サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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レビュー : 297
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226729

感想・レビュー・書評

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  • 19章の幸福論が興味深い。
    仏教がフォーカスされている。

  • HOMO DEUSを一冊読めば足りる。
    ・激しい議論は今なお尽きないが、最も有力な答えは、その議論を可能にしているものにほかならない。すなわち、ホモ・サピエンスが世界を征服できたのは、何よりも、その比類なき言語のおかげではなかろうか。
    ・七万年前から三万年前にかけて見られた、新しい思考と意思疎通の方法の登場のことを、「認知革命」という。
    ・まったく存在しないものについての情報を伝達する能力だ。見たことも、触れたことも、匂いを嗅いだこともない、ありとあらゆる種類の存在について話す能力があるのは、私たちの知るかぎりではサピエンスだけだ。
    伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。

  • 現生人類であるホモ・サピエンスは、認知革命で他の人類種と差をつけ、農業革命で繁栄し、科学革命でそれまでの限界を越えて急拡張した。

    特に前半の認知革命がおもしろかった。認知革命とは、虚構を信じることで協力し合えるようになったこと。宗教、国家、通貨…などは、物理的に実態がなかったり、ただの金属だったりするが、共通に信じることで、会ったこともない人とも大きなコミュニティを作れ広く協力できる。
    ネアンデルタール人はそれがなかったためにホモサピエンスに敗れた。

    全体的に筆者の切り口が新鮮。

    以下は上巻も含めた読書メモ:


    1部 認知革命
    1章 唯一生き延びた人類種
    人類種の中で唯一生き延びたのがホモ・サピエンス。
    ヨーロッパにいたネアンデルタール人は、体が大きく環境に適応していた。ネアンデルタール人の一部のDNAがサピエンスに残っている。

    2章 虚構が協力を可能にした
    サピエンスは、会社、宗教等、現実にないことで協力し合うことができた。それが認知革命。
    認知革命以前のすべての人類種の行為は生物学に属していたが、認知革命以降は歴史と呼ぶ。

    3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    農耕以前。
    いろいろなものを少しずつ食べるしかないので、農耕以後の特定の食べ物(米とか)をたらふく食べるのより豊かだった。
    アニミズムは一つの具体的な宗教ではない。

    4章 史上最も危険な種
    サピエンスが移住すると大型動物は絶滅する。オーストラリア大陸の大型有袋類、シベリアのマンモス、アメリカ大陸のサーベルタイガーや大型のナマケモノ…

    2部 農業革命
    5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    サピエンスは小麦を栽培化したのではなく、小麦に家畜化された。狩猟をしていた頃より惨めな暮らし。
    種の進化上の成功はDNAの複製の数で測られる、たとえ生活水準が落ちても。農業革命で以前より劣悪になったがより多くの人を生かすことになった。
    贅沢品は必需品になり新たな義務を生む。
    家畜化されたニワトリと牛はこれまで生を受けた生き物のうちで極端なまでに惨め。

    6章 神話による社会の拡大
    キリスト教や民主主義、資本主義といった想像上の秩序を信じさせることにより、見知らぬ人どうしが協力する。
    共同主観的
    想像上の秩序から逃れる方法はない。

    7章 書記体系の発明
    不完全な書記体系=税制等の数理的データの記録←→話し言葉
    完全な書記体系
    新しい不完全な書記体系=アラビア数字の発明
    コンピュータ処理の二進法の書記体系

    8章 想像上のヒエラルキーと差別
    想像上のヒエラルキーは悪循環でさらに拡大する。
    生物学的な性別(セックス)と社会・文化的な性別(ジェンダー)
    農業革命以降の人間社会で女性より男性を高く評価する理由は何か。

    3部 人類の統一
    9章 統一へ向かう世界
    人工的な本能のネットワークを「文化」という。
    平等と個人の自由は互いに矛盾する。フランス革命以降の政治史はすべて、この矛盾を解消しようとする一連の試み。
    全世界と全人類を想像できる普遍的秩序 貨幣←貿易商人、帝国←征服者、普遍的宗教←預言者

    10章 最強の征服者、貨幣
    物々交換には限界 貨幣は簡単に安価に富を他の物に変えたり保存したり運んだりできる。
    貨幣は最も普遍的で、最も効率的な相互信頼の制度。
    宗教的信仰に関して同意できないキリスト教徒とイスラム教徒も、貨幣に対する信頼に関しては同意できる。宗教は特定のものを信じるように求めるが、貨幣は他の人々が特定のものを信じていることを信じるように求めるから。

    11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国の定義は、文化的多様性、変更可能な国境
    紀元前200年頃から人類のほとんどは帝国の中で暮らしてきた。帝国を悪だと否定しても、その前の非征服者も帝国だった。


    12章 宗教という超人間的秩序
    宗教は超人間的な秩序の存在を主張する。
    宗教は超人間的秩序に基づいて規範や価値観を確立し、それには拘束力があると見なす。

    多神教、一神教
    善と悪の二元論
    混合主義
    人間至上主義の宗教 自由主義的人間至上主義 社会主義的人間至上主義 進化論的人間至上主義

    13章 歴史の必然と謎めいた選択
    歴史はどの時点でも分岐点、人間に利益のためになされるのではない。

    4部 科学革命
    14章 無知の発見と近代科学の成立
    科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合にのみ栄える。イデオロギーは研究の費用を正当化するのと引き換えに、科学研究の優先順位に影響を及ぼし、発見された物事をどうするか決める。

    15章 科学と帝国の融合
    科学は社会構造、社会組織と結びついて発展する。西洋以外にもテクノロジーの発明はあったが西洋は資本主義があって勝利した。
    科学者は帝国主義の事業に道具を与へ、帝国は科学者に援助した。

    16章 拡大するパイという資本主義のマジック
    奴隷貿易
    暴走した資本主義

    17章 産業の推進力
    産業革命 熱を運動に変えた 蒸気機関
    農業の工業化
    消費主義
    投資せよ! 買え!

    18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
    近代産業は時計、時間表が必要
    家族と親密な地域コミュニティの衰退
    想像上のコミュニティ
    これほど平和が広がった例はない。

    19章 文明は人間を幸福にしたのか
    幸福とは何か。幸福=主観的厚生
    心理学者は質問票を記入してもらい調べる。生物学者は単に脳内のセロトニンの濃度だとする。
    仏教では外部の条件でもなく、内なる感情の追求もやめ、あるがままを受け入れることによる安らぎ。
    歴史書は各人の幸せや苦しみにどのような影響を与えたかに言及していない。

    20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
    人類は遺伝子操作などで新しい生命を作れるようになった。技術的には新しい人類も作れる。
    サイボーグ 有機的な器官と非有機的器官を組合せた生物

  • 人類が科学を軸に進化を加速した。
    そこには、貨幣、宗教、帝国主義が強い影響を与えた事実がある。

    これまでの価値観、固定観念から視野が広がった気がする。ホモ・サピエンスはどこに向かうのか?

  • 個人的には上巻より下巻の方が面白かった.
    特に,地球上のエネルギーはいずれ枯渇するという話はまやかしだという内容は衝撃的だった.たしかに言われてみれば太陽エネルギーや月の引力による波の満ち引きなど,永久に使えるエネルギーは十分にある.我々はテクノロジーで無限に発展し続けられるのだと思わされた.

  • ★3.5
    下巻のメインとなるのは“科学革命”で、より現代に近づいてくる。中でも、大航海時代のヨーロッパとアジアによる、侵略・征服への意識の違いが印象深い。今の時代でも、外国人の方が新しい物事に尻込みしないようなイメージがあるので、様々な要因に加えて好奇心の強さも影響していたのかも。また、上巻の続きとなる“人類の統一”の宗教に関する章での、一神教と多神教の違いも興味深かった。が、上巻の“農業革命”が面白さのピークで、個人的に下巻はそこまでハマれなかった。未来を見据えた超ホモ・サピエンスも、あまりピンと来ず。

  •  下巻は、「認知革命」「農業革命」に次ぐ「科学革命」を繙く。それは、

    「人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答えを知らないという、重大な発見だった。」

     さらに科学は、この無知を克服し、「進歩」という考え方をホモ・サピエンスに植え付け、やがてその考え方が、経済に取り入れられるから、さあ大変。
     今は、永遠の進歩を信じて、あらゆる面で拡大の一途をたどる。

    「だが、経済のパイは永遠に大きくなり続けることが可能なのだろうか?」

     これは誰か(神?!)が仕組んだ罠か、壮大な詐欺か、あるいは「人間の驚くべき想像力の賜物」なのか。その答えを見極めたい欲求もあり、知らずに人生を全うしたい気持ちもあり、実に複雑な読後感。

  • 上巻ほど面白くないが、読みやすいのは確か。
    19章と20章はなかなか良い。

  • 上巻で満足したので、下巻はとりあえず速読した。時間が出来たらまたゆっくり読もう。

  • 下巻についてはあまり内容を覚えていない、、、
    また読み直ししよう、、、

著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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