猫づくし日本史

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 66
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (112ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226941

感想・レビュー・書評

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  • 大陸から渡ってきてから数百年後には天皇から位を与えられるほど昔から猫の可愛さは不変だった事が窺える。
    猫又とか妖怪化されているのもあるが一周周って可愛い。妖怪でもないのに葛飾北斎の描く猫は可愛くないので人によって捉え方が違うのかもしれぬ。
    後半では猫島や都心の猫ゆかりの地など猫好きにはありがたいMAPもある素敵な本。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 可愛らしい表紙に惹かれて手に取りました。しっかりと歴史に沿って人による猫の捉え方を学べる本でした。猫にまつわるスポットがまとめられてるのも面白くて、猫寺社や猫島に行ってみたくなりました。

  • 始まりは紀元1500年余り前。エジプトの農民がリビアヤマネコを飼いならしてイエネコという新しい猫に改良した。やがて鼠を退治する夜行性の猫は農業の神や、闇を克服する神として信仰を集め、世界中に広がり、仏教とともにインドから中国へ、中国から7世紀に遣唐使とともに日本へと渡来する。仏典警備隊として寺院で飼われていた猫たちは、平安貴族たちに愛玩され、逃げだしたものがノネコとなり、時に「鳥獣人物戯画」に描かれ、所によっては猫又伝説として語り継がれ、時代を下って江戸時代、とうとう庶民の住む町へと解き放たれ……ついに現代では可愛いだけの神として君臨し、人間を下僕として暮らしているのだ!!!

    さて、本書によると飼い猫としての最古の記録が確認できる書物は『宇多天皇御記』。宇多天皇は父・光孝天皇から与えられた黒猫を、家族のように扱っていたようだ。さらに飼い猫に名前をつけていたことが確認できる最古の記録は、『更級日記』。その名前は「命婦の御許(みょうぶのおもと)」。しかも従五位下の位まで授けられていたという。「従五位下」とは中流の貴族に与える位で、「命婦」は五位の女官を表し、「御許」は高貴な女性に付ける敬称とか。平安時代にはすでに、歴代天皇や貴族たちがその可愛さにメロメロになっていたということがうかがえるから恐ろしい……。
    その後も猫は『今昔物語』、『鳥獣人物戯画』に登場し、鎌倉時代には猫又伝説が生まれ、その後も多くの歌人や画人によって歌われ、描かれ、夏目漱石にヒット作を書かせる。
    こんな感じで古代から近代までの「猫」の記録とその存在の変遷をさくっと紹介。日本全国の猫島と言われる場所、都内の猫にまつわる寺社なども紹介。全体的にひとつひとつのエピソードの深掘りはしておらず、そこは惜しいと思う一冊。挿画はどれも画力が高く、上手だけど素人さんや子供には受けないかもしれない。

  • 「ねこと東大」とは、また一味違うネコ本。ネコの歴史からネコ観光スポットまで網羅。毎日、ねこちゃんと同衾しながら、目から鱗の知識も得て満足。とりあえず都内ネコ神社初詣からスタートかな。

  • ひこにゃん!

  • 歴史

  • 私は猫が大好きで、小鳥も大好きです。我が家の猫は屋内で、庭のパンやジュースを食べてる小鳥を眺めています(^-^) ときどき、「あうあう」としっぽを下げて声なき声を出してますw。小林一茶、信濃の農家に生まれ、13才で継母に追われるように江戸に奉公に出され、随分苦労し50歳でやっと故郷に帰り51才で結婚したとか。長い一人暮らしを慰めたのが猫だったそうです(^-^) 一茶の句では「われときて遊べや親のない雀」のように小さい生き物への温かい句が多いですね。一番多いのが猫だそうです。「猫の飯相伴するや雀の子」!

  • 印刷の色から軽い内容と思っていたら、
    いやいやどうして。濃い中身で面白かった♪
    歴史、伝承、文学と、広い範囲ながら出典が多く、
    図版も豊富で、資料を当たりたくなります。
    第一次南極観測隊にオスの三毛猫が参加してたとか、
    雑学的にも楽しめました。
    残念なのは、半分が単色印刷。
    興味深い図版が多いだけにね~。

  • 猫に関する知識はいくらあっても困らない。笑

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著者プロフィール

1950年、山口県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大大学院博士課程修了。文学博士。元明治学院大学教授。専攻は日本古代史、歴史哲学。比較文化的視点を用いた幅広い観点から日本の思想・文化の研究に取り組んでいる。著書に『律令太政官制の研究』『日本古代国家と律令制』(ともに吉川弘文館)など専門書のほか、『歴史書「古事記」全訳』『古事記・日本書紀を知る事典』(ともに東京堂出版)、『古事記と日本書紀 どうして違うのか』(河出書房新社)など多数。

「2022年 『古代史入門事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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