サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 5455
レビュー : 423
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

感想・レビュー・書評

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  • ホモ・サピエンスが「虚構」を信じられたからこそ発展できたという観点が面白かった。

  • イスラエルの若き軍事史研究家が書いた本で、おそらくライフワークとして宗教対立や紛争を冷めた目で観察してきた人と思われる。教養系の中では今まで読んだ中で一番面白い本だった。オバマとかも読んでる本らしい。下記、興味深い部分をうろ覚えで。
    曰く、動物は顔見知りとしか意思疎通ができないため群れの最大単位はせいぜい150らしい。いっぽう人間が他の動物と異なり国などの規模なグループを形成することが出来るのは、言語や想像力があるからとのこと。皆で同じものを信じれば、双方顔見知りでなくても集団行動ができるのだ。共通の思想の代表例は宗教である。また男尊女卑のような価値観や人種差別などは基本的には統治のために人為的創り出されたものなので、普遍的な価値観ではないとバッサリ言っていて面白かった。
    また人間は本来果物や木の実を採集する動物だが、途中から麦などの穀物の栽培にはまってしまい、その結果として天候リスクに振り回されたり、また摂取する栄養が偏ったりしており、人間は実は麦によって利用されているのだ、人類は麦の奴隷なのだという話があった。

  • 素晴らしい。これは必読だね。ただしアラ探しになるが進化過程に誤表記。多分参照した資料が古い。

  • ホモ・サピエンスたちは虚構により、生き残ってきた。
    神話という超壮大な作り話によって人々は考えを統一し、協力することが可能になった。
    平等、自由の概念すらも全てが虚構。

    この世は虚構。
    筒井作品みたいだ。

    人類の歴史は、地球の歴史からするとまだまだカスみたいなもの。

    農業革命により人口も増え、暮らしが良くなるかと思いきや幸福度は狩猟採集民の頃より低いということは、テクノロジーが発達し続けている現代にも当てはまる。

    便利すぎるが故に忙しすぎる。

    自分の祖先を遡って行くと7万年前のとあるホモサピエンスにたどり着くのだろうかと、思いを馳せながら読んだ。

  • 予想外に軽くて面白かった。歴史のPhDが一般人向けに書いた歴史人類文化考察という感じ。なんとなく参考書的な装丁で小難しいような前評判を聞いていたが、ところがどっこい大変柔らかく字も大きくてサクっと短いです。まぁ、そこらへんの教科書にのっているような基礎知識は割愛されていて話が早くテンポがよくて読みやすい。主役はサピエンス、本著ではネアンデルタールは別種扱いされているが、今の所はホモ(ヒト属)の基種がサピエンスでネアンデルタールは亜種やと思うんだが、ま、諸説あり。ともかく、著者が生きるユダヤ世界から見ている立ち位置なので日本語への翻訳は大変だったろうと思う、所々原文が気になってしまった(ヘブライは読めんけど)。面白かったのはサピエンスが種として勝ち残った勝因を”虚構を創作する能力”を持っていたと言及しているところ。日本では古事記や日本書紀で書かれているように外来のヤマトが在来の王たちを東征してくときに”嘘”をつける能力が力の差となったのは誰でもしっているが、もしかしたら日本神話はサピエンスに負けたネアンデルタールの記憶伝承なんかもしれん、、、、な〜〜〜んてな妄想を抱きました。文書化したのは和銅5年とはいえ、内容は口承伝承なわけなんだから、実は28万年前の話かもしれん。
    下巻が楽しみです。

  • タイトルが、中々学術的な雰囲気ではあるが、中身は基礎的。非常に理解しやすいし、面白い。ベストセラーになる理由が分かります。それと、「人類の進化を、こう言う風にひも解くのか」刮目させられます。ためになります。

  • ヒトはどこから来て、どこへ向かっていくのか。壮大なテーマで、膨大なリサーチをもとに書かれた本。生き物としての人間の進化と、文化人類学、歴史学、生物学、そして幸せはどうやって感じられるのかという倫理学的なテーマに移っていく。
    よくこんな本書いたな~というのが素直な感想。これだけ散逸するテーマを纏めた本書は、まだ若い著者の人生の集大成に違いない。読むだけでも、爽快な達成感が得られる。
    上巻のネアンデルタール人の箇所が面白かった。「~だろう」ではなく、断定的な文章が印象的だ。下巻のヨーロッパ人がどう帝国を築いたかも、読みごたえがある。
    かつてネアンデルタール人や大型動物を絶滅させたホモサピエンスが、将来は絶滅させられるのだろうか?サイエンスや歴史が好きな人にお勧めの本である。

  • 文句なしに面白い.人類が小麦の栽培という農業革命によって進歩を遂げたというのは異論のない統一見解だと思っていたが,実はそうではなく,逆に小麦に隷属されるようになった,という説が目から鱗.我々は穀物にとっては,植物の花粉を運ぶ昆虫のような役割らしい.単一作物に頼るようになったおかげで,不作の影響をモロにかぶるようにもなった.
    食べ物に火を通すようになって毎日の食事時間の合計が1時間に収まるようになったおかげで,生ものを食べるために毎日食事に5時間かかるチンパンジーと,他の活動に充てる時間が圧倒的に違うこと,帝国の繁栄が被征服民への搾取に依存していること(考えなくても当たり前の話だが,復古主義がナンセンスな理由にもなるだろう),など.
    下巻も楽しみ.

  • ホモ・サピエンス以外の生物の生活の変化は、進化に伴って起こるのに対し、ホモ・サピエンスの生活の変化の速度は、進化の速度をはるかに上回っている、という観点は、非常に素晴らしいと思います。

    ホモ・サピエンスのもつ社会性と攻撃性は、その存在や思考が抱えている矛盾の際たるものだと思います。

    果たして、我々ホモ・サピエンスは、どこへ向かっていくのか。
    生物の一種であるがゆえに、絶滅からは逃れられないと思いますが、せめて破滅には向かわないでほしい、そう願っています。

  • ヒトと他の生物を分けるものは、ヒトが創り出す「虚構」にあった。人文科学と自然科学を行き来して、ヒトがどの様に自然界の頂点にのし上がりながら、虚構世界の中で如何に悪戦苦闘しているかを忠実に描く。平易な文章と豊富な具体例も、読者の理解を助ける本書の魅力。

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著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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