足ふみ留めて---アナレクタⅠ (アナレクタ 1)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 173
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309245454

作品紹介・あらすじ

彗星のように出現し、透徹した論理と華麗な文体で思想・文学界を驚倒せしめた孤高の俊傑、佐々木中。『夜戦と永遠』以前から『切りとれ、あの祈る手を』へ向かう力強く飄然と舞いふみ留められた躍動する思考の足跡。未発表・完全版宇多丸×佐々木中ロング対談収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜戦と永遠」や「切り取れ、あの祈る手を」にて幾度も語られている熱情の反復はここにも同じようにある。
    ただ、どれを読んでも、何度読んでも退屈はしない。
    読後のあの歓びはなんだろう。
    多くの絶望に触れたのに、希望しかない。

  • アウグスティヌスが受けた啓示を思い出す。取りて読め。

  • 『夜戦と永遠』の手前から、『切手本』の後にまで。
    佐々木中が進んできた道が時系列で並ぶ。

    彼がどのようにして読書を進めてきたのかは分からないが、
    彼が何を蓄えて理路を整えようとしたのかが垣間見える。

    だから特に、新しい発見という感じの著書ではない。

    ドゥルーズの『アンチ・オイディプス』が、
    専門家よりも、看護師や湾口労働者のもとに届き、
    彼らに熱い手紙を書かせたように、
    佐々木の著書は、アクティビストのもとに届き、彼らを奮い立たせている。

  • 読みやすい文章、読みにくい文章が入り混じる。後記によれば、手直しなどは一切なく、その時その時に掲載されたままの文章が載せられているとのこと。

    分からないところもたくさんあったが、節々で納得できる部分がある。文章の後半での、畳み掛けるようなうったえには何回か胸が熱くなった。

    「私のものであった筈のこの死を託す」という考えは、すごく自然に頭に入ってきた。死んだ後も変わらず世界があり続けることに対する希望。『生きてるものはいないのか』という映画を思い起こさせる。

    佐々木中という人に惹かれている自分にとっては、なかなか面白い本だったかな。

  • アナレクタとは​「残肴すなわち残り物ひいては拾遺余録のたぐいを指す羅語」なの​だそうで、雑誌に書いた随筆等の集成。ラッパー宇多丸との対談が​面白く読めた。この人の背景にはやはり音楽があるのだな。逸材。

  • 何も終わらないこと知っている、ということを頭の片隅に置きつつ、一旦筆を置く、そのタイミングを考える。あまりに何も語らないままで一旦、というわけにもいかないし、語り尽くし繰り返し繰り返ししたあとで急に飽きが来たように一旦、ともいかないだろう。まあどちらにしろ、それらはまだまだ繰り返し繰り返し書かれ続けられねばならないことになっている、はずなのだから気にしなくてもよいのだが。

  • 対談や書評などの選集。こういう形でまとめてもらえるととても有難い。
    自己啓発が司牧に基づいた統治性に他ならない、というのは面白い。

  • 【目次】

    2006年
    「生存の美学」の此岸で

    2009年
    「永遠の夜戦」の地平とは何か

    政治的霊性
    生への侮蔑、「死の物語」の反復 |この小説は文学的に間違っている
    〈磯崎的世界〉の盤石と動揺 |書評・磯崎憲一郎著『世紀の発見』
    終わらない、と彼は言った
    この世界における別の生 |霊性・革命・芸術
    魔魅に見える
    自己の死をいかに死ぬか
    暴力の現在|自然発生性とスローガン 討議者:市田良彦・絓秀実・長原豊
    自分の小説観を変えた3冊

    2010年
    真に死に切る
    ONCE AGAINが革命だ 対談 宇多丸×佐々木中
    足ふみ留めて
    良書、しかし前提とするところ多く屈折を孕む|書評・ポール・ヴェーヌ著『フーコー』
    狂おしい影を滲ませた陽光の旅の記録へ|書評・野崎歓 著『異邦の香り』



    *****
    http://www.atarusasaki.net/book_analecta1.html

  • 【目次】

    2006年
    「生存の美学」の此岸で

    2009年
    「永遠の夜戦」の地平とは何か

    政治的霊性
    生への侮蔑、「死の物語」の反復 |この小説は文学的に間違っている
    〈磯崎的世界〉の盤石と動揺 |書評・磯崎憲一郎著『世紀の発見』
    終わらない、と彼は言った
    この世界における別の生 |霊性・革命・芸術
    魔魅に見える
    自己の死をいかに死ぬか
    暴力の現在|自然発生性とスローガン 討議者:市田良彦・?秀実・長原豊
    自分の小説観を変えた3冊

    2010年
    真に死に切る
    ONCE AGAINが革命だ 対談 宇多丸×佐々木中
    足ふみ留めて
    良書、しかし前提とするところ多く屈折を孕む|書評・ポール・ヴェーヌ著『フーコー』
    狂おしい影を滲ませた陽光の旅の記録へ|書評・野崎歓 著『異邦の香り』



    *****
    http://www.atarusasaki.net/book_analecta1.html

  • 何も終わらない。何も。

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著者プロフィール

1973年生まれ。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会研究系基礎文化研究専攻宗教学宗教史学専門分野博士課程修了、博士(文学)。現在、立教大学兼任講師。専攻は哲学、現代思想、理論宗教学。論文に「鏡・エクリチュール・アンスクリプシオン」(『東京大学宗教学年報XXI』)、「宗教の享楽とは何か―ラカンの〈享楽の類型学〉から」(『宗教研究』352号)など。翻訳にフェティ・ベンスラマ「冒瀆する羊―『イスラームの名における検閲』会議での発言」(『現代思想』2006年5月号、青土社)、ピエール・ルジャンドル『ドグマ人類学総説―西洋のドグマ的諸問題』(共訳、平凡社、2003年)など。

「2008年 『夜戦と永遠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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