展的に書き継いだ「俗法師考」を収める、待望久しい一冊。
感想・レビュー・書評
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マイナーな「野良の僧侶」がどうたらもやる。
イデオロギーのエンターテインメントにするので、仏教説をとるその僧侶のへぼいのが、全国でいろいろの式次第を担当しかつご本人は分裂してゐると分析する。 -
融和促進のために書かれた論文を集めたもの。解放同盟は融和促進は「毒饅頭」だという考えで排除してきたが、喜田の論文を読むとそれだけでは真の解放を願っていた事が解る。彼は、被差別部落の起源を知る事で差別されるいわれはない事を説き、被差別者も自覚自重の必要性を説く。その上で相親しむことの必要性を説く。
誰と親しくしようと、どこで物を買おうと個人のかってだという無理解者(わからずや)に対しては、「名自が直接に圧迫を加えるつもりでなくとも、間接に立派に損害を与えている」その上で「単に自分の勝手でちかづかぬまでという口実をもって、容易に許されるべき事柄ではない。その責任を追わねばならない」とまで書いている。
大正という時代にこれだけの思想を持っていたとは驚きだ。