じぶんで考えじぶんで話せる こどもを育てる哲学レッスン

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 241
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309248691

感想・レビュー・書評

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  • 図書館での順番待ちが長すぎて、どうしてこの本を借りようと思ったのかは忘れてしまったけど、なんとか読み切れてよかった。

    自分が子供の頃(昭和)は、思考や議論は大人のためのもので、大人の話し相手として子どもは認められていなかったと思う。大人と子どもは保護し、保護される関係‥だけど、だからといって子どもの考えていることはすべてにおいて取るに足りないものなのかな?親や先生は何を考えているのかな?と、子供の時から思っていたが確認する機会はないままだった。年長者とは永遠に年齢が追いつくことはないし、そうすると世代を超えた議論は永遠にできない。

    ‥そんな長年のモヤモヤに応えてくれた1冊。文字量は多いが、大切だと思うことがたくさん書いてあった。

    ・子ども哲学を通して、自分意見の点検をする→自己表現しながら他の人と共同して同じテーマの探究ができる自分か

    ・ひとりの人間として考えられているか
    誰かの子供、誰かの親、仕事での地位や立場を離れて考える→考えの根拠に、特定の立場や役割の前提がないか

    ・大人の仕事
    自由に発言し、気楽に質問や反論ができる雰囲気を作ること

    ・子供と哲学すると
    教える者が教えられる者に、保護するものが保護される者に優位に立つのではない関係が樹立されること(ガース・マシューズ)

    ・教材
    リップマン
    小学校低学年「キオとガス」
    小学校中学年「ピクシー」
    小学校高学年「ハリー・ストットルマイヤーの発見」
    中学生「リサ」
    高校生「マーク」

    シャロン・M・ケイとポール・トムソン
    「中学生からの対話する哲学教室」

    オスカー・ブルニフィエ
    「こども哲学」絵本シリーズ
    「はじめての哲学」シリーズ

    ブリジット・ラベとミシェル・ピュエシュ
    「哲学のおやつ」シリーズ





  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB26375021

  • 詳しく実践方法が書かれていて良かった。
    こども哲学で育つ思考としてあげられている批判的思考、創造的思考、ケア的思考を身につけられるかどうかって今の時代を生きて行くのには大事だと感じた。単に私がそういう人が好きというだけかもしれないけど。考えることで切り開ける道がたくさんあることをこどもには知っておいて欲しいので、実践していけたらと思う。

  • 面白かった。興味深い。実践したい。

  • 日本人の苦手とすることだと思う。
    小さなころから、家庭や幼児教育で話し合い聞き合う風土をつくることで、場馴れすると思う。車座になるのは、聞きやすくていいですね。
    動画で子守とか、ゲームをさせておくと静かで楽だとか、無気力で自分で考えない子を育ててしまうのは恐ろしいですね。

  • 哲学対話の理論と実践の仕方についてまとめられた本。
    哲学対話は何度か実践してきましたが、うまくいったと思うときと、なんだか微妙だなと思うときがありました。
    その違いはやはり、自分自身がワクワクする問いを考えているかどうかということ。
    子どもたちの問いを対話の中心にさせず、こちらが意図したい方向に対話をもっていったり、価値観の押し付けになってしまったりする問いだとワクワクしない。
    子どもたちは時に大人もたじろぐ対話をするということは今年度の実践から感じていること。
    あとはファシリテーターとして自分自身がどのように場を整えていくか。
    哲学対話では、安心安全の場が担保されているからこそ対話が促進される。
    だからこそ、まずはクラスが安心安全の場になるような学級経営をしないといけないなと改めて思いました。

  • 哲学を通して子どもに対話させるノウハウが紹介してある。哲学の問題というオープンなテーマで話しやすいが、ファシリテーターの技量が大事であると思った。批判的思考、創造的思考、ケア的思考で対話が深まることは参考になった。

  • こどもは考える。

    探究的な学習が注目される中で、対話する力や議論する力が求められている。でも、それはどうやって育てればいいのだろうか。こどもに対話や議論は可能なのだろうか。「こども哲学」という分野から、その答えの一つとなるのがこの本である。

    学問の世界の哲学と、こども哲学の違いから、実際の実践におけるヒントまで、この一冊で概観できる。大切なのはまずそこが安心して話せる場であること、クラスの「セイフティ」が保証されていること。人の話に耳を傾ける姿勢ができているか。話すことも大事だが、まず聴くことができていないといけない。そして、教師はファシリテイタ―であること。結論を出すのが目的ではないし、正しい答えに導くものでもない。なかなか簡単にできそうにはないけれど、やってみたいと思わせる。道徳や総合のイメージがあるけれど、各教科での取り組み例が挙げられていて、勉強になった。

  • コミュニケーションのヒントに満ちている。大切な本。

  • 哲学は難しいと思っていた。
    実際、学生時代にとってみたけど、本当に眠かった。
    しかし、今欲しいもの。
    判断力、思考力、コミュニケーション力がつくという。
    まさにこれから生きていく上で必要な力だと思う。
    哲学的対話、導くファシリテーターの役割がかなり大きいが、参加してみたいし、体験させたい。

    批判的思考、創造的思考、ケア的思考
    メタ的自己評価
    質問すること
    セイフティの確立 聴く力
    意味、理由、証拠、真偽、一般化、前提、含意(とするとどうなる?)を問う
    ゆっくりと
    飛躍したらまとめる、戻る

    オスカーブルニフィエ こども哲学 シリーズ
    中学生からの対話する哲学教室
    哲学のおやつ シリーズ

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著者プロフィール

立教大学文学部教授。NPO法人 アーダコーダ副理事。
専門は、心の哲学・現象学・倫理学・応用倫理学。社会が内包する問題に哲学的見地から切り込む。
著書に『メルロ=ポンティの意味論』(2000年)、『道徳を問いなおす』(2011年)、『境界の現象学』(2014年)こども哲学についての著者に、『「こども哲学」で対話力と思考力を育てる』河出書房新社、『じぶんで考えじぶんで話せるこどもを育てる哲学レッスン』 河出書房新社、『問う方法・考える方法 「探究型の学習」のために』ちくまプリマー新書、『対話ではじめるこどもの哲学 道徳ってなに?』全4巻 童心社、共著『子どもの哲学 考えることをはじめた君へ』 毎日新聞出版など多数。

「2023年 『こどもたちが考え、話し合うための絵本ガイドブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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