サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
4.33
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本棚登録 : 3523
レビュー : 309
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226729

感想・レビュー・書評

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  • 上巻は評判ほどではないと感じてしまったが(というのも先に読了していた銃・病原菌・鉄と内容が似ていたからだったが、後に著者のハラル氏がジャレド・ダイアモンド氏に影響を受けたと知り合点した)、下巻にかけて著者の考察の深さ、これまでの自分の人生に於いて疑問に感じていた点に関する一つの答えが記載してあり、読んで本当に良かった。

    現生人類であるホモ・サピエンスの全史を、認知革命・農業革命・科学革命の3つの変化という切り口で、なぜ数多くいた動物の中でサピエンスが支配者として君臨する事が出来たのかという点が、様々な分野(生物学・心理学・社会学等)での実験結果を交えながら説明してあり分かり易かった。

    色々と感銘を受けた箇所はあるが、自分が特に感銘を受けたのは以下2点。

    ①認知革命で、共通の虚構・神話を共有する事でサピエンスは見知らぬヒト同士でも柔軟に協力する事が出来、その協働する能力こそがヒトと動物を支配する側・支配される側に分けた要因。動物の中にも協力する種はいるが、あくまでも特定の数の限られた集団(家族・血族)の中だけで、それに対してヒトは宗教や貨幣・帝国といった共通の虚構で集団として一体感を持ってまとまる事が出来た。逆に言うと、歴史上の独裁者は、被支配側に纏まらせない事で独裁体制を維持出来ていたというのは非常に興味深かった。

    ②数万年にも及ぶヒトの歴史の中で、一歩一歩科学が進歩してきたが贔屓目に見ても過去数百年での進歩がそれまでの数万年に比べても群を抜いて飛び抜けているのはなんでなんだろうと漠然とした疑問を感じていたが、その答えとして、⑴中世までは宗教が世の中を支配しており、その体制下ではヒトには知らないことはなく、全知全能の神は全てを知っており、つまりわからないことは全て聖書にあり、逆に聖書に書いてないことは重要ではないという価値観だった事(つまり、知的好奇心が生まれない体制だった)、⑵ところが、その後、ルネサンスによるキリスト教絶対主義からの脱却、アメリカ大陸の発見により、世の中にはヒトがまだ知らない事が存在するという概念が生まれ、大航海時代と共にヒトの知的好奇心が爆発し、そこから科学革命が生まれた事、⑶その後の帝国主義・資本主義と密接に関係する中でヨーロッパを中心に科学発展があった事、⑷アジアやアフリカではなく、ヨーロッパを中心に発展したのは、科学の発展は安定した政治体制や法制度、財産権の保護などの制度の上にのみ成り立つものであった為、近代以降にヨーロッパを起源に急速に発展した。

    2018年のBook of the yearでした。

  • 2017/03/27 初観測

  • 上巻では認知革命や農業革命について語られていましたが、下巻は主に科学革命について語られています。無知の知と新しいものを知りたいという精神から人類は更に前に進み始め、新しい知識や技術欲しさに積極的な投資がはじまり科学が発展していく。そして人類は今までにない規模の繁栄を享受するようになった。読んでいてとても面白かったです。

  • 歴史
    サイエンス

  • 巷では評判の高い本だが、そこまでの評価が妥当であるか疑問に思えた。
    哲学書、啓蒙書に類されるのかもしれないが、どちらかというと筆者の随想に近いように思える。
    ヒトが、コミュニケーション能力を手に入れ、これまで与えられた環境の中で驚異的な発展を実現してきたが、これからは与えられた環境自身を変えていこうとしていると言うことに対する警鐘を鳴らしているのがその論旨か。
    ただ、論旨に対する証拠の示し方が不十分な様に感じた。

  • 評判通りの最高の1冊。虚構を操る力がサピエンスとそれ以外の生物を分かちた大きな理由。そんな事を思いながら、サンタはそっとプレゼントを置くのです。

  • 上巻を読んで、すぐさま下巻も読み切りました。やっぱりおもしろい!歴史を起こったことベースで事実だけ暗記してテストするなんてもったいないなと思わせるような、「なぜそうなったのか」「どこがポイントなのか」が明確になった文章とテンポよく時代が変わっていくことで非常にワクワクする内容でした。中学校で歴史の先生がこれだけ語れたら、歴史好きはもっと増えるんじゃないのかな。そして、自分たちの方向性はそれぞれがしっかり考えていくべきだなと思いました。

  • 上巻は人類の発生から中世~近世にあたる頃までを俯瞰してみていたのだが、下巻は経済活動が活発な時代となって、宗教、科学の存在が大きくなり、ここにかなりの章がさかれている。
    相変わらず高い視点から様々な事象をユーモアを交えて掘り下げられてはいくのだが、話がどうしても複雑になってしまい、上巻のようなテンポよく人類史の表層を浮き彫りにしていくような軽快さはなくなっている。

    とはいえ、ここま広範に人類史を描いた本は初めてで、興味深く、そして楽しく読めた。
    是非、次作「ホモデウス」を読んでみたい。

  • 偶発性にもとづいたホモ・サピエンスの歴史を人間のハードウェアとしての側面から分析した名著.
    誰しも読んで損はない.

  • これもまた面白い。サピエンスの未来まで。
    宗教の定義を超人間的な秩序よ信奉に基づく人間の規範や価値体系とするなら、資本主義やらのイデオロギーも宗教。歴史は二次のカオス系で予想が結果に影響する、自然は一次のカオス系で予想は結果に影響する。進歩するという心情が資本主義とマッチングしてここ数百年の発展があった。産業革命はエネルギー変換の革命であった。熱を運動エネルギーに変換したり。時報から始まるニュースの原点(共通の時間)などの話も面白い。そしてサピエンスがどこに行くか。

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著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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