踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 110
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309246277

感想・レビュー・書評

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  • むふふ気取ってる〜(=^ェ^=)でも好きだな。

  • 哲学者・佐々木中氏の本です。過去の『アナレクタ』シリーズ同様、インタビュー、講義録、対談、書評といった雑多なテクストで構成された、例によってカテゴライズのしにくい本です。

    わたしが強い印象を受けたのは、「翻訳」論である「母の舌に逆らって、なお - 翻訳・ロマン主義・ヘルダーリン」ならびに小説家いとうせいこうについて論じた「神秘から奇蹟へ」の2つでした。

    「母の舌に逆らって」について。"ある本を読める、あるいは読めない、とはどういうことでしょう"(P.39)という読書家なら誰もが気になる問いからスタート。創世記、ベンヤミン、ドイツ・ロマン主義(初期、後期)、シュレーゲル、樋口一葉、吉増剛造・・そして答えが明かされる。楽しく、厳しい佐々木中氏の世界です。

    「神秘から奇蹟へ」については、最も好きな一文を引用させて頂きます。
    "ただ厳密さのみ、ただそれのみによって、言語とその外の区別はあやぶめられ、言語の輪郭は急速に雑音のなかに溶解し、自他の言語の区別も同時に消え去り、複数の「意識の流れ」の交錯を脈絡もなく飛躍しながら語るしかなくなる"(P.218)

    最近ある精神科医から、「快」と「楽」のちがいに関するお話を伺いました。それから本書を読んで改めて思ったこと、それは佐々木中氏が「快」をひたすらに求めて生きている人、そして受動的な「楽」に堕することを断固拒否する人だということです。人間が続けてきた知の営みに対し、能動的に噛り付き、その分け前を観衆に気前よく配る人。常に能動的。わたしも口を開けて待っているだけではいけない。

    ただ、『切りとれ、あの祈る手を』『アナレクタ1・2』あたりと比べると、本書では3.11や原発問題、風営法など、具体的な社会問題への言及が非常に多くなっています。いささか特定の政治的主張に偏った感じも否めず、多くの方におすすめできる本ではなくなってきたような気もします。

  • 本書所収の講演は、昨年11月、九州で行われたもの。私はその直前に東京で筆者の自作についての「解説会」のような講談に参加して少しガッカリしたのだが、できれば前者の講演を聞きたかったなぁ。

  • 相変わらず激しい口調?論調?で、ダンスから芸術、小説と批評してゆく。タイトルのように踊り狂ったように言葉を紡いでいるような印象。
    殆どが講義を収録したもので、熱気を帯びた話し言葉がベース。そのためか、怒りが全面に出た感じではあるものの、何故かしら幾分かの柔らかさもあった。突然「舐めんじゃねえ」と声を荒げるところもあり面白い。
    個人的には苦難を伴う翻訳論と時間芸術としての写真論は興味深く読ませていただいた。
    氏の言葉にはいつも自分のバカさ加減を罵倒されつつ、藻掻くことは悪くないとも言われている気がする。

  • クラブ摘発に寄せたインタビュー。美しく、力強さを感じる。/不正でも美しい者ものはありうる。醜くても正しいものはありうる。だから正しいか正しくないかの話しを、美的判断でやってはいけない。ダンスが議題であろうと、これは法改正の問題なのです。p.12/「闘争の手段をえり好みしてはいけない」。無論、可能な限り暴力は除外して。p.17/ケージのように言いましょう。だからダンスは死なない。生あるかぎり、ダンスは絶対に死なない。われわれは、もう踊っているのです。すでに、つねに、いつも。p.21

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著者プロフィール

1973年青森県生。哲学者・理論宗教学者・作家。東京大学文学部卒業、同博士課程修了、博士(文学)。主な著書に『定本 夜戦と永遠』(上・下)『切りとれ、あの祈る手を』『九夏前夜』『踊れわれわれの夜を、そして世界に朝を迎えよ』他多数。

「2016年 『戦争と一人の作家 坂口安吾論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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