民主主義ってなんだ?

制作 : 高橋 源一郎  SEALDs 
  • 河出書房新社
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レビュー : 46
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309247328

感想・レビュー・書評

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  • 特に安保法制に対しての反対運動で知られるようになったSEALDSの主なメンバーと、著者の対談をまとめたもの。著者は実はメンバーの一人、奥田氏の大学の先生。

    この団体がどういう活動をして、どういう人たちが集まって、何を考えて今のようになったのか、対談を通して語られています。なので中身は全て対談式。教授と学生が民主主義について厚く語られていますが、会話形式で分かりやすかったです。

    実は著者は昔、日米安保に反対する運動をして投獄経験もある人で、その経験から助言もし、そして今と昔のちがいについても語っている。政治的な運動を支援するというよりも、温かく見守っているような感じでした。

    民主主義とは何かという議論はまるで哲学のようなものでしたが、行き着く先は古代ギリシアのアテナイ。トップダウンで決まる今の政治形態でも現政府は「民主主義」と思っているようですが、これは正確には「代議制民主主義」といい、選挙で選ばれた者が物事を決める。しかしこれは貴族性と同じであるとして、昔は否定されているようです。本当の民主主義は選ばれた者が決めるのではなく、市民ひとりひとりが集会で意見を述べ、決められたことは守る。話し合いの中でいい方向を探り形にしていく。これが本当の民主主義である、と。民主主義について考えたこともなかったですが、なるほど~という感じでした。

    対談のメンバーはSEALDSのメンバーとは言え、普通の学生さんです。政治にちょっと関心のある。教授も交えての対談はまるでゼミにいるような雰囲気でした。

  • 社会的選択をする際に、いろいろな考え方を率直に表明し、意見を交換することができることが必要だと感じる。その中でSEALDsという動きも1つの環境として生まれてきたものと思う。

    そのようなものには様々なあり方があると思うが、SEALDsの場合には、集まり方の緩やかさと、若者が意見を言いやすい新しい表現方法(コール)を編み出したという点が印象深かった。

    後半で、民主主義や憲法の役割について、立憲主義やルソーの思想、ソクラテス時代のギリシア等、様々な考え方を広く提示することで、今回の安保法制に関する議論以上に、いろいろな観点から議論ができているように感じた。

  • 民主主義の入門書にぴったり。
    もう、まさに、民主主義ってなんだ??って思っているひとが読むべき一冊。読みながら、なんだろうって考えることができる。
    前半の愛基くんの生い立ちの部分では、すごい人だなぁ、だからこんなにかっこいいんだな!っておもった。

  • 作家の高橋源一郎氏と学生グループSEALDsの座談会。
    前半は、SEALDsの成り立ちと活動内容が、紹介されている。どの様な経緯で結成され、どのような理念を持っているか、SEALDsの活動をなんとなく知っていた程度なので、その辺の興味、疑問は埋められた。
    この本のメインである、民主主義とはなにかというのは後半部分で述べられている。
    民主主義とはなんだ?という疑問が持ち上がるように、民主主義という言葉の定義は人それぞれ違う。
    が故に、安倍首相のやっていることも民主主義といえるのだろう。
    納得いかないけれど、それを頭ごなしに違うというのも違うのだろう。
    アテナイの民主主義は、中央集権的な組織がないためアナキズムに近い。
    それは私たちが現在考える民主主義とは随分違う。
    物理的なことを考えると実現するのが不可能なので、現在の民主主義は直接民主主義ではないけれど、アテナイの民主主義というのが私の中での定義、理想に一番近いように思う。
    国家という組織の中では難しいけれど、もっと小さな社会であれば実現可能である。
    けれど、そうであるためにはそれなりのことも引き受けなければいけない。
    そこの部分は、議会制民主主義であれ、同じだ。
    直接的に関われなくても、主張と引き換えに相応のことを引き受けなければフェアではない。
    ただ、どの場合もやはり憲法や規則があることが大前提である。人間は過ちを犯す生き物だということは忘れてはいけない。

    いずれにしろ民主主義は面倒くさいものであり、自分たちの権利を主張するだけのものではない。
    デモを起こしたり、民主主義について考えたり、意見したり、それらはとてもパワーのいることだ。
    そういう意味では、学生運動というのも頷ける。
    彼らには、大人にないパワーと行動力がある。そして、よく勉強しているなと思った。
    彼らの逞しい運動を横目に見るだけでなく、同じように自分のこととして考えていかなければと思った。

  • その国の若者たちが
    どのような 存在で居られるのか
    どのような 言葉を発しているのか
    どのような 動きをしているのか

    その国の有り様を考える時には
    大事な条件である

    マス(集団)としてとらえられてしまって
    ああだ こうだ と 取り沙汰されるのではなく
    ちゃんと 一個の個人として
    顔も名前もある 一人の個人として
    その言葉を伝えてくれている

    私たちの この国の 明日を生きて行くのは
    まちがいなく この国の若ものたちなのです
    匿名でなく
    きちんと 発言している 彼らを
    応援したい

  • 話題になった時期に図書館に予約したのですが、今年になってようやく手許に届きました。彼らを批判・揶揄・嘲笑する声はネットでよく目にします。しかし、どんなに批判しようと、あの時、議事堂前のデモに数万人が参加した事実は揺るぎません。それはとてもすごいことだと思います。高橋源一郎の優しい語り口がとても味わい深かったです。

  • 集団的自衛権の行使容認、安保関連法案の強行採決…安倍政権の暴走に対して若者が立ち上がった。この国の未来を諦めないために。自由と民主主義を実現するための新たなマニフェスト。

  • ファッション化やカジュアル化する政治活動・民主主義再考活動についてのは、頭では納得しながら心では受付がたいと感じてしまうのはなぜだろう。まだ自分の中の整理がつかない。

  • 国会前デモで話題の学生団体SEALDsに関する書籍。
    風通しのよい社会になれば、民主主義だから声を上げたい、という活動の趣旨は理解できた。また、民主主義の定義について、SEALDsのメンバーが色々と考えていることも分かった。

    この本では触れられていないが、具体的に安保法案のどこに問題があると考え、反対しているのか。民主主義に基づく手順なのか、それならどうしたいのか、若者たち、有権者たちの責任をどう考えるのか。法案の内容に問題があるのなら、対案はどのようなものか。別の機会に知りたいと感じた。

  • SEALDsを学生パーティの延長だと揶揄する人もいるけれど、良くも悪くもその通りだと思う。

    最初は小箱から始まったパーティが集客を増やし、箱を大きくして、屋外に出て、レーベルを作って…という90年代から脈々と続くインディペンデントの流れが、ヒップホップやテクノではなく政治というタームでも動き始めた。端的にいうとそういうことなんではないだろうかと。

    良くも悪くも(2回目)SEALDsは特別な人たちではない。
    彼ら、彼女らも過ごした時代が違ったのなら民主主義を守ろうというような動きはしなかったのではないか。

    喩えて言うならば「マス対コア」だとか「アンダーグラウンド Vs. アマチュア」といった命がけの"ハーコな態度"をサブ・カルチャーではなく、メイン・ストリームの国政に対してとらなくてはならないような時代になった(しまった)訳で。

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著者プロフィール

1951年、広島県生まれ。81年『さようなら、ギャングたち』で群像新人賞優秀作を受賞しデビュー。『優雅で感傷的な日本野球』で三島賞、『日本文学盛衰史』で伊藤整文学賞、『さよならクリストファー・ロビン』で谷崎賞を受賞。

「2018年 『作家と楽しむ古典 土左日記 堤中納言物語 枕草子 方丈記 徒然草』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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