サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
4.33
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レビュー : 307
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226729

感想・レビュー・書評

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  • 【気になった場所】

    人類を統一する要素
    =貨幣+帝国+宗教

    宗教の役割
    →想像上の社会秩序とヒエラルキで支えられた脆弱な社会構造に、超人間的な正当性を与えること

    農業革命以降の神々の役割
    →人間と口の利けない動植物との仲立ちをすること
    例)
    アニミズム

    多神教の特質
    →世界を支配する至高な神的存在は関心や偏見を欠いているため、人間のありきたりな欲望や不安や心配には無頓着
    →あらゆる欲望を捨て、善きものと悪しきものを受け入れる存在

    多神教から一神教が生まれる
    →多神教の中から自分に関心を持つ守護神を唯一の神として信じ始める
    →東アジア以外の人々は、何かしらの一神教を信奉し、グローバルな政治秩序は一神教の土台の上に築かれている

    仏教の中心的存在は神でなく人間(ゴータマ)
    →人間の欲望の渇愛に対し、心を鍛錬する瞑想術を開発
    →ゴータマ自身も苦しみから解放され仏陀に
    →苦しみを生む渇愛から解放されるには、心を鍛え現実をあるがままに経験する法則(ダルマ)

    ◯◯主義も宗教の一つ
    →どちらも超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範や価値観の体系という点で共通

    人間至上主義の宗派の違い
    →人間性の定義が異なる
    ・自由主義的→個人一人ひとりに宿る
    ・社会主義的→個人でなく集合的なもの
    ・進化論的→人類は人間以下の存在or超人に進化することもある

    ナチスの野望と誤り
    ・人類を退化から守り漸進的進化を促すこと
    →アーリア人種は優遇、ユダヤ人は皆殺し
    →実は人類の系統に大きな違いはないと遺伝子的に立証される

    歴史を研究する目的
    →視野を広げ、現状が自然でも必然的でもなく、想像以上に可能性に満ちていることを理解するため

    文化は一種の精神的感染症または寄生体で、人間は図らずもその宿主になっている

    科学革命=無知の革命
    →集団的無知を公に認める

    科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合にのみ栄える
    →イデオロギーは研究費を正当化するため
    →イデオロギーが科学研究の優先順位に影響を及ぼし、発見された物事をどうするか決める

    信用=今日と明日のパイの差

    アダムスミスの資本主義
    =自分の利益を増やしたいという人間の利己的な衝動が全体の豊かさの基本になる
    →利己主義が利他主義になる
    →人類史上屈指の画期的な思想

    資本主義の掟
    →生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない

    自由市場資本主義の欠点
    =利益が公正な方法で得られることも分配されることも保証できない

    自然は決して破壊できない
    →実際は破壊でなく変更
    →人間が絶滅しても、残る種属は存在する

    家族など親密なコミュニティは衰退し、その感情的空白は想像上のコミュニティに委ねられる

  • 人類が科学を軸に進化を加速した。
    そこには、貨幣、宗教、帝国主義が強い影響を与えた事実がある。

    これまでの価値観、固定観念から視野が広がった気がする。ホモ・サピエンスはどこに向かうのか?

  • 個人的には上巻より下巻の方が面白かった.
    特に,地球上のエネルギーはいずれ枯渇するという話はまやかしだという内容は衝撃的だった.たしかに言われてみれば太陽エネルギーや月の引力による波の満ち引きなど,永久に使えるエネルギーは十分にある.我々はテクノロジーで無限に発展し続けられるのだと思わされた.

  • ★3.5
    下巻のメインとなるのは“科学革命”で、より現代に近づいてくる。中でも、大航海時代のヨーロッパとアジアによる、侵略・征服への意識の違いが印象深い。今の時代でも、外国人の方が新しい物事に尻込みしないようなイメージがあるので、様々な要因に加えて好奇心の強さも影響していたのかも。また、上巻の続きとなる“人類の統一”の宗教に関する章での、一神教と多神教の違いも興味深かった。が、上巻の“農業革命”が面白さのピークで、個人的に下巻はそこまでハマれなかった。未来を見据えた超ホモ・サピエンスも、あまりピンと来ず。

  • 19章の幸福論が興味深い。
    仏教がフォーカスされている。

  •  下巻は、「認知革命」「農業革命」に次ぐ「科学革命」を繙く。それは、

    「人類は自らにとって最も重要な疑問の数々の答えを知らないという、重大な発見だった。」

     さらに科学は、この無知を克服し、「進歩」という考え方をホモ・サピエンスに植え付け、やがてその考え方が、経済に取り入れられるから、さあ大変。
     今は、永遠の進歩を信じて、あらゆる面で拡大の一途をたどる。

    「だが、経済のパイは永遠に大きくなり続けることが可能なのだろうか?」

     これは誰か(神?!)が仕組んだ罠か、壮大な詐欺か、あるいは「人間の驚くべき想像力の賜物」なのか。その答えを見極めたい欲求もあり、知らずに人生を全うしたい気持ちもあり、実に複雑な読後感。

  • 上巻ほど面白くないが、読みやすいのは確か。
    19章と20章はなかなか良い。

  • 上巻で満足したので、下巻はとりあえず速読した。時間が出来たらまたゆっくり読もう。

  • 下巻についてはあまり内容を覚えていない、、、
    また読み直ししよう、、、

  • ・地図に白い部分があると認めた→知らない部分を知りたい、地図を埋めたい、という欲求

    ・信用 (credit)とは、今日のパイと明日のパイの大きさの差

    ・瞑想するときには、自分の心身を念入りに観察し、自分の感情がすべめ絶え間なく起こっては消えていくのを目の当たりにし、そうした感情を追い求めるのがいかに無意味かを悟る。

    ・自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか。

著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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