闇の摩多羅神

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309224947

感想・レビュー・書評

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  • この川村湊さんという人は、普通の文芸評論家だと思っていたのだが、この本を読んで驚いた。民俗学・歴史学のかなり本格的な著作であり、古文献を渉猟したり、フィールドワークもやったり、既存の他人の論考に批判し論争的な構えも見せたりと、すっかり学者らしい姿を見せているのだ。
    しかしテーマとした「摩多羅神」は厄介だった。明言している文献が少なく、実体を把握するのが極めて困難であり、結局多くの推測をまじえざるを得ない。摩多羅神は、よくわからないのである。この本の各所で「これは摩多羅神と関係あるのか?」というような方向へとしきりに話が飛ぶが、結局曖昧で、五里霧中の手探りという観がある。
    私はほんの少しの知識しかないままにMATARAJINという曲を作ったのだが、
    http://www.signes.jp/textes/index.php?id=799
    曲が完成した直後にようやくこの本が届き、読んでみたけれども、摩多羅神の漠然としたイメージは、あまり変わらなかった。

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著者プロフィール

1951年2月、網走市に生まれる。文芸評論家。1981年「異様なるものをめぐって──徒然草論」で群像新人文学賞(評論部門)優秀作受賞。1993年から2009年まで、17年間にわたり毎日新聞で文芸時評を担当。木山捷平文学賞はじめ多くの文学賞の選考委員を務める。2017年から法政大学名誉教授。
『川村湊自撰集』全五巻(作品社、2015‒16年。第1巻 古典・近世文学編、第2巻 近代文学編、第3巻 現代文学編、第4巻 アジア・植民地文学編、第5巻 民俗・信仰・紀行編)。

「2022年 『架橋としての文学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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