- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309225944
作品紹介・あらすじ
中世以前、猿は信仰され、また馬の守り神として飼われ、芸も仕込まれた。が、その信仰の零落とともに猿飼は賎視されるようになった。被差別者全般を視野に入れて取材・探究された、第20回旅の文化賞受賞の著者による、初めての決定的な書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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図書館でサーカスの本を特集している中で異色で手にとった。(他に「書を捨てよ、町に出よう」もあった。)「民衆暴力」を読んで差別問題に注意が向いていたこともある。部落差別を関西の問題と捉えがちだった私にとって、江戸浅草の話が最初に出てきたのが衝撃だった。と言っても、すぐに地方の猿まわしの話になる。穢多と同様の差別を受け、近隣に住んでいるにもかかわらず、職業として独立していた地方も多いこと。猿まわしがいた地方での聞き取り、古文書、地名への考察を通じて、猿が馬の守り神であり、厩での祈祷がそもそもの役割だったこと。諸国をめぐる鑑札を持っていたので、隠密の役目もあったかもしれないこと。医者や呪術者でもあったらしいことなどが書かれている。しかしながら、史実として明記されにくい内容でもあり、特に地名についての考察の部分は著者の憶測にとどまる話も多く、もどかしく感じるた。呪術者が必要とされる一方で差別を受ける構図など、私がこれまで持っていなかった視点に気づかせてくれた点で興味深かった。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60543 -
流し読み。つまらない。
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馬小屋で猿を飼っていた。
かつては猿の肉も食べていた。
非常に興味深い。
昭和30年代まで、日本でも各地に猿回しがいたそうだ -
ややもすれば
見えないところに取り置かれてしまう歴史の一事実を
こうして 丁寧に検証していく労作はもっと評価されるべきだ
我々のすぐ隣にある、いや(残念なことに)あった歴史的事実を
私たちはもっと真摯に学んでおきたい
改めて
「過去に目をとざすものは…」
のワイツゼッカーさんの言葉を胸に呼び起こしたい