サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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レビュー : 307
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226729

感想・レビュー・書評

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  • 今までの人類が歩んできた歴史を一気に読むことができ、視野が広がる感じがします。まあまあ長いですが、難しい言葉も少なく読みやすくまとめてくれているのでありがたいです。今までの歴史から今後科学が進歩していった先の予測をみながら、今後自分が何を望むのか、考えるいい機会になりました。

    今の世の中ってどうなんだろう?これからどうなっていくんだろう?みたいな不安のある人とか、歴史と比較しながら考えられるのでいいかと。幸福についての研究や考察もためになります。

    個人的には今より長生きができるように医学が進歩するまで健康に過ごして、できるだけ先の未来まで観てみたいなあと思いました。

  • 上巻に続き面白かった。

  • 2018/8/18 読了

  • 図書館から先に届いた下巻から読みました。

    別の本で、欧米の帝国主義が、アジアの国々をどのように侵略したかを読んだので、帝国主義と資本主義の結びつきを論じる本書の見方は、こういう視点から歴史を見ることができるのだと新鮮でした。

    人間が幸福を感じるのはホルモンのなせる技というのは、身もふたもない指摘ですが、これからの人生に少なからず影響を受けそうです。
    他人と同じ体験をしなくても、自分が幸せと感じることをするのが、結局は幸せなのでは…と思いました。

    科学技術の進歩が人類に何をもたらすかは分かりませんが、必ずしも幸福にのみ結びつくものでないことは、身近な例を考えても、思い至るところがあります。

    歴史だけでなく、今後の人生の新しい視点を示唆してくれる点では、一読に値する本です。

    上巻と「ホモ・デウス」も読んでみます。

  • 認知革命、虚構を信じるという能力。
    農業革命、詐欺と、貨幣という虚構の拡大。
    科学革命、資本主義と科学と帝国の連携。
    そして、虚構は世界中のスタンダードに。幸福すらセロトニンによる幻想だ。
    サピエンスの歴史はダイナミックな虚構であり、まだその幸せの本質を誰も知らない。

  • とにかく壮大なスケールで描かれた人類史。上巻のテーマは「我々はどこから来たのか」だとしたら、下巻は「我々はどこに行くのか」であろう。宗教から生物学、医学、歴史、金融、とにかくあらゆる事柄を検証しながら考察する。この作者の引き出しの多さ、深さに敬服。(例えが絶妙に上手いので理解が進みやすい。)なかなかここまで知的好奇心をくすぐられる作品も無いなぁ、という感じ。不死は無理でも非死は可能だろういう説が本当であれば、数百年後の人類はどうなっているのか。面白い、本当に面白い。

  • 【気になった場所】

    人類を統一する要素
    =貨幣+帝国+宗教

    宗教の役割
    →想像上の社会秩序とヒエラルキで支えられた脆弱な社会構造に、超人間的な正当性を与えること

    農業革命以降の神々の役割
    →人間と口の利けない動植物との仲立ちをすること
    例)
    アニミズム

    多神教の特質
    →世界を支配する至高な神的存在は関心や偏見を欠いているため、人間のありきたりな欲望や不安や心配には無頓着
    →あらゆる欲望を捨て、善きものと悪しきものを受け入れる存在

    多神教から一神教が生まれる
    →多神教の中から自分に関心を持つ守護神を唯一の神として信じ始める
    →東アジア以外の人々は、何かしらの一神教を信奉し、グローバルな政治秩序は一神教の土台の上に築かれている

    仏教の中心的存在は神でなく人間(ゴータマ)
    →人間の欲望の渇愛に対し、心を鍛錬する瞑想術を開発
    →ゴータマ自身も苦しみから解放され仏陀に
    →苦しみを生む渇愛から解放されるには、心を鍛え現実をあるがままに経験する法則(ダルマ)

    ◯◯主義も宗教の一つ
    →どちらも超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範や価値観の体系という点で共通

    人間至上主義の宗派の違い
    →人間性の定義が異なる
    ・自由主義的→個人一人ひとりに宿る
    ・社会主義的→個人でなく集合的なもの
    ・進化論的→人類は人間以下の存在or超人に進化することもある

    ナチスの野望と誤り
    ・人類を退化から守り漸進的進化を促すこと
    →アーリア人種は優遇、ユダヤ人は皆殺し
    →実は人類の系統に大きな違いはないと遺伝子的に立証される

    歴史を研究する目的
    →視野を広げ、現状が自然でも必然的でもなく、想像以上に可能性に満ちていることを理解するため

    文化は一種の精神的感染症または寄生体で、人間は図らずもその宿主になっている

    科学革命=無知の革命
    →集団的無知を公に認める

    科学研究は宗教やイデオロギーと提携した場合にのみ栄える
    →イデオロギーは研究費を正当化するため
    →イデオロギーが科学研究の優先順位に影響を及ぼし、発見された物事をどうするか決める

    信用=今日と明日のパイの差

    アダムスミスの資本主義
    =自分の利益を増やしたいという人間の利己的な衝動が全体の豊かさの基本になる
    →利己主義が利他主義になる
    →人類史上屈指の画期的な思想

    資本主義の掟
    →生産利益は生産増加のために再投資されなくてはならない

    自由市場資本主義の欠点
    =利益が公正な方法で得られることも分配されることも保証できない

    自然は決して破壊できない
    →実際は破壊でなく変更
    →人間が絶滅しても、残る種属は存在する

    家族など親密なコミュニティは衰退し、その感情的空白は想像上のコミュニティに委ねられる

  • 心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛はつねに不満を伴うというのがゴータマの悟りだった。
    ゴータマはこの悪循環から脱する方法があることを発見した。心が何か快いもの、あるいは不快なものを経験したときに、物事をあるがままに理解すれば、もはや苦しみはなくなる。ゴータマは渇愛することなく現実をあるがままに受け容れられるように心を鍛錬する、一連の瞑想術を開発した。
    苦しみは渇愛から生まれるので、苦しみから完全に解放される唯一の道は、渇愛から完全に解放されることで、渇愛から解放される唯一の道は、心を鍛えて現実をあるがままに経験することである、というたった一つの法則に自分の教えを要約した。

    歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を広げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。

    信用に基づいた融資が新しい地理上の発見をもたらし、発見が植民地につながり、植民地が利益を生み、利益が信頼を育み、信頼がさらなる信用供与を実現させたのだ。

    イラクのクウェート侵攻のように、数は少ないが今なお世界で発生している国家間の全面的な戦争が、旧来の物質的な富に依存する地域で起こっているのは、けっして偶然ではない。

    「幸せは身の内より発する」
    お金や社会的地位、美容整形、壮麗な邸宅、権力の座などはどれも、あなたを幸せにすることはできない。永続する幸福感は、セロトニンやドーパミン、オキシトシンからのみ生じるのだ。

    これまでにわかっているところでは、純粋に科学的な視点から言えば、人生にはまったく何の意味もない。人類は、目的も持たずにやみくもに展開する進化の過程の所産だ。したがって人々が自分の人生に認める意義は、いかなるものもたんなる妄想にすぎない。

    自分が何を望んでいるかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?

  • 読了日:2019/07/26

  • ともさん私物

  • 暗澹たる未来。

    西欧思想が16世紀以降の世界を飲み込んでいった「力」の理由として、「帝国」「資本主義」「科学技術」三位一体エンジンによる推進力を説明している。

    著者は西欧人が世界をリードできた理由を「自身の無知を自覚したことによる知的好奇心」と綺麗な言葉で飾っているが、その正体は単なる欲望である。

    東洋やアラブの君主のように「分」に満足することなく、未知の世界や未来までも貨幣換算できる価値として計算し、ひたすら収益の最大化のみを目指して世界を汚染し尽くした結果として生まれたグローバル強欲資本主義。

    幸福の量的計測や、遺伝子の可能性が数値化された社会について考察している章は、一見深そうに見えるが、正直なところ高校の社会科で教わった「最大多数の最大幸福」や、アップルシードやPSYCHO-PASSの設定と比べてそう大した内容でもない。

    サピエンスを文化の違いを超えて協力させることのできる神が「貨幣」しかないのならば、行きつく先は「金持ちが金持ちであり続ける」社会に、まやかしの能力主義による自己正当化のお墨付きが加わったくだらなくて退屈で理不尽な地獄だ。


    本編の内容にはほとんど関係ないが、訳者あとがきに「日本語版出版に際して、日本に関する記述を加筆いただいた著者に感謝」とあった。

    加筆内容
    ・原爆投下により戦争終結が早まった。
    ・半島に経済的魅力があれば朝鮮出兵(「日本の侵略」と記載)はなかったかも。
    ・日韓は経済協力する方がWin-Win。
    ...この部分「だけ」を切り取るととんでもない主張だが、前後の文脈と合わせると矛盾はない(不愉快だが)。

    本当に著者が加筆したのか疑わしく思い、翻訳者の経歴をググってしまった。

  • Audibleで読了
    いや、凄い本だなぁ。この本があれば他の希釈したような本は不要やな。とか思いながら聞いてたんだけど。
    やっぱり何も残ってない。。。

    ただ、オランダ、東インド会社の話や宗教関連の話、貨幣経済についてなんかわからんけど、知っていることがたまにある。あと、流石に今日きいた最後の方は、まさにサピエンス全史の名に相応しく人間の次について触れていたなぁ。ぐらいは覚えている。

    謝辞に銃・病原菌・鉄の作者が入っていたので読んでみたいと思った。

    サピエンス全史は合本版買ったのでメモを取りつつ読み直したいと思います。

  • 人類は繁栄しているようで、実はそうではないのかと感じた。豊かになっているようで、みんながそうではないのと同じように。地球規模でいくと戦争は少なくなってきているが、その犠牲になっているひとよりも、自殺者のほうが死亡数が高いという現実。人類は本当の幸福は掴んでないし、テクノロジーの進化の享受はあるけれど、もしかしたら破壊へとつながっているのかもしれない。とにかく人類は生かされていると思う方がいいのかなと思った。

  • 進化、宗教、科学、シンギュラリティを迎えるこれからの世界をまとめて理解することができる一冊。面白く上下巻一気読み。

  • 話題の作品をようやく読む。人類が誕生してから現在に至るまでを、客観的に、相対的に概観するという広大な内容。なぜ他の類人猿ではなくホモサピエンスが生き残れたのか、他の生物からみたホモサピエンスとはどういう生き物なのか、そして科学革命を経て地球を支配してしまったホモサピエンスはどこへ向かおうとしているのか。途中何か所も目から鱗が落ちました。少し文章は難しめと感じましたが一読の価値は間違いなくある作品です。

  • 人類の歴史をマクロ的視点でとらえている
    認知革命、農業革命、科学革命を経て現在のグローバルな世界へ到達
    帝国、貨幣、資本主義などのキーワードで近代以降の歴史を構造化し
    幸福についても、そもそもそれは何か、軽量的に測ることは可能か、我々は幸福なのかを解き明かす
    最後はこれからの世界についての大胆な予測

    私たちは何を望みたいのか?

  • “幸福”を探して 人類250万年の旅 ~リーダーたちも注目!世界的ベストセラー~ - NHK クローズアップ現代+
    http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3912/

    『サピエンス全史』を途中で挫折した人に教えたい「本書の読み方」(堀井 憲一郎) | 現代ビジネス | 講談社
    https://gendai.ismedia.jp/articles/-/54348

    『サピエンス全史』を読んで気付けた3つの思い込み – まっつん – Medium
    https://medium.com/@mattsuuun/three-notice-from-book-sapiens-14b7a1d7e00a

    河出書房新社のPR
    近代世界は帝国主義・科学技術・資本主義のフィードバック・ループによって、爆発的に進歩した! ホモ・サピエンスの過去、現在、未来を俯瞰するかつてないスケールの大著、ついに邦訳!
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309226729/

  • 【幸福感】
    最後は幸福の問題となっています。

    現代は少し変化の兆しはありますが、まだ仕事という「苦痛の対価」としてお金を得ている状態です。

    近い将来には「昔は仕事という労働の対価として給料をもらっていたんだよ」と孫に言っているような光景があればいいのですが。。。

    ただ、人は相対的な優劣で幸福を感じると思います。目に触れるまわりが同じように貧しい状態であれば、人は劣等感を感じることはありません。
    しかし、目に触れるまわりに優劣が生じると下のものは劣等感を感じます。たとえ、絶対値で見れば世界的に頂点に近い位置にいても、まわりの人間が自分より上にいれば幸福感は薄らぎます。

    世界的にみれば、日本人に生まれただけで頂点に近い方に位置することを認識すればよいのでしょうが、やはり目に触れる範囲でも優劣あるためどうしても下に位置する人間は幸福感が少なくなります。

    世界中のより貧しい人をみて幸福感を増すというのも変な感じですが、貧しい国に行き、まわりより裕福に暮らすと幸福が増してしまいます。

    幸福感は人の感じ方により決まります。感じるというのは絶対的なものではなく相対的にしか感じることができません。したがって、どうしてもまわりとの相対的な尺度になってしまいます。

  • 難解な章もあったが、とても興味深く読むことが出来た!

    「私たちは何になりたいのか?」ではなく、
    「私たちは何を望みたいのか?」という疑問をこれから探してゆく楽しみでも出来た。

    仏教の教えもより理解できて、坐禅をしてきたことの理由が少し分かった気がした。

    「何を望むか」

  • 貨幣、帝国、宗教すべて虚構。虚構こそがホモ・サピエンスを束ね、「社会性」という生存戦略を実装し、地球の頂点に君臨せしめている。

    歴史には沢山の革命があるが、もっとも大きかったものの1つが、
    認知革命。

    近代以前は神により全て知られており、故に神に逆らう理由も術もなかった。
    「無知の自認」が神々の武装を解除し、人間に「進歩」という新たな道を示した。

    そこからは、資本と科学の無限ループにより、飛躍的速度で進歩し、いまや我々はホモ・ゼウスになりつつある。

    しかし、歴史は常に絶妙なバランスで進んできており、今後どんな発想の転換で、天国・地獄どちらに進むかは誰にもわからない。

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著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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