つくられた放射線「安全」論 ---科学が道を踏みはずすとき

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309246130

作品紹介・あらすじ

3.11後、混乱をきわめた放射線の健康影響問題…東大教授がアカデミズムの暗部を衝く-こうして安全論・楽観論は増殖した。科学者・専門家とは、いったいどういう人たちで、どれほど確かなことを言ってきたのか。

感想・レビュー・書評

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  • 福島原発事故後に、安全を主張した科学者たちが、事故以前から低線量被曝に閾値を設けることを主張してきたこと等を資料から明らかにしている。これらの問題についてきちんと調べている人には目新しい話ではないかもしれないが、自分にとってはこれまでばらばらに見ていた話がきちんと整理されて有益だった。
    また、「安全安心」というふたつの語がセットとなっていることが、原発事故の話とは結びつかないままに不可解だったのだが、この背景には、科学的、技術的に「安全」であること=科学者・専門家などにしか判断できないという前提があり、正しい知識なく闇雲に不安がる一般の人々を啓蒙して「安心」させることに注力することが目指されての言葉なのだと知り、考えさせられた。
    放射性物質への恐れに限らず、普通の人々の不安や不信が、「感情的なもの」として切り捨てられ、「客観的」な科学の誤りが顧みられることはない、ということの恐ろしさ。

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著者プロフィール

島薗進(しまぞの・すすむ) NPO東京自由大学学長、大正大学客員教授、上智大学グリーフケア研究所客員所員。著書に『現代救済宗教論』『現代宗教の可能性』『スピリチュアリティの興隆』『日本仏教の社会倫理』『明治大帝の誕生』『新宗教を問う』ほか多数。

「2023年 『みんなの宗教2世問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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