この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた

制作 : Lewis Dartnell  東郷 えりか 
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 779
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309253251

感想・レビュー・書評

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  • 購入。

    大破局が起こり、現在の科学文明が機能しなくなった時に、生き残った人々がどのようにして文明を作り上げるかをまとめている。

    序章で著者も述べているように細かい指南書にはなっていないし、事細かな分野を網羅しているわけではない。人が生きていくのに最低限と思われる分野と技術の概要が紹介されている。
    また、個人が生き延びるのではなく、自らの手で農業や無線通信を行って集団として生きていくための要素を述べている。

    この本の記述だけでは想像できない部分もあった。図版も多くはない。ただ、これだけの進歩の上に今の生活があるということは理解できる。

  • 文明が断絶された後の世界で如何に再復興するかを示した本書は有用である。仮に今現在出版されている本を見ても、技術の断片しか書かれていない、もしくは書籍になっていない、何故なら専門的すぎる本は売れないからだ。仮に原子力発電所で働く人がいた所で、原理を知っているだけで1から作り出すことは不可能だ。本書はその観点からスタートしている。着目点は非常に面白く、導入部は素晴らしい、しかしその後は非常に退屈だ。何故なら今現時点でその技術を欲していないからだ。
    もしもっと面白くするのであれば、本書はフィクションの形でストーリーがなければいけない。試行錯誤もあり、結果復興していく話ならば是非読みたい。

  • 【請求記号】5000:1140

  • 科学技術や産業が一旦全て無くなったときに、それを「再起動」するためにはどうすればよいかを、「説明」した本。

    想定が現実的かというより、現在の社会がどれほど複雑な基盤の上に成り立っているかを改めて感じることができる本だった。

    筆者の視点の中でユニークだと感じたのは、現在の科学技術社会を、その歴史的経過も含めてすべて忠実に再起動するということではなく、一旦リセットされた後はもっと効率的に、また必要なものを取捨選択をしながら再起動していけると考えている点である。

    このような視点から改めて考えてみることで、現在の社会がより環境負荷をかけずに、効率よく回っていくために、大胆にリストラクチャリングできる部分があるということにも、気付くことができるのではないかと感じた。

  • 「僕らの知っていた世界は終わりを遂げた。」この言葉で本書は始まる。地球の人口の大多数を死に至らしめた原因は核戦争かもしれないし、強毒型の鳥インフルエンザかもしれないし、小惑星の衝突かもしれない。それまで人々の暮らしを支えてきたインフラストラクチャー全体が崩壊した後、廃墟から立ち上がった生存者が生き延び、可能な限り早く復興するためにはどんな知識が必要なのだろう。
    本書は短期間のサバイバル術を書いたものではなく、むしろ科学を応用した技術を使い、高度に進んだ文明の再建を画策する方法を教えるものだ。先進国に住む人々は、個人としては食料、衣類、住居、医薬品などの生存に欠かせないものの生産について、その初歩的なことも知らない。大破局を生き延びた後、運よく残ったショッピングセンターやスーパーマーケットの商品を使い尽くして終わるのではなく、文明再建への長い道を一歩ずつ確実に歩んでいかなければならない。その時、現代の科学とそれを応用した技術の基礎が分かっていれば、文明の再建にかかる期間は大幅に短縮されるだろう。
    食料を確保するためには農業の復興だ。本書が教えるのは主要産物であるトウモロコシ、米、小麦を効率よく収穫するための土壌管理、肥料、農具の作り方、収穫物の保存方法などの知識だ。次に糸を紡いで布を織り衣服を作り、熱エネルギー確保のために木炭を焼く。感染症予防のための石鹸や医薬品に加え様々な材料や工業薬品の作り方には化学の知識が役に立つ。鉄を鋳造し、ガラスを作り出し、動力となる機械を動かし、蒸気機関や内燃機関を利用した輸送機関を製造し、発電技術から簡単な電気通信技術を復活させるまで、読み進めるにつれて、その技術はより高度な文明を支えるものとなる。
    どの技術も化学、生物学、物理学などの科学に基づいたものである。科学的理解を実用化することが技術の基本であり、科学の発見が技術の進歩を促す。近代の世界を作り上げたのは科学であり、それをまた再建するためにも科学は必要となるだろう。
    現在私達は多くの情報をインターネットから得ている。調べたいことは先ず「ググる」のが基本だろう。しかし、大破局によって電力の供給が止まった場合、もはやインターネット上の情報は取り出すことができなくなる。本書が「紙の本」として残ることを祈るばかりだ。
    「この世界が消えたあと」に再び作り出される文明は現代社会のものとは異なった発展の道をたどるのかもしれない。でも、どんな状況からでも人類は再び立ち上がる事ができるのだという希望を持ちたい。

  • 自分が現代文明が崩壊した後の文明復興に全然役に立たない人間だというのがよくわかった。
    なんとなく分かるけど、実際に出来る気がしない。

  • 人口が激減した世界で科学文明をどう再起動するかという思考実験。人間のこれまでの活動の結果、破局後の世界は昔のやり方で通用するわけではなく違った方法を模索しなければならない。
    この本を読むと自分が如何に何もできないかを思い知らされる。
    真の教養とはこれだ、と言える一冊。

  • 2016年4月新着

  • この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた

    文科系トークラジオlifeにて。
    鈴木謙介さんのおすすめ。

    【堆積された技術のありがたみ】

    普段何気なく暮らしている日常生活が
    いかに多くの技術によって支えられているかを
    思い知らされる。

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著者プロフィール

イギリス・レスター大学のイギリス宇宙局の研究者で、宇宙生物学が専門。火星における生命の痕跡を探すプロジェクトに関わっている。サイエンス・ライティングで数々の賞を受賞し、BBCテレビにも出演している。

「2018年 『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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