勝海舟の真実---剣、誠、書

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309225494

作品紹介・あらすじ

維新回天最大の立役者の書とは。剛毅、胆略、遠望のひとの、等身大の実像に迫る-。日清戦争が終結したある日、福島県からひとりの教師が、勝に揮毫を求めて屋敷を訪ねてきた。応接した勝は…。剣に学び、禅に学び、父小吉に学んだ誠のひと。その桧舞台・江戸無血開城の舞台裏を、山岡鉄舟のふるまいをあわせうかがいながら徹底追求する、勝海舟実体論。

感想・レビュー・書評

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  • 江戸っ子のヒーロの座を欲しいままにしている海舟だけれど、そのねちっこさとほら吹きぶりが玉にきず。要所要所の大一番で天才的な役回りを演じているように見えるのに、口が災いしているのか、あるいはその「口」でもって造り上げた自作自演の美談なのかが解りにくくなっているのが悲しい。この本の最終章で触れている鉄舟との間のエピソードは知りませんでした。実際のところは解りませんが、こんなことを書かれてしまう海舟にがっかりするやら、可愛そうやら。

  • 幕末の人、勝海舟や西郷隆盛など、当時の偉人たちがやり取りしたりしたためた日記などの書の観点から主に人々のやり取りや幕末の出来事、その際の彼らの心の描写などを紹介している。

    面白かった。勝海舟その人がどのように交渉を進めたかなど、当時の記録を軸にしっかり説明していて、その交渉を臨場感を感じながら読むことが出来た。

    そして、色々とまぁ交渉には手段や手法があるけれど、やっぱり最後に一番大事なことは誠意なんだよ、という辺りは何気にグッときた。やっぱり人間最後はそこだよねぇ。

    あとは、当時に生きる人も、多くは自分のことだけど言うか、組織の中の自分しか考えることが出来ずにいることなんかもなんとなく垣間見えたりして、そんな中で人より一歩も二歩も先を読んで、周りに何と言われようと思われようと唯国のため、国の未来のためと奔走した勝海舟その人は、幕末の偉人だなぁと改めて痛感した。

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著者プロフィール

一九三八年北海道生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。七三年『江戸のデザイン』で毎日出版文化賞受賞。二〇〇八年三月、大量の蔵書を遺し逝去。著書に『ナンセンスの練習』、『円の冒険』『絶対の宣伝 ナチス・プロパガンダ(全四巻)』『荷風の永代橋』『「明日の王」詩と評論』(共著)など多数。

「2018年 『本が崩れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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