毒婦たち: 東電OLと木嶋佳苗のあいだ

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 271
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309246345

感想・レビュー・書評

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  • 自分でも悪趣味だなと思うけど、木嶋佳苗の獄中ブログにはまって最初から全部読んだ。その中で、「毒婦。」の著者である北原みのりを訴えると書いてあり、さっそく読まなくちゃと思った次第。
    ところが図書館から借りてみると、裁判記録をつづった「毒婦。」ではなくて「毒婦たち。」だった。紛らわしい。
    まあいいかと読んでみる。

    中身は木嶋佳苗を中心に、世の中を騒がせた東電OL、角田美代子、上田美由紀、下村早苗、畠山鈴香などなどについて、これまた強烈な上野千鶴子、信田さよ子、北原みのりがしゃべり倒す鼎談をまとめたもの。

    まー、よくしゃべるしゃべる。好き勝手な事を次々と。
    齢は重ねているけれど、これはまるっきり女子会のノリだな。
    テーマはセックス、ジェンダー、援交、DVなど色々。
    なるほどね、と思う部分もあったけれど、何でもかんでもフェミニズムに結びつけちゃうところについていけない。
    頭のいい人が上から目線で論じたところで共感も出来ないし。
    読み物としては一気に読めちゃうほど面白いことは面白いんですけどね。

    だって、援交が受動的ってどういう事よ?
    援交と性的虐待を同じ土俵にあげちゃうのが全く理解できず。
    それに都会と田舎の比較論は分かるけど、このオバサン(敢えて)達が捉える田舎象にどうしても反感を覚えてしまって・・・。
    フェミニストってこんな人だったの!?

    この本を木嶋佳苗が読んだらどう反応するだろう。彼女によると「毒婦。」に書いてあることの7割は嘘だそうです。
    いっそのこと、次回の女子会に木嶋佳苗をゲストで呼んだらどんなに面白いことだろう。全然話がかみ合わないんだろうな。
    ああ、私って本当に悪趣味。

    • 夢で逢えたら...さん
      私も「毒婦。」と、他にも1冊木嶋佳苗関連の本を読みました。
      何が彼女をそうさせたのか知りたかった。
      でも自供がないから仕方ありませんが、...
      私も「毒婦。」と、他にも1冊木嶋佳苗関連の本を読みました。
      何が彼女をそうさせたのか知りたかった。
      でも自供がないから仕方ありませんが、結局彼女の心の闇はわからないままで、残念でした。気になりますよね〜。
      2014/03/26
    • vilureefさん
      夢で逢えたら...さん、こんにちは。

      この本の中で、上野さんと信田さんは木嶋佳苗は過去に性的虐待を受けた過去があるだろうって推測してる...
      夢で逢えたら...さん、こんにちは。

      この本の中で、上野さんと信田さんは木嶋佳苗は過去に性的虐待を受けた過去があるだろうって推測してるんですよね。
      その体験が彼女の男性観に影響し事件に繋がっていると。
      どうも納得できなくて・・・。
      ブログを読む限り、最後まで彼女らしく突き進んでいくんだろうなと思います。
      手記が出たら、きっと読んじゃうんだろうな(^_^;)
      2014/03/26
  • ずんずんと一気に読んで、非常に疲れた。鋭い指摘が随所にあり、なるほどと思うことも多いのだが、上野千鶴子さん、信田さよ子さん、北原みのりさん、いずれ劣らぬ猛者三人、三者三様のパワーに圧倒されてしまう。

    自分や社会について深く考え、行動においてもその思索を裏切らず一貫したものを持ち続けようと思ったら、特に女性は、あちこちにゴンゴンとぶつかることばかりだ。その理不尽さへの怒りをずっと持ち続けているエネルギーたるや、半端ではない。気持ちよく読ませてくれるわけではない、そのザラザラした違和感を今しばらく抱えて考えてみよう。

  • 北原みのりさんと同じく、木嶋佳苗はじめ、女性が起こした事件に興味を持っていて、ついこの手の本を読んでしまう。

    あたしは壇蜜と同い年のエンコー世代で、毒母持ちであり、男と同等の評価が欲しいと社会で苦しむ、結婚をゴールとしない独身女である。
    …このお三方の研究分野にすっかり当てはまってしまった。

    しかし、あたしはエンコーコギャル世代ど真ん中でしかも比較的都会にいたのに、その時期、人生で最も輝く10代を、みっともない脂肪にまみれて暮らしていて、誰からも性的に求められなかった。現実から目を逸らして暮らしていた。
    大人になって、ああ、あれは肥っていたからだ、そう思っていたのだ。
    木嶋佳苗には、だから驚いて興味を持ってしまったのだと思う。
    人から求められない理由に、容姿は関係ないのだと。
    木嶋佳苗を知れば知るほど、魅力的に思えてくる。
    たしかに、これはモテるかも。
    なんだこの、負けた感は。
    みんながだからざわつかされたのだ。
    本書にも出てくる似た事件の犯人は、背景がわかりやすい。だから誰も興味をもたない。同じようだが、魅力的ではない。教育も、お金もなかったのだろう、と思うだけだ。

    10代で自分を無価値と位置づけたあたしは、オンナを上手く使うことも、そこに飲み込まれることもなく、誰にも興味を持たれない、その他大勢の時間を過ごしている。

    堂々と生きている木嶋佳苗がすこし羨ましい。

  • 思わず、女性専用車輌に乗ってしまった時と同様の戦慄は、終始拭えなかった。当たり前か。

    NPO法人ウィメンズアクションネットワークと出版社主催の鼎談書籍化。

    自分ではない何かになろうとして、婚活サイトを利用し死刑に至った木嶋佳苗から、97年に殺人事件の被害者となった東電勤務の女性、その他にも元オウム信者同士で逃亡生活を続けた斎藤明美、2006年に報道されたセレブ妻殺人事件の三橋歌織などを題材に、毒婦を生む背景に切り込む一冊。

    上野先生が終始、韓流ではない事をアピールし続けるのに笑った。

    あとがきで触れられる壇蜜の「はい。日本の矛盾が生んだ空っぽのただの32歳、それが壇蜜です。」には、それが言えるのはタダ者ではないのだよ、と感じずにいられなかった。

  • 上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生が、女性たちが起こした殺人事件を語っている。上野千鶴子先生、信田さよ子先生、北原みのり先生は3人とも話がお上手で思白い。わかるわかるとうなずことばかり。

  • かなえには笑える要素があるけど、東電OLには笑える要素がない、との一文にまさにまさに!と膝を打つ思いで読み進めていたのだけれど、その構造が反転する瞬間があって、どちらの事件も女であるがゆえに起きた女の悲しみの発露であることを考えると、やはりそこには遣る瀬無さしかない。

    お三方の考えや意見に100%賛同できるわけでもないが、女であるという共通点だけしかないんだから、そりゃ当たり前だよな、と思ったり。ここに書かれてる毒婦とされる女性たち、そんな女を論じる女性たち、こういったものを嬉々として読んでいる女の私、その個々全てに底のない世界が広がっているようで薄ら寒い。

  • 「読み物」として純粋に面白かった。
    思想どーのこーのは、うーん。。ですが。。

    地方の貧困が本当にひどい、というのが
    印象的。
    地方在住ですが、こないだ東京で働いている
    ひとの月給聞いてたまげたとこずら。。

    同じ国の話とは思えないww。。
    家賃30万って・・・。。

    なので、地方の本当に貧しい家の人と
    東京でそれなりの生活の人とでは
    犯罪に関しても他の面でも格差が今後は
    出てきちゃうんだろうなあ・・・。
    この国は何を目指しているのか。

  • 上野千鶴子さんと信田さよ子さんは知っていたので、このひとたちの本なら、と思い借りてみた。
    しかし、フェミニズムの本はむずかしい。つくづくそう感じた。
    女性から見た男性って、こんなにも厄介な存在なのか…?
    見えない暴力というか、社会というものができた時点でもう避けられないような、そんな暴力性なのかなと思った。
    人間関係は、相手を支配できると思うからこそ扱いがぞんざいになってしまう、という部分が印象的でした。
    そういう意味で、相手を敬える関係をつくっていきたい。

  • 2013.11.30読了

  • かなりおもしろい。というか気持ちいい。女たちの目線で世の中を見ること。言葉を獲得していくといことが真実の見え方にどれだけ影響するかを思い知った気がする一冊。思考停止していたのかもしれない。マスメディアが流す一元的価値観に自縄自縛に陥っていた自分の後頭部を思いっきり金槌で殴られた気がする。メディアが男社会であるという意識もなかった。男の股間のケアを要求する社会に逆手にとって現れた「毒婦」たち。毒婦は自分であるという目線。「言葉を持って女目線で現実をちゃんと暴きだすことが必要。(上野)」上野千鶴子の歯切れの良さ、好き嫌いハッキリわかれそうな人だけに、好きだと思った。

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著者プロフィール

上野千鶴子(うえの ちづこ)
1948年富山県生まれの研究者。専攻は社会学で、女性学やジェンダー研究の第一人者として知られる。東京大学名誉教授。著書に『近代家族の成立と終焉』、『家父長制と資本』(岩波書店)、『おひとりさまの老後』(文春文庫)、『女ぎらい』(紀伊國屋書店)、『ケアの社会学』(太田出版)、『サヨナラ、学校化社会』など多数。

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