さようなら、もんじゅ君 高速増殖炉がかたる原発のホントのおはなし

  • 河出書房新社 (2012年3月8日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784309245867

みんなの感想まとめ

日本のエネルギー政策や原発の歴史について、わかりやすく解説されている作品です。原発や高速増殖炉の仕組み、核燃料サイクル計画の背景を知ることができ、入門編としても、既に知識がある人にとっても整理の助けと...

感想・レビュー・書評

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  • 今の日本に生きる者として、こういうことを知っておくのは大事だと思いました。

  • 原発や高速増殖炉のしくみ、日本のエネルギー政策の変遷、なぜ日本が核燃料サイクル計画をやめられないのか、などなど。
    知りたい人には入門編になるし、いくらか勉強してきた人にも整理になります。
    ぜんぶの漢字にルビがふってあるし、もんじゅ君がやさしい言葉でおしえてくれるから小学生でもわかります。

    第6章の「2050年のもんじゅ君の夢」は、胸が熱くあって泣きそうになりました。

  • 日本人なら必読の一冊。原発周辺のことをやわらかく赤裸々に語るもんじゅ君。早く引退できますように。

  • 高速増殖炉の原理や特徴、歴史、プルサーマルの内容などわかっているつもりをわかったと言える内容だった。特にナトリウム配管の板厚については非常にわかりやすかった。

  • 高速増殖炉の仕組みや問題点が良くわかった。ずっと以前から言われているけれど、なかなか先に進まない話。いつまで無駄金(それも税金)をつぎ込むのか…。日本って国は、本当にダメな仕組みしか作らないんだな。時代劇の悪代官みたいな輩が普通に政治家やってるからそうなるんだよな。そんな人たちを選ぶ国民が多いことにも悲しくなるよ。

  • 原子力発電のこと、わかりやすく書かれています。
    特に、夢の高速増殖原型炉は、いつまでも叶わない夢であることも。

  • イラストが可愛くひらがなも多いため、小中学生でも読みやすそう。原発、もんじゅなどから再生可能エネルギーや配送電ロスを減らすことに予算を割り振ったとして、実際に効果として表れるほどのものが作れるのかはよく分からない。また、再生可能エネルギーをベース電源として利用した場合の、需要と供給のバランスの取り方(ピーク時の不足や余る場合)についても特に書かれていないので、難しそうなのではないかという思いは払拭できず。

  • もんじゅ君の自虐的独白である。福井県にある現在修理中(というか実用的に利用されたことがない)の高速増殖炉であるもんじゅ号について解説を行っている。要は高速増殖炉を使用することは環境影響的に考えても、科学的にも経済的にも全く合理性を欠いているにも関わらず、サンクコストをサンクコストとして処理できないために、何とかして使おうとしているということである。

  • 「原発どうする?」「原発どうなの?」
    と思っている日本中の大人も子どもも読んでほしい1冊。
    原発のしくみから日本でのなりたち、そしてなぜ日本でこれだけ原発が増えたかを、高速増殖炉の「もんじゅ君」がじぶんのこととしてとってもわかりやすく解説してくれます。
    なによりもんじゅ君の人柄(炉柄?)がイイ!
    こんなにかわいく健気な炉に「ぼくはやくお仕事やめたいよ・・・」と言われると、もんじゅ君のためにもがんばって脱原発しないと、と思ってしまいます。
    ほのぼのとした口調ながらも、原発、そして核燃サイクル計画の無謀さを暴露して、そのうえ最後では2050年原発が廃炉になった世界を描いている、すぐれた内容の本です。
    一家に一冊、学校の図書室にも置いてほしいですね。

  • 電気を発生させるには「タービン」を回す
    タービンを回す方法に水蒸気を使うのが「火力発電」「原子力発電」

    火力発電は石油・石炭などを燃やす
    原子力発電は核分裂を起こす

    原発;中性子はゆっくり、冷却材は水、燃料はウラン235
    高速増殖炉;高速中性子、冷却材はナトリウム、燃料はプルトニウム239、発電しながらプルトニウム239を増やす
    ------
    ウランを使って普通の原子力発電をする→使用済核燃料が排出される
    使用済核燃料からプルトニウムを取り出して加工しMOX燃料を作る
    MOX燃料を使って高速増殖炉で発電する→使用済核燃料が排出される
    ------
    資源のない日本にとって、使えば使うほど燃料を「増殖」させることのできる高速増殖炉は夢の原子炉だ!!

    原発は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応は起こりにくくなる
    高速増殖炉は冷却材が沸騰して泡ができると核分裂反応が加速される

    高速増殖炉の実験炉は1946年に開始→2012年現在、まだ実用化されていない、毎年200億円の予算が使われている
    高速増殖炉を停止;アメリカは1977年、ドイツは1991年、イギリスは1994年、フランスは2010年


    MOX燃料を作ることもうまくいっていない
    ゴミである使用済核燃料からMOX燃料を作る、、、のだけれど、この時にもたくさんの放射性廃棄物が出る
    高速増殖炉が動かないから、普通の原子力発電で無理やりMOX燃料を使用している=プルサーマル計画

  • 少しでも原発って…と考えたことがある人にはぜひ読んでもらいたい
    大人なら30分で、子どもでも読める内容だし

    もんじゅくんが語る、という形式がすごく良いと思う

    一方的に責めるのではなく、なにが問題なのかが見えやすくなっている

    最後にもんじゅくんが見る良い方の夢が現実となるように(もう悪夢の方に向かっているけれど)、日々、できることをしていくしかないな、と

    それにしも良い本だった

  • とても分かりやすい。難しい内容なのですが、スラスラ読めます。
    最終章が現実になることを願います。

  • 最後の章が泣ける!

  • 『おしえて! もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能』 著者:もんじゅ君、制作:大島 堅一/左巻 健男、平凡社と合わせて読めば、より理解が深まります。

  • 高速増殖炉もんじゅの非公式キャラクターが語るもんじゅの話。
    普通の原発(軽水炉)ともんじゅ君(高速増殖炉)の違いやプルサーマルの仕組から、原発推進の背景や止められない理由まで。
    それがどんなものでどこがどう問題なのか解説していく。
    かわいい口調と平易な言葉による説明が基本的なことが全然わかってない身に嬉しい。

    もんじゅの廃炉・脱原発を支持する立場を明確にしつつ、恐怖や不安を煽るのではなく問題を指摘していく姿勢が快い。
    はっきり主張がなされているのに思想の誘導ではなく、考えさせるための材料になっているのは語り口のおかげもありそうだ。
    原発やもんじゅは怖いんだけど、それよりさらに怖いのはおかしな状況をおかしいと言えない空気。見込みのないことを惰性で続ける現状をとめられない思考停止。
    だから考えるための知識を配り、考えろと訴える。

    原発政策のダメさを鋭く批判する発言をもんじゅを悪役に吸えるのではなく「もんじゅ君」というかわいらしいキャラクターでやるというのが面白い。



    ドイツでは高速増殖炉の建設が完成したところで計画をストップさせたことがある。
    作ったのに一度も動かさずに廃炉(?)にするのは無駄だけど、危ないよりはマシ。
    未使用だから汚染はされていない。今は形をいかしつつ遊園地に生まれ変わっている。カルカーワンダーランド。

    ABCD包囲陣、オイルショックとエネルギー資源のない国であることをつきつけられた日本は「夢の原子炉」にしがみつく。
    トイレットペーパーを溜め込みたい日本の習性は、英独の飢えへの恐怖と同様のものなのかもしれない。
    『カブラの冬』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4409511122

    原子力発電が優勢なのは原発が優秀だからとは限らない。というのは冷蔵庫の形式の話と多分同じ。『お母さんは忙しくなるばかり』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4588364146

  • あきらめるほうが、明るい未来が待っている。それは、日本人に課せられた試練なのかもしれない。世界全体の一割の地震が発生する国に、世界の原発の13%が立地しているという事実。完成の見通しのないプルサーマル計画。論点が非常によく整理されていて、わかりやすかったですだよ。

  • ツイッターで「もんじゅ君」がツイートしてることは知っていたが、いつのまにか本まで出ていたのだった。この本と別に『おしえて!もんじゅ君―これだけは知っておこう 原発と放射能』という本もあるそうなのだが、そっちは図書館になく、『さようなら、もんじゅ君』だけがあった(その選書の区別はどこに…)。

    こっちの本は「ボクもんじゅの書き下ろし自叙伝!」ということで、もんじゅ君の履歴書から始まって、ナトリウム漏れ事故のこと、ふつうの原発(軽水炉)とどう違うのか、"夢の高速増殖炉"はどこが危ないか、どうしてもんじゅ開発をあきらめないのか…などが、もんじゅ君の「~ですだよ」口調で書かれ、終章は「2050年もんじゅの夢 もしも廃炉になれてたら」となっている。

    ▼…放射能や原発のはなしになると、原発に賛成のひとも反対のひとも、どっちもみんなケンカみたいになってしまってたことも、すごく悲しかったよ。
    「原発っていったいなんなんだろう?」
    「いま、なにがおこっているの?」
    「ほんとうにだいじょうぶなの?」
     べつに賛成でも反対でもなくって、ただわかんないな、こわいなって思っているだけのひとでも、そういう話題についておしゃべりすることじたい、学校や会社でなんだか遠慮しないといけないような雰囲気もあるみたい。そういう、自由じゃない、不安でいっぱいの空気が、とても悲しいなって思ったの。(pp.8-9)

    もんじゅ君が、ちょっとでもわかりやすくと書いてくれた本は、ほんまにわかりやすかった。

    「2050年のもんじゅの夢」は、原発フレンズたちがみんなハイロになった未来を描く。そこでもんじゅ君はこう言っている。
    ▼…原発や放射能のことをきっかけに、みんなでたくさんおはなしをして、ちょっと社会の空気がかわったのかな、って思うよ。
     なにかヘンだな、って思ったり、こまったことがあったときに、「まあいいや」「どうせ」「しかたないし」ってあきらめることが、まえよりもちょっとへったような気がするの。ヘンだな、いやだな、って思ったら、しらべてみる。家族の意見をきいてみる、友達や職場や近所のひととはなしてみる、そういうひとがすこしふえた気がするの。…
     なんだかちょっと、まえより風とおしのよい社会になった気がするよ。
     なにより、もう地震が来てぐらぐらって揺れても、原発派だいじょうぶ!?って心配しなくてよくなったしね。(pp.191-192)

    42年ぶりに、日本の全原発が停まったこの5月。
    『We』での吉野さんのインタビューを読みなおす。

    「除染をするということは地域が汚れているということです。どうして子どもたちを汚れた地域に置いたまま除染をするのですか」(『We』177号、吉野裕之さんインタビュー)

    (5/21了)

  • 「おしえて もんじゅくん」と前後して読んだ。
    こちらは高速増殖炉の仕組みに比重を高くして書いている。
    漢字にルビをふったりして、中学生以上には読めるように配慮してあるのは、「おしえて もんじゅくん」と同じ。
    2冊合わせてお勧め。

  • 「もんじゅ君」というキャラクターがかわいらしい口調とわかりやすい文章でこんこんと説明してくれるので、とても読み易く、理解し易かった。
    高速増殖炉については、「名前だけは知っている」くらいの知識しかなかった。それではダメなのだろうと頭では解っているが、それらしき本を読んでも難解且つ専門的で理解出来ない。そんな自分への救いの本だ。
    実際、こんなに予算が使われ(1日5000万円!)ているこんなに不完全な技術の施設だとは思っていなかった。しかも完成予定が2050年(当初予定は1980年!)だというから驚きだ。
    科学技術の研究は、「今使えるか」が目標ではなく「100年後に何かしらの技術になってるかもしれない」とうい目標で進められるギャンブルの様なものだという事は知っていたし、それに対して反対もない(電気の研究だって研究当初は現在の様に利用されるとは思われてなかったし、今のニュートリノの研究だって「将来何かに使えるかも」という研究だ)が、これは流石に勝手が違うのではないだろうか。
    そして、これだけ大掛かりな技術の使い道が、結局は発電用のタービンを回したいだけという……もっと他に良いタービンの回し方があるんじゃないのか?海流を使ってタービンを回す研究の方に、予算を回した方が良いのでは?

  • ツイッターのもんじゅ君の語り口、用語がいかされていて、「おしえて!もんじゅ君」よりも、よりもんじゅ君らしさを感じられます。

    「おしえて!もんじゅ君」は、小学生も含む幅広い年齢層に向けた原発・放射能知識の入門書。
    「さようなら、もんじゅ君」はジョークが分かる大人に向けた、高速増殖炉の自伝。内容はもちろんシリアス。
    ・・・って、感じでしょうか。どちらも良書です。

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