別のしかたで:ツイッター哲学

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 240
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309246642

感想・レビュー・書評

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  • 洗練されていて詩のようでもあり、何かの断片で文脈が分からなかったりもします。
    時系列順でないのは、タイムライン上を流れていく風景のスケッチにも似ていると感じました。

  • ”キャバクラは「セクハラの商品化」だ、という表現から思いついたが、文化史にはおそらく「セクハラの芸術化」と言えるかもしれないケースがあり、その伝説的な一つのケースはたとえば志村けんであろうな、と。”(P138より引用)

    本当にこんなツイートをしているのか、と検索してみたら本に載っていると同じ文面のツイートが出てきた。哲学ってすごいなと思いながらツイッターを見ていると、同じようなツイートをしている別の人も出てくる。よく見てみると、千葉さんのマネをしているというか、信者のような感じのひとだった。

    多くのひとにとって、数学の公式は自分で編み出すものではなく、理解して利用するものだ。それと同様に哲学も、誰かが考えに考え抜いて練り上げた思想みたいなものに、乗っかるだけで哲学のおいしいところを楽して得られるのかな、と思った。どうなんだろう。やはり、そんなに甘いものじゃない気がする。

    なるほど、と感じるツイートもあれば、難しくて理解できないツイートもあった。そのなかでも特に難解な文章に思ったのは、巻末の「あとがき――輪郭論」だ。
    単語だけなく言い回しすら理解できない部分もあって、自分の未熟さを痛感した。哲学の道は険しい。


  • 私が女性のおっぱいなら舐めてみたいけど下は舐めたくないな、と思うのは「咥えこむ」行為にある程度興奮出来るからなんだな。フェラチオをしているときに相手が声を出していなくてもある程度興奮出来るのは咥えてるからだけど、乳首で相手が声を出さないと全く興奮できずすぐやめちゃうのはその行為自体には一切興奮出来ていないから。壁を舐めてるみたいなんだもん。

    と、言うことをこの本読んで気づいた。なんで????
    我ながらなんでこの本読んでその気づきがあったのか全くわかんない。。。。

  • ツィッターをやらないのでこうして書籍にまとまらないと読まないのだが、なるほどこういう出版物もありか。
    ところどころに目を惹く感性を感じる。
    ちなみに自分は、日本酒は抽象的ではなく具体的な酒だと感じている。

    ====
    雲の色が怪しくなり、家族連れがパラソルをたたみ始める。海の色が鈍くなる。そこに一人で残っていると、短く太陽が出て肌を温め、また雲に隠れる。そして車に戻る。


    なぜ紙の書物が集中して読みやすいかというと、一冊の本は汎用デバイスではないからだろう。〔中略〕紙の書物は、コンテンツとハードウェアを一対一対応させた、極端に有限化されたデバイスである。

    マイナーバンドを知ってる俺かっけーみたいなのは恥ずかしいにしても、オタク的でも大衆的でもない感性にきちんとyesをいう場がないのは非常にまずいと思う。

    二兎を追ううちに、自分が三番目の兎になっていること。そういうのがいい。

    どんなジャンルでもあえて低速にすると、高速なものより尊重されやすいような気がする。

    僕の怠惰は徹底すると、もう密室劇の結論を押し付けられることさえダルいのである。〔中略〕僕はもう、あ密室?くらいでいい。そうなると、詩である。

    勉強することは、変身の恐ろしさのまっただ中にダイブすることだ。

  • ネット上では横書きのツイッターを、縦書きに直して編集されていることに最初はかなり違和感を持ったが、慣れてくるとそんなに読みにくさは感じなかった。こうしてツイッター上のつぶやきをまとめてみると、一種のアフォリズムのようにも読め、それはそれでツイッターの一つの「使い方」としてもおもしろいのではと感じた。

  •  千葉雅也のTwitterを書籍化。

     実際のTweetとは違う順番で並べられたTweetの数々。その中にはバリバリの哲学のこともあれば、哲学的思考半分な日常のこともあったりして面白い。Twitterってその人の世代とかがにじみ出るんだなぁと実感。
     もっと色んな人がTwitterを書籍化するべきだと思う。ただ、ちゃんと成立させるのはけっこう難しそうだが。。。

  • すこし前に読んでた本。ついったーをそのままのっけた本。というわけではなくて、順番を変えている。というよりはまぜこぜにしている。でもまあ「つかれたー」とか「寝る」とか、わたくしがよくつぶやいていることはまあなくて、なんかちょっと気づいたこと思ったことと、あとはこのひとが仕事にしている(?)とても気になっている(こっちのほうがよいか)哲学についてのことが、順序を入れ替えるだけで、相互に干渉しあってあら不思議。って別になんかとんでもないことになるわけではないけれども、それでも別のものがみえてくるのだ。こんど自分のでやってみようかしら。たぶん「つかれたー」に代わって「寝る」がくるとかそれくらいの些事しか発生しない気がするので、やっぱりやめておこう。

    しかし、それでだね、変なはなし、このひとの、この本にのってるつぶやきというのは、存在するのである。存在ちゃあなんやようわからんけれども。ついったーで検索すると、出てくるのだ。今のところは、かもだが。2010年だかのぶんも出てきた。そこにリプライ飛ばそうとおもったら飛ばせるのである。まだやってないけど。ってことは、「別のしかたで」ならべられた本のつぶやきを読んだひとたちが、手前勝手にばらばらにこのひとに語りかけることができるってことでしょう?それってまた「別のしかたで」なにかがでてくることになるのかなあ、と思ったりもする。そうなると、本は、本ってものが、なんかとっても不思議なデバイスのような気もしてくるのだけれど、まあ本は本か。

  • ツイートされた時のタイミング、さらに大きく時代を理解しないと分からないツイートも多いんじゃないかなと思いながら、割と流すように読んだ。
    そういう読み方でいいんだと思いながら。
    もともと流れていったものだから。

著者プロフィール

1978年生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科准教授。
著書に『意味がない無意味』(河出書房新社、2018)、『思弁的実在論と現代について 千葉雅也対談集』(青土社、2018)他

「2019年 『談 no.115』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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