- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309248691
感想・レビュー・書評
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図書館での順番待ちが長すぎて、どうしてこの本を借りようと思ったのかは忘れてしまったけど、なんとか読み切れてよかった。
自分が子供の頃(昭和)は、思考や議論は大人のためのもので、大人の話し相手として子どもは認められていなかったと思う。大人と子どもは保護し、保護される関係‥だけど、だからといって子どもの考えていることはすべてにおいて取るに足りないものなのかな?親や先生は何を考えているのかな?と、子供の時から思っていたが確認する機会はないままだった。年長者とは永遠に年齢が追いつくことはないし、そうすると世代を超えた議論は永遠にできない。
‥そんな長年のモヤモヤに応えてくれた1冊。文字量は多いが、大切だと思うことがたくさん書いてあった。
・子ども哲学を通して、自分意見の点検をする→自己表現しながら他の人と共同して同じテーマの探究ができる自分か
・ひとりの人間として考えられているか
誰かの子供、誰かの親、仕事での地位や立場を離れて考える→考えの根拠に、特定の立場や役割の前提がないか
・大人の仕事
自由に発言し、気楽に質問や反論ができる雰囲気を作ること
・子供と哲学すると
教える者が教えられる者に、保護するものが保護される者に優位に立つのではない関係が樹立されること(ガース・マシューズ)
・教材
リップマン
小学校低学年「キオとガス」
小学校中学年「ピクシー」
小学校高学年「ハリー・ストットルマイヤーの発見」
中学生「リサ」
高校生「マーク」
シャロン・M・ケイとポール・トムソン
「中学生からの対話する哲学教室」
オスカー・ブルニフィエ
「こども哲学」絵本シリーズ
「はじめての哲学」シリーズ
ブリジット・ラベとミシェル・ピュエシュ
「哲学のおやつ」シリーズ
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◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB26375021 -
詳しく実践方法が書かれていて良かった。
こども哲学で育つ思考としてあげられている批判的思考、創造的思考、ケア的思考を身につけられるかどうかって今の時代を生きて行くのには大事だと感じた。単に私がそういう人が好きというだけかもしれないけど。考えることで切り開ける道がたくさんあることをこどもには知っておいて欲しいので、実践していけたらと思う。 -
面白かった。興味深い。実践したい。
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日本人の苦手とすることだと思う。
小さなころから、家庭や幼児教育で話し合い聞き合う風土をつくることで、場馴れすると思う。車座になるのは、聞きやすくていいですね。
動画で子守とか、ゲームをさせておくと静かで楽だとか、無気力で自分で考えない子を育ててしまうのは恐ろしいですね。 -
哲学対話の理論と実践の仕方についてまとめられた本。
哲学対話は何度か実践してきましたが、うまくいったと思うときと、なんだか微妙だなと思うときがありました。
その違いはやはり、自分自身がワクワクする問いを考えているかどうかということ。
子どもたちの問いを対話の中心にさせず、こちらが意図したい方向に対話をもっていったり、価値観の押し付けになってしまったりする問いだとワクワクしない。
子どもたちは時に大人もたじろぐ対話をするということは今年度の実践から感じていること。
あとはファシリテーターとして自分自身がどのように場を整えていくか。
哲学対話では、安心安全の場が担保されているからこそ対話が促進される。
だからこそ、まずはクラスが安心安全の場になるような学級経営をしないといけないなと改めて思いました。 -
哲学を通して子どもに対話させるノウハウが紹介してある。哲学の問題というオープンなテーマで話しやすいが、ファシリテーターの技量が大事であると思った。批判的思考、創造的思考、ケア的思考で対話が深まることは参考になった。
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コミュニケーションのヒントに満ちている。大切な本。