ホモ・デウス 下: テクノロジーとサピエンスの未来

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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レビュー : 146
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309227375

感想・レビュー・書評

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  • 前著、ホモ・サピエンス全史もそうだったけど、上巻は新しい視点、事実がズラッと並べられて、心地良い歯切れの良さにふむふむと感心してしまうわけだけど、下巻になると上巻を受けて、だから未来はこうなっちゃうかもよ、って延々と同じような話が続くのが辛い。著者も書いてあるが、書かれているのはあくまでひとつの可能性であり、事実に基づいているので、真実味もあるのだけど、やはり仮定を前提の話が延々と続くのは、読み物としては辛いものだ。
    ただ、うっすら感じている不気味さを明確にしてくれる点や、自分の子供が大人になる頃にはどうなっちゃうのかなとか、子供を導くための視点の強化になればいいなと思って、読んでた感じ。どうなるのかね、未来。

  • 人間至上主義からデータ教へ。

    ヒトは自然淘汰の結果としての形であり、
    意識は遺伝子によって決まっているものである。(ランダム性を含めて)
    自分の意識より、データの方が自分を知っている。
    うーん。目新しい視点ではないように感じた。
    これだけ長い本にする必要性はないように思う。

    注目を浴びているので期待が大きくなってしまったかな。
    長時間かけた分、ちょっと残念。

    あ、時の流れとともに、
    人間をコンピュータアルゴリズムに置換えが簡単になる理由。
    アルゴリズムの改良だけでなく、
    人間の役割の専門化が進んでいるからという。
    確かに、なるほど、と思った。


  • 歴史学的な面では、近・現代史のエリアに入ってきて、テクノロジーの進化が宗教に与えた影響や、人間至上主義、自由主義が科学的アルゴリズムにどう否定されるのかなど、興味深くはあったけど、禅問答のような迷宮感についていけなくなったりして、上巻よりも難しく感じた。
    言わんとしていることは何となく理解できた気がするし、説得力も感じるけど、少し反論したい気持ちにもなった。
    けどその反論材料も理論もなくてもやもや。
    この本をすらすら読んでサクサク理解して、別の観点から意見が出せるような頭脳がほしい〜。けど、そういうアップデートは自分の努力でしていきたい。コンピュータなら一瞬の処理でも少しずつ、時間をかけて。そういう非効率的な選択肢を持っているのが人間なのかなーと。

  • 最後はモノのインターネット(IoT)やビッグデータの話となる。というのは、生き物はアルゴリズムであり、生命はデータ処理にすぎないと科学的な定説があり、自分や周辺の行動を記録し、それらをビッグデータとして処理をすれば、人類は自由意思が不要となるということだ。

    著者は、ホモ・デウスにアップデートできた人類だけが富を独占する世界になると警告している。著者は、これは予言ではないという。このような世界を許容できないのなら、そうならないような行動をすべきだと主張している。正直なところ、IoTやビッグデータの話になるのは肩透かし感がある。未来というより、現状から考察した近未来でしかないからだ。結論として、これしかないのかもしれないが、もう少し著者の鋭い考察が欲しかった。

  • 文章が散乱しているイメージ(あくまで個人のイメージ)がありうまく内容が脳内で繋げることが出来なかった。
    自分には高度過ぎると言うことか。
    おぼろげながら共感したのは今後IT等テクノロジーが大きく進歩し、人間が周回遅れになる可能性があるということ。
    共存が大きなテーマだね。

  • 普段あまり読まないジャンルの下巻も読了。

  • 有史以来、人類は3つの課題に頭を悩ませてきた。
    飢餓・疫病・戦争だ。しかしテクノロジーと科学によってこうした問題は21世紀で克服しつつある。
    次に人類は何を目指すか。
    それは「不死」「幸福」「神性」の獲得であるという。
    これらを目指し生命科学とテクノロジーは日々進歩し発展している。だがその過程で、現代の支配的宗教(イデオロギー)である「人間至上主義(ヒューマニズム)」が解体の危機に瀕する。
    なぜか。
    今、生命科学者たちは「生き物はアルゴリズム」であることを明らかにしてしまった。人間の脳は演算装置であり生き物はデータ処理装置である。自我や自由意志は幻想である。知能と意識は分離できる。
    生き物がアルゴリズムで意識と分離できるのなら、意識をもたない高度な知能をもつ非生物のアルゴリズム(例えば人口知能)が人間の能力を凌駕したとき何が起きるのか。そしてデータが自分自身より自分について詳しくなったとき、人間至上主義に支えられた資本主義・民主主義、自由主義はどのような影響を受けるのか。

    生命科学とテクノロジーのこのまま進展すれば、現代の支配的宗教である「人間至上主義(ヒューマニズム)」はいずれ崩壊し、代わりにデータとアルゴリズムによって人間を規定する「データ至上主義」が台頭する。

    これが、未来予想という名の人類のひとつの可能性を考察した本書の内容である。残念ながら、前作「サピエンス全史」の続編だが、前作のほうが面白かった。上・下巻2冊に分ける意味もない。上巻は前作のおさらいで、虚構を作り出す人の能力が人類繁栄のカギだったよ、という話。本作(というか下巻)は人類のこれから。正直、見通しが遠過ぎてSFを読んだ気分にしかなれず。


    本書を読んで途方もない気分に陥った人は、小川哲さんの「ユートロニカのこちら側」をお薦めする。データ至上主義が実現した社会の姿と人の営みとその先まで描いている優れたSF小説です。学者が描いた未来予想より思考実験でき、考える素材を提供してくれる。それに、なにより面白い。

  • データ教の章は衝撃的だった。
    人類が科学を突き詰めれば、いつか人類は存在しなくなる、または映画『マトリックス』のようになるのではないかって思えてしまう。人はいつかデウスになるのだろうか?
    納得できるところもあれば、それは飛躍すぎるだろうってところもあったけれど、じっくり読める内容だった。

  • <目次>
    第2部
     第6章  現代の契約
     第7章  人間至上主義革命
    第3部  ホモ・サピエンスによる制御が不能になる
     第8章  研究室の時限爆弾
     第9章  知能と意識の大いなる分離
     第10章  意識の大海
     第11章  データ教

    <内容>
    『ホモ・デウス』の下巻。「デウス」は神のこと。コンピュータとAIの進歩により、今後の地球がどうなっていくかを綴ったもの。けっこう恐ろしいことが書いてあるが、しっかりと歴史や他の学問を踏まえて書いてあるので、腑に落ちる内容。最後にそうならないために考えるべきことも書かれてあり、「ホモ・サピエンス」が生き残るための手段となるだろう。

  • 下巻も読み終えた。感想は、微妙(笑)。ひとつひとつの(無数の)エピソードは、興味をそそられるものもあるが、ありきたりと思えたものも多いし、いかんせんエピソードの集積として延々と展開するのは長過ぎるというのが正直なところ。歴史書としてみるには散漫すぎるし。
    なぜ話の内容に新鮮味が少ないのか? すでにどこかで語られたことが多いこと。どこかで読んだような既知の話が多く、それ故にだんだん退屈になるという…。この退屈さは著者がテクノロジーや生物学などの専門家ではなく、この件については専門家の知見を採り入れる歴史の研究者に過ぎないことも一因のように思う。スティーブン・ピンカーやジャトレ・ダイヤモンドを読んだときのような強い知的刺激を感じられない、理由の一つでもあるような気がする。

    読んでいて、個々の叙述はワイアードのようなサイトの、テクノロジーと近未来の話のように感じた。「ホモ・デウス」というデータアルゴリズム至上主義誕生の最終章でも、そう感じる。もちろんワイアードのようなウェブ上の読み切りのコラムではなく、教養の溢れた空想が延々と続く2巻にわたる書籍だが。でも私としては、このテーマなら、ウエブ上にあるより短い記事の、書き手も専門家も様々なものの集まりのほうが刺激的で、読みやすく、飽きないというのが本音だ。

    データ至上主義者は情報の自由にかかっているいう話。これは今後どうなるのか興味がある。今台頭している中国のインターネットと個人データ管理主義は、特に習近平時代になって自由主義を明確に否定し、全体主義的な統制が強まっている。これは第二時大戦後の、独裁ではなく自由から発展は生まれるという流れから逸脱した哲学だからだ。共産主義というよりも民間の競争を国家が統制する国家社会主義(ナチズムともいう)に近いと思わせる。このハイテクと独裁という異質な体制を迎えて世界はどういう方向に動くのだろうか?(あまり本書とは関係ないが考えてしまった)

著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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