家屋と妄想の精神病理

著者 : 春日武彦
  • 河出書房新社 (2003年5月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309242880

家屋と妄想の精神病理の感想・レビュー・書評

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  • 様々な文学作品において描写される家屋にまつわる狂気を例にとり、実際の疾病例と対比させながら「事実は小説より奇なる」ことが語られる。

    その中で語られる「ゴミ屋敷」については、『自分の周囲に馴染みのあるものを集めることによって心の安定をはかる』とされている。そして老女が中心である、ということも。

    でもこれは彼には当てはまらないように思う。そこにあったのは「ただの捨てられないゴミ」であって、収集されたものではなかったのだから。

    彼はあらゆる社会的な循環というものを否定したのだろう。ゴミは回収され、処分され、何らかの形で再生される。同様に貨幣も「巡る」ことによってその存在価値を持つ。

    でも、ゴミも貨幣も彼にとっては「巡る」必要のないものだった。巡るということは社会の営みの一部になることであって、彼はその一部であることを拒否していたのだから。

  • 最初は「屋根裏に誰かいるんですよ」というタイトルで発表されたが、
    増補新版として改題されたという。
    前の方がインパクトがあってよかったんじゃないかな(^^;)?
    精神科医の臨床経験に基づく論考で、主に、
    独居老女の妄想に「屋根裏に誰かが潜んでいる」パターンが
    多いのはなぜか、といった内容。
    不謹慎な言い方に聞こえるかもしれないが、
    読み物として面白いので何度も読み返している。

  • 同著者の「屋根裏に誰か居るんですよ」の増補版。相変わらず、春日武彦は面白い。(面白い、という表現は不適切かもしれないが。)統合失調症、痴呆などの精神病理について解説しているというより、現代社会の奇譚を読んでいるよう。

  • 春日節炸裂で面白かったです。
    でも屋根裏ネタだけで一冊にまとめるにはやや無理があったかも?と思ったり。

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