サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
4.33
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レビュー : 306
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226729

感想・レビュー・書評

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  • 2018/8/18 読了

  • 図書館から先に届いた下巻から読みました。

    別の本で、欧米の帝国主義が、アジアの国々をどのように侵略したかを読んだので、帝国主義と資本主義の結びつきを論じる本書の見方は、こういう視点から歴史を見ることができるのだと新鮮でした。

    人間が幸福を感じるのはホルモンのなせる技というのは、身もふたもない指摘ですが、これからの人生に少なからず影響を受けそうです。
    他人と同じ体験をしなくても、自分が幸せと感じることをするのが、結局は幸せなのでは…と思いました。

    科学技術の進歩が人類に何をもたらすかは分かりませんが、必ずしも幸福にのみ結びつくものでないことは、身近な例を考えても、思い至るところがあります。

    歴史だけでなく、今後の人生の新しい視点を示唆してくれる点では、一読に値する本です。

    上巻と「ホモ・デウス」も読んでみます。

  • 【幸福感】
    最後は幸福の問題となっています。

    現代は少し変化の兆しはありますが、まだ仕事という「苦痛の対価」としてお金を得ている状態です。

    近い将来には「昔は仕事という労働の対価として給料をもらっていたんだよ」と孫に言っているような光景があればいいのですが。。。

    ただ、人は相対的な優劣で幸福を感じると思います。目に触れるまわりが同じように貧しい状態であれば、人は劣等感を感じることはありません。
    しかし、目に触れるまわりに優劣が生じると下のものは劣等感を感じます。たとえ、絶対値で見れば世界的に頂点に近い位置にいても、まわりの人間が自分より上にいれば幸福感は薄らぎます。

    世界的にみれば、日本人に生まれただけで頂点に近い方に位置することを認識すればよいのでしょうが、やはり目に触れる範囲でも優劣あるためどうしても下に位置する人間は幸福感が少なくなります。

    世界中のより貧しい人をみて幸福感を増すというのも変な感じですが、貧しい国に行き、まわりより裕福に暮らすと幸福が増してしまいます。

    幸福感は人の感じ方により決まります。感じるというのは絶対的なものではなく相対的にしか感じることができません。したがって、どうしてもまわりとの相対的な尺度になってしまいます。

  • 図書館の関係で下巻を先に読んだ。
    宗教、科学革命、資本主義、幸福論、超人間について

    歴史自体を論じる本というより、歴史を題材にして人間を動かして現在の状態を作り上げた各種の動きを考察するという内容。

    名著である

  • サピエンス全史 下
    文明の構造と人類の幸福
    ユヴァル・ノア・ハラリ
    2019年5月4日読了。

    サピエンス全史の下巻。第12章〜20章
    主に近現代の科学革命と帝国、資本主義、文明、そして幸福とは何かについて言及した一冊。
    7万年前から続く人類の未来について。科学革命によって人類はどう進むのか。

    広い視野で物事を考えることのきっかけとして、宗教や資本主義や幸福論について思考を巡らす入口として本書は様々な歴史的事実と見方を提供してくれる。
    そこには正解はないし、人によって千差万別かも知れないけども読んでおいて損はない一冊。

  • サピエンス全史、下巻は、より近代にフォーカスしたストーリー。特に科学が人間に与えた影響について語っている。

    近代、この2〜3世紀程度で、世の中は産業革命が起こり、大きく変わった。エネルギーを、人の身体を使わずに、より効率的に、爆発的に増やす方法を見つけることに成功したからだ。
    それが、蒸気の力を使う発見であり、石炭、石油、そして新たな太陽光のような自然エネルギーを使うといういまの流れを作っている。私には、産業革命とは結局なんだったのか、がピンときていなかったが、つまりエネルギー革命なのか、と理解できたことがとても面白かった。

    また、近代ヨーロッパでは、科学を推奨するが、それは帝国主義と相性が良かったことが功を奏している。なぜ自然科学や言語学、医学の進歩に投資したのか?それは帝国主義で、まだ未知の世界を掌握したいという探究心を時の権力者が持っており、その考え方と科学者たちの考え方が合っていたこと、そして発見の結果、帝国主義へ還元できるものが大きかったことがあげられるそうだ。
    最近、インドの最も古い図鑑類を見に行ったが、まさにイギリス植民地時代に作られており、このヨーロッパの科学志向が反映された結果となっている。

    そして、地球の地図が明らかになり、科学の進歩により、結局略奪により国を支配するより、知的な人間をいかに確保するかが大事な世の中となった。だからこそ、お互いに取引をして投資をする平和のほうがベネフィットがうまれ、ここ数十年は人類史上最も平和な時代になっている。そして、究極的に資本主義として全員が消費者になるゆえ、「個」の時代となった。

    では、幸せになったのか?人はゲノム工学で人間すら作り変えられるようになってきているが、なにを望んでいるのか?その本質が問われる時代となっている。

    沢山の生物を意図せずに絶滅に追い込み、強奪し、また家畜類を交配による遺伝子操作で大人しくさせ、太らせてきた人間。そして、最近の研究では、動物たちにも感情があることがわかっている。そういう生物達を犠牲にして生きている現代。さらに遺伝子操作により、サピエンスを超える何かを作り出しかねないいま。

    地球で、私たちは一体なんのために生きているのか?それを問われると感じる一冊だった。
    上下巻、本当に、読んで良かった。

  • 「自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?」

    普段こういったジャンルを読まないので推測だけど、様々な学問分野を跳び回って纏め上げ、専門家でなくても読み物として面白い(面白いと思うか冗長だと思うかは好みで分かれそうだけど。私は面白かった)だけでなく、「じゃあ科学の発展とは、資本主義とは、幸福なんだろうか?」という問いを加えたところが新鮮なのだろうなぁ。
    自分が幸福だと感じていると思っていても、為政者や高所得者にとって都合のいい社会を保てるよう幸福だと思わされているのかも知れない。
    無自覚だったことを色々と自覚できる本だった。
    次のも読もうー。

  • サピエンスは短期間で繁栄を極めました。「農業革命」によって食料を大量生産できるようになった結果、多くの個体が生存できるようになり、資本主義と「科学革命」により、爆発的な成長がもたらされました。

    これによって人類は幸福になった、と結論づけるのは早いと筆者は言います。確かに人類が扱える食料やモノは過去と比べ物にならないほどに多い。しかし、農業革命のせいで一般的な個体は長時間労働を強いられますが、それに見合った報酬は配分されず、狩猟採集時代よりも生活の質は下がったと言われています。現在も貧富の差は続いています。

    そして今後、遺伝子工学やコンピュータサイエンスによって、現在の概念では到底理解できないような(あたかもネアンデルタール人がハムレットを見るような)変化が訪れるかもしれません。それは続編「ホモ・デウス」に期待ということで。

  • ホモ・サピエンス=取るに足らない動物がなぜ現在に至るまで生き延び過去類を見ない程に繁栄することになったのか、という仮説が面白い。

  • 2017/03/27 初観測

著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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